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2004/06/26のBlog
ザルカウィはイラクにいるのか?
[ 17:09 ] [ イラク ]
http://www.doblog.com/weblog/myblog/10644
ファルージャへの空爆はまだ続いているようだ。軍用ヘリだけでなく爆撃機も使っての激しい攻撃が行われているらしい。私も昨日から同市の知り合いに電話をかけているのだが、回線状況が悪く、ロクにつながらない。現地の報道も断片的な情報しかない。ファルージャへの高速道路は米軍が封鎖、一般道も、米軍、武装勢力、の双方がそれぞれチェックポイントを設けているいるらしく、日本人や欧米人はおろか、アラブ人のジャーナリストですら、現地入りは難しい状況だ。
米軍は「アルカイダのつながりの深いヨルダン人過激派・アブムサブ・ザルカウィがファルージャにいて、彼とその手下を殺すために空爆を行っている」という。だが、関係ない市民も巻き添えになり、死傷者は増加し続けている。
で、ホントにザルカウィはファルージャにいるのか? 確かに、今から2〜3ヶ月くらい前まで、国境はほとんどフリーパスで入れたので、外国人武装勢力がイラクに流入している可能性はないわけではない。だが、現地新聞、テレビ報道が伝えるところによると、ファルージャの武装勢力らは「闘っているのは我々だ。ザルカウィなどいない」と声明を出している。これまで何度もこのblogで報告したが、私も恐らく、ファルージャにはザルカウィはいないと思う。同市では外国人はおろか、よそ者であればイラク人すら容易に動き回ることができないし、住民同士の血のつながりが濃く、非常にせまい社会なので、情報は住民の間にすぐ広まる。こうした街で外国人が潜伏し続けることは不可能だ。
この間、米軍の掃討作戦によるイラクの一般市民の被害を取材していて思うのだが、米軍はつかんだ情報の確度の低さに対して、あまりに荒っぽいことをやりすぎる<その上、米軍への攻撃に関係ない市民を掃討作戦に巻き込むことを全く気にしていないようだ>。例えば、ある地域で誰かが米軍に対して攻撃したら、米軍はその地域の全ての住民の家に押し入り、家の中を荒らし、人々を拘束していく。アブグレイブ刑務所での捕虜虐待は大きな問題になったが、ああした虐待を受けた人々のほとんどは、捕虜というより証拠も無いのに拘束された人々だ。これでは反米感情が高まらないわけがない。
もっとも、情勢が悪化することは、イラク暫定政権への支配力を保ち続けたいアメリカには都合がいいかもしれない。新イラク軍が充分な人員と装備を持っていない以上、暫定政権は米軍に頼らざるえない。アフガニスタンのカルザイ政権も米軍が同国にいなかったら即崩壊させられるだろうが、イラク暫定政権も同じような状況だと思われる。アメリカとしては、イラク戦争と占領で莫大なコストを費やしたので、元を取りたいはずだ。そうそう簡単に石油や復興ビジネスなどの利権を手放すわけがない。イラクのイスラム化もアメリカの嫌うところだ。まだまだ手綱を握っておく必要がある。
街でイラク人に聞くと「俺達はアルカイダなんか嫌いだ。ザルカウィがイラクにいるというのもアメリカが勝手にこしらえた作り話だろう」という意見がほとんどだ。だが、少なくともブッシュ政権としてはザルカウィにイラクにいてもらいたいのだろう。ますます増加ずる米軍の死傷者数や虐待問題で、ブッシュ政権のイラク政策は、アメリカでも強い批判にさらされており、今年秋の大統領選での再選も危うくなっている。そこでアルカイダを持ち出し9.11の残した恐怖を利用しようしているのではないだろうか。
とにかく、一つ確かなことがある。罪の無い一般市民を爆殺するのはテロだ。ということは米軍が今ファルージャで行っていることはテロ以外何ものでもない。
画像は、韓国人人質殺害事件を伝える現地新聞。イラク人らもこの事件に驚き、怒っている。
[ 更新日時:2004/06/26 17:19 ]