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***以下、転送を歓迎します***
○○○ナブルス通信 2004.5.29号○○○
http://www.onweb.to/palestine/
Information on Palestine
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◇contents◇
◇「ラファが喪に服しているときに殺された子ども」
◇「16歳の静かな終わり」の紹介
(そう遠からぬうちに(願望!)、ラファのことをまとめた通信を送り
たいと予定しています。今回は、翻訳された文章を、いち早く)
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◇「ラファが喪に服しているときに殺された子ども」
ガザ南部、ラファへの包囲がやや緩められ、UNRWAのハンセン事務局
長が視察に訪れていた22日、視察や物資の一団が包囲地区へ入る交渉
をしていたその矢先、一人の女の子が撃たれたという知らせが届きまし
た。それが以下にお送りする3歳のラワンちゃんの話です。
[ナブルス通信]
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「ラファが喪に服しているときに殺された子ども」
──レインボー作戦の最後に殺された3歳のラワン
サンドラ・ジョーダン
2004年5月23日
(オブザーバー)
Another child dies as Rafah mourns
Sandra Jordan in Rafah
Sunday May 23, 2004
http://www.guardian.co.uk/israel/Story/0,2763,1222713,00.html
3歳半のラワン・アブ・ゼイドはわずかな小銭をもって姉たちと一緒
にお菓子を買いに店に出かけた。
イスラエル軍の攻撃がはじまって一週間、家に閉じ込められてうんざ
りしていた女の子たちは、激しい攻撃の束の間の小康を利用して外に
出たのだった。しかし、その数分後、ラワンはイスラエル軍の戦車に
よって顔と首を撃たれた。
死を前にしてラワンが残した最後の言葉は「マミー、マミー」だっ
た。
娘の死から3時間後、父親のムハンマドは小さなラワンの遺体を埋葬
した。彼が彼女のために残せたものは、小さなかわいいラワンの写真
一枚だけだった。
12人の子供の親である45歳のムハンマドはラワンがどんなふうに彼
のもとに駆け寄ってきたのか、そして彼女が彼の腕に抱かれて眠るの
がどんなに好きだったのかを話しながら泣いた。「母親は彼女を生む
なり死にました。だから、私はいつもその埋め合わせをしようと頑
張ってきたんです。そういうわけで、私とラワンの間の愛情は特別
だったのです。私は父親であると同時に母親でもありました。彼女は
本当に頭のいい子だったんですよ。3歳の子どもというよりは10歳の
子どものようでした」
パレスチナ側によると、先週から始まったイスラエル軍のレインボー
作戦によって殺された子どもはラワンで11人目だという。葬儀の
間、イスラエル軍の戦闘機は空を巡回し、少なくとも60人以上を殺
したイスラエル軍の攻撃が弱まるのではないかというラファに暮らす
人々の希望を挫いた。
イスラエルはラファで殺された7人の兵士の報復として攻撃を開始し
た。イスラエル軍は攻撃の標的は武装勢力のみであり、エジプトから
武器を密輸するのに使われるトンネルを隠す家屋のみを破壊している
のだと主張している。「ラワンが戦車を運転するのでしょうか」父の
ムハンマドは尋ねる。「彼女がロケット砲を撃つとでも?」
イスラエル軍によって殺されたパレスチナ人の葬儀には、ありふれた
誇張表現など一つもない。イスラエルで働いてきて、今は失業中のム
ハンマドは「シャロンは最初で最後の非難されるべき人間だ」と静か
に語った。
ラワンの叔父であるアーベドは彼女が殺されたことを聞かされて身を
震わせた。「ラワンは純粋な子だったよ。彼女は母親を失い、愛の手
が差し伸べられて当然だったのに……。ラワンの元には愛ではなく
て、アメリカ製の武器を握ったイスラエル人の手からは死がもたらさ
れたんだ……」
肉の腐った悪臭が共同墓地には広がっていた──半分が埋まった群集
墓はシャヒード *1のためにぽっかりとその口を開けていた。ラワン
の墓で空砲をならす闘士たちはいなかった。そして死んだ幼児を讃え
るために集まった参列者は、普段なら集まる何千よりも少なかった。
そのかわりに、彼女の家の隣人達のほとんどは運搬用のロバに所持品
を積み、次のイスラエル軍の包囲によって破壊されるのではないかと
恐れて、おのおのの家を後にしていた。
地域のほとんどでは電気や水の供給がストップしている。まるで地震
に見舞われたかのようだ。道路は戦車によって掘り返され、道路に面
した家々はすべてがれきと化した。
少なくとも先週から3000人 *2 が家を失った。そしてさらに数千人
が(ムハンマドもそこに含まれる)週末を経て同じ状態になると予想
されている。
「私はもう二度と自分の子どもがシャヒードになることを望みませ
ん。生き残った子どもたちのために家を監獄のようにします。子ども
たちを家から決して出さないように──」
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翻訳:米倉 深
※ 筆者であるサンドラ・ジョーダンは英国のジャーナリスト。「キリ
ング・フィールド」というラファで撮ったドキュメントの作品がある。
[編集者註]
*1 「シャヒード」……信仰、祖国、思想など何かの大義に殉じた
人。英語では「martyr」、日本語では「殉教者」などと訳されるが、
アラビア語のshaheedはもっと広い意味を持ち、「誠実な証人」という
語源的な意味がある。パレスチナで殺された者を記憶に留めていくよう
に、信仰や武装、非武装に関係なく、使われる表現。
*2 この18日から始まった「レインボー作戦」で、家を失った人はラ
ファで575人だとUNRWA(国連パレスチナ救済事業機関)は発表してい
る。5月だけに限ると、ほぼ2000人がラファで家を失った。イスラエ
ルの人権団体「ブツレム」はもう少し大きい数字を出している(「全
壊」などの判断基準が違うためだと思われる)。
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※今回の「ラファ、5月の虐殺」についての経過は
「パレスチナ情報センター」topにまとまっています
http://palestine-heiwa.org/
(募金、動画、その他の情報豊富)
※JVCの「パレスチナからの報告」「ラファからの報告」にも多数の写
真とともに様子が紹介されています。
http://www.jca.apc.org/~kikuf/jvcphp/jvcphp_eplist.php?ThreadName=p01
※ラファについての総合情報:
「特集:絶え間ない攻撃にさらされる街、ラファ」
http://palestine-heiwa.org/rafah/index.html
※ガザ地区の地図
http://www.palestinercs.org/images/Maps/gazamaplg.jpg
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◇「16歳の静かな終わり」の紹介
ラワンちゃんが殺された22日、ひとりのラファの少年の死がパレスチ
ナのメディアだけでひっそりと報じられました。少年が亡くなったの
は、サウジアラビアの病院。2000年秋にイスラエル軍の通称「ゴム
弾」(ラバーコートメタル弾)で頭を撃たれて以来、体の自由が利かな
くなり、寝たきりになっていた16歳のムハンマド少年が息を引き取っ
たという知らせでした。
ムハンマド少年を訪ねたことがある森沢典子さんがこの少年について書
いています。侵攻の真っ最中に殺されるのとは違い、注目をされること
もほとんどありません。そんな一人の少年の姿、介護をしてきた家族の
ことも知ってもらいたいと、ここに紹介します。
「16歳の静かな終わり」/森沢典子
http://www2.odn.ne.jp/midi/text040525.html
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◇どうか、イスラエルや米国に声を届けてください
・参考になる文例と送り先は
http://www.jca.apc.org/~kmasuoka/places/palestina0405.html
・米国・国務省へのサンプル・レター (以下の下の方に)
http://www.jca.apc.org/~kmasuoka/places/palestina0405c.html
(上記のメイン内容は、ラファのデモへの攻撃を記録したフォトストー
リーです。途中、かなり生々しい写真があることにご留意ください)
・米国にイスラエルへの軍事支援を止めるよう働きかける要請署名
http://www.stop-us-military-aid-to-israel.net/petition/
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◇この文章は以下に掲載予定
http://www.onweb.to/palestine/siryo/rafarawan22may04.html
※これまでの状況も上記より5月14日以降の記事をご参考に。
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◇P-navi info <http://nekokabu.blogtribe.org/>
[ほぼ毎日更新中。編集者ビーの速報、ミニ・インフォ、コラムなど]
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◇ナブルス通信の配信お申し込み、バックナンバーは以下に。
http://www.melma.com/mag/84/m00109484/
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