現在地 HOME > 掲示板 > 戦争56 > 1199.html ★阿修羅♪ |
|
Tweet |
6月27日付・読売社説(1)
[6か国協議]「放置できない『北』の核開発継続」
北朝鮮の核開発をめぐる第三回六か国協議で、米国が初めて具体的な提案を示した。だが、実質的な進展はなかった。
米提案は、北朝鮮が「すべての核計画の廃棄」を約束し、実行すれば、暫定的な「安全の保証」や「エネルギー支援」も与える、とするものだ。経済制裁解除のための米朝協議にも応じる、としている。
ブッシュ米政権はこれまで、北朝鮮が核開発を断念しても「見返りは与えない」との立場だった。
それが、一見、柔軟とも取れる姿勢に転じた背景には、今秋の米大統領選を前に、民主党陣営から「北朝鮮の核開発に無策のままだ」との批判が強まるのを、かわそうとする狙いもあっただろう。
米提案は、北朝鮮が抵抗する「完全で検証可能かつ不可逆的な核廃棄」という表現こそ使っていないが、まさにその通りのことを北朝鮮に求めている。「廃棄準備期間は三か月」と期限を切ったのも、北朝鮮には厳しい要求と言える。
日本も、エネルギー支援に参加する用意を表明した。ただし、前提として、北朝鮮の「すべての核計画」が凍結の対象となること、北朝鮮が核計画の情報開示をすること、凍結が確実に検証されること、という三条件を付けている。
問題は、北朝鮮がこうした提案を受け入れるかどうかだ。
北朝鮮は、テロ支援国リストからの除外やエネルギー支援などの「補償」を得られれば、既存の核関連施設を「凍結」し、将来は廃棄する、としている。
だが、「凍結」の対象はプルトニウム型の核開発に限定し、濃縮ウラン利用の新たな核開発は否定したままだ。「すべての核計画の廃棄」に応えたことにはならない。北朝鮮が態度を変えない限り、六か国協議の進展は、期待できない。
協議継続の前提は、核廃棄の第一歩として北朝鮮が核開発を「凍結」することだ。だが、凍結の対象施設や、凍結の検証方法、凍結への見返りなど、具体的事項の詰めは、すべて先送りされた。
成果が生まれないまま協議が続く間にも、北朝鮮は核開発を続けている。稼働中の原子炉からは、毎年、核爆弾一発分のプルトニウムが生まれる。濃縮ウランの核開発が成功すれば、さらに年間二、三発の核兵器製造が可能となる。
六か国協議が、北朝鮮の時間稼ぎに利用されてはならない。北朝鮮の核・ミサイルの開発を放置すれば、世界の平和と安全に対する脅威は確実に高まる。
北朝鮮が完全な核廃棄に応じない場合は、舞台を国連安全保障理事会に移し、制裁論議に入らざるを得なくなろう。
(2004/6/27/01:28 読売新聞 無断転載禁止)
http://www.yomiuri.co.jp/editorial/news/20040626ig90.htm