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□ ☆ ワールド・ニューズ・メール ☆ 6/25金曜スペシャル版 □
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[2]特集…混迷深める中台関係の未来
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●鍵握る仲介役・米国のさじ加減
5月20日、台湾の陳水扁総統は総統就任式で北京五輪が開催される2008年まで
の新憲法制定を確約し、第2次政権を出発した。中国は陳政権の新憲法制定の動
きを「宣言なき独立」と受け止めて武力行使に踏み切るのか。混迷を深める中台
関係の未来は、仲介役である米国のさじ加減次第で大きく左右される時代を迎え
ている。(香港・深川耕治)
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●潜水艦で米台論争
米国から台湾への武器供与について現地視察を行うために訪米した王金平立法
院長(国会議長)を団長とする台湾超党派の立法委員(国会議員)視察団は21日、
ワシントンの米国防総省でウルフォウィッツ米国防副長官と約50分間、初会談し
た。
会談でウルフォウィッツ副長官は「台湾が(米国からの)防御性武器購入を急
がなければ台湾海峡の軍事バランスが急速に壊れることになる。台湾側が自らの
防御体制(の不完全さ)を厳粛に受け止める意思がなければ米側も厳粛に受け止
めることはできないし、中国の軍備拡張を鼓舞増長させて台湾の安全をさらに脅
かすことになるだろう」と突き放したような口ぶりで話した。
これに対し、王立法院長ら視察団側は「立法院の立場では必要な国防経費を削
減することで両岸(中台)の軍事力格差が広がるようなことはあってはならない」
と米側に伝え、軍事バランスの均衡重視の姿勢であることや武器供与のプロセス、
価格などについて意見交換した。
ウルフォウィッツ副長官の表情が曇ったのは、会談の中で与党・民進党の梁牧
養立法委員と親民党の林郁方立法委員が相次いで潜水艦の自国製造政策を主張し
た時点からだ。
ウルフォウィッツ副長官は「その政策は間違っている。台湾の資源は限られて
おり、資源を浪費すべきではない」と真っ向から反対し、「両岸の軍事投資は年
々、台湾が下降する一方、中国は上昇して均衡が失われつつある。中国の軍事増
強が不必要になるには隣国の武力脅威がなくなるか、台湾が一方的に周辺地帯で
の衝突ができないよう強調するかの二者択一しかない」と述べた。
会談前、視察団メンバーの中からは「米国が台湾に武器供与を続けることは中
国側がすでに黙認許可しているのではないか」との観測が流れ、米側が事前にこ
れを強く否定した経緯があった。
●米台で軍事演習
米側は台湾への武器供与について「中国とは討論することをあえて避けている
ので中国側の同意を取り付けているわけではない」と説明し、米国から台湾への
武器売買の話題がメディアで報じられるたびに「中国政府からの抗議が提出され
ている」と実情を解説。
しかし、それでも米国が中国の抗議をはねつけるのは「台湾関係法」を盾にし
ているからだ。ブッシュ米政権は、レーガン大統領や父親ブッシュ氏が大統領の
時代と同様、親台湾路線に変わりはないが、陳水扁政権樹立以降、米側の事前根
回しなしに国号問題や住民投票、新憲法制定の提唱をぶち上げたことに少なから
ず不信感を抱いている。
今年末の米大統領選挙でブッシュ氏が再選されなければ、米共和党の伝統的な
親台湾路線が崩壊して中国重視策が取られ、中台軍事バランスのゆがみで2008年
の「宣言なき中国の台湾軍事侵攻」も最悪のシナリオとして浮上し始めることに
なる。
今後、中台関係は仲介役・米国のさじ加減次第で最悪の結果をもたらすことも、
ソフトランディングさせることも可能な状態だ。
台湾側は米国からの防衛装備調達でミサイル防衛(MD)システムなどを完備
する6108億台湾ドル(約2兆円)の特別予算を組んで立法院での承認を得ようと
する段階に入っており、王金平立法院長は同予算に含まれていないイージス艦に
ついてもハワイ真珠湾で視察し、必要是非を検討している。
台湾では20日、米国防総省の専門チームが協力する中、コードネーム「漢光20
号」の軍事演習が行われ、06年時点での中国との戦争を仮想し、米台共同軍が中
国軍に勝つシミュレーション通りの展開を実地訓練した。
21日には、中国からの弾道ミサイル攻撃を想定した机上軍事演習を米軍と共同
で行い、台米軍事協力は盤石であるかのようにみえる。中国が台湾に武力侵攻し
た場合、「台湾軍は三峡ダムにミサイル攻撃する」との声も台湾側から出始め、
中国側は「逆に核兵器で対処する」との文攻(言葉での攻撃)もエスカレートす
るばかりだ。
●中国市場で民進党系締め付け
一方、中国は陳水扁総統の就任式以降、中国大陸に進出する台湾の「緑色(与
党・民進党のシンボルカラー)」企業は台湾独立派企業なので中国内から排除す
るとの報復措置に出た。
具体的には江蘇省などに大規模工場を建設して大陸進出していた奇美実業グル
ープが激しい批判の矢面に立った。奇美実業は創業者・許文龍氏(76)が陳総統
のブレーンである総統府資政の肩書を持つ。
許文龍氏は15日、事態収拾のため、経営の第一線から退いた。今後、中国大陸
に進出する台湾企業は大陸への投資を促進する企業と東南アジアなど他国へ投資
をシフトする「緑色」企業に二分され、軍備は米国からの供与依存が強まること
になりそうだ。
★【台湾関係法】米国と中国が1979年1月1日を期して国交正常化したことで米
国と台湾が断交した後も、台湾との経済・文化関係を維持し、中国からの武力侵
攻に備えて台湾に防御的性格の武器を売却することなどを規定した米国の国内法。
台湾を実質上国交のある国と同等に扱っているのが特徴。96年の台湾海峡危機の
際、クリントン政権が台湾近海に2空母艦隊を派遣して中国の武力威嚇を牽制
(けんせい)したのも同法を法的根拠とした。
[3]世界の論調
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◆米軍の数は問題ではないのか(シンガポール紙「ストレーツ・タイムズ」)
米国が、韓国駐留米軍3万7000人の3分の1に当たる1万2500人を来年末まで
に撤退させる提案をしたことで、ソウルの親米派、反米派はともに勢いづいてい
る。年配の朝鮮戦争世代は安全保障の頼みの綱がなくなるのを恐れ、自信たっぷ
りの若者世代は韓国もようやく独り立ちできると期待している。
米国の意図はどこにあるのか。米政権がこの数10年間、ベトナム戦争後に国外
での軍事介入を嫌うようになる前の時代も含めて、原則として在韓米軍の削減に
反対したことはないと聞いたらアジアの人々は驚くかもしれない。ニクソン大統
領が1971年に、韓国駐留の第7歩兵師団2万人を一気に引き揚げたことを覚えて
いるアジアの政治指導者が何人いるだろうか。4万人になった在韓米軍はカータ
ー政権下で現在の3万7000人まで再び削減されたが、カーター大統領は段階的に
1万5000人を削減する計画だった。
ラムズフェルド米国防長官は、米軍は歓迎もされない国に駐留し続けることは
ないと繰り返し明言してきた。しかし、アジアに限らず、世界各地に駐留する米
軍部隊の数は削減しても、能力を落とすわけではないという点を強調。部隊の機
動性を重視し、危機に迅速に対応するため最新の技術、兵器を採用する軍事ドク
トリンの見直しの一環だとしている。冷戦期の思考から脱した21世紀型の戦力投
入法が計画通り機能すれば、部隊の数自体はそれほど問題ではなくなるだろう。
米軍が駐留するアジア各国は、他の地域同様、それが実証可能なのか注目してい
る。(6月15日)