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イラク自衛隊:
新決議後に多国籍軍に参加 政府方針固まる
政府は6日、国連安全保障理事会での新たなイラク決議に基づいて今月末の主権移譲後に編成される多国籍軍に、自衛隊を参加させる方針を固めた。多国籍軍の目的として、新決議に「人道復興支援」が明記されることが確実になったほか、現状と同様に自衛隊独自の指揮権を確保できると判断したためだ。新決議は早ければ今週中に採択されるとみられ、採択後に小泉純一郎首相が「憲法とイラク復興特別措置法の範囲内」で多国籍軍に参加するとの方針を正式に表明する見通しだ。自衛隊の多国籍軍参加は初めてになる。
多国籍軍への参加問題は、直接的には自衛隊員の法的地位を確保する手段として浮上していた。現在は米英占領当局(CPA)の行政命令17号によって、イラクで活動する自衛隊員はイラク国内法の適用を受けないことになっている。しかし、今月末には主権がCPAからイラク暫定政権に移るため、政府は多国籍軍に参加することで一括して同様の法的地位を得ることを検討してきた。
ただし、政府はこれまで「武力行使を伴う多国籍軍に参加することはできない」との見解を示してきたため、外務省は自衛隊の参加を可能にするような新安保理決議の内容にするよう働きかけを行ってきた。この結果、米英両国が1日に提示した修正案には、多国籍軍の目的として治安維持のほかに「人道復興支援」が盛り込まれたため、政府はイラク南部のサマワで行っている給水、医療活動を多国籍軍としても継続が可能と判断した。
指揮権については、自衛隊が多国籍軍の統合司令部から個別の指揮を受けず、日本独自の判断で部隊の任務や活動場所を決められると判断した。外務省は「統合司令部」の役割を「参加各国の調整役」とみなしている。
毎日新聞 2004年6月7日 3時00分
http://www.mainichi-msn.co.jp/seiji/kokkai/news/20040607k0000m010112000c.html
イラク自衛隊:
多国籍軍参加で日米同盟強化 指揮権が課題
政府が多国籍軍に自衛隊を参加させる方針を固めた背景には、日米同盟の強化に向けて実績を積み重ねようという政治的、軍事的な狙いがある。現在、有志連合の一員として行われている自衛隊の活動内容は、多国籍軍になっても変わることはないが、日米が国連決議に基づく多国籍軍という「同じ傘」に入ることで、日本はより積極的に米国の対イラク政策を後押しすることになるためだ。ただし、独自の指揮権が確保されるかどうかをめぐっては灰色の領域も残っている。
多国籍軍への参加をめぐって、政府は「武力の行使自体を目的、任務とする多国籍軍に参加することは憲法上許されない」(01年12月、津野修内閣法制局長官)との解釈を示してきた。憲法9条が海外での武力行使を禁じているためだ。
しかし、秋山收内閣法制局長官は1日の参院イラク武力攻撃事態特別委員会で「武力行使を行わず、活動が他国の武力の行使と一体化しない場合には、武力行使を伴う任務、伴わない任務の両方が与えられる多国籍軍に参加することは憲法上問題がない」と答弁。従来の見解と矛盾が生じないよう、人道復興支援などの任務に限定すれば参加は可能と論理的に整理したものだった。
すでに外務省はこうした法制局見解の条件を満たす国連安保理決議の内容になるよう、外交的な働きかけを続けていた。秋山長官の答弁は新決議案に日本が期待する内容が盛り込まれる見通しが立ったことを受けたものでもあるようだ。
一方で憲法に抵触しない参加形態にするには、多国籍軍に入っても、自衛隊が独自の指揮権を確保することが必要になる。防衛庁の守屋武昌事務次官は3日の記者会見で、多国籍軍へ参加する場合の条件として、(1)統合司令部の指揮下に入らない(2)武力行使を伴わない任務がある(3)イラク復興特別措置法の範囲内の活動(4)武力行使をしない−−の四つを示した。
政府内では多国籍軍の司令部の役割を「並列した立場にある参加各国の統制」と解釈することなどが検討されており、防衛庁幹部は日本独自の判断による撤退も可能と主張する。しかし、それをどのように担保するかは依然、不透明だ。【中川佳昭、南恵太】
毎日新聞 2004年6月7日 3時00分
http://www.mainichi-msn.co.jp/seiji/kokkai/news/20040607k0000m010113000c.html