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2004/06/24のBlog
韓国人人質殺害/いよいよ来る嵐
[ 00:38 ] [ イラク ]
http://abcnews.go.com/wire/Politics/ap20040624_127.html
日本でも大きく報道されているだろうが、イラク中部ファルージャで武装勢力に拘束されたキム・ソンイルさんが殺害された。非常に痛ましい事件であると同時に私にとっても結構ショックな事件である。犯行グループはアルカイダ説があるが、本人らがそう名乗っているだけで、特に根拠はなく、私が思うに、地元の武装勢力だと思われる。外部からの人間に対して異常な程警戒心が強いファルージャの住民が、そう簡単に外国の人間(つまりアルカイダ)が動き回っているのを見逃すことは考えづらいからだ。こちらの報道では、有力政党イラク・イスラム党などが、解放を訴え、一時は解放の可能性もあったとのことだが、犯行グループは態度を急変させ、キムさんを殺害したらしい。このことは、ファルージャ停戦合意にかかわり、同市で影響力を発揮してきたイラク・イスラム党ですら、もはや武装勢力を抑えることができないということを意味する。
先月末、ファルージャ取材をしていた時、米軍への協力を疑われたイラク人が誘拐されるのをこの目で見たが、その時誘拐されたイラク人は、数日後に解放され、イスラム党ファルージャ支部幹部のモンサール・ムハンマド・オベイド氏は誇らしげに、そのことを報告してくれたものだった。だが、実はその頃から、武装勢力は活動を活発化させ、それから、わずか数日の間にオべイド氏も「絶対に来るな」と言い出した。実は、当時、私の他に、日本人ジャーナリストがファルージャの病院を取材したのだが、病院に武装勢力がやって来て「日本人はどこだ!」と医師らを問い詰めたらしい。その日本人ジャーナリストは運良く、先に病院を後にしていたが、少しタイミングが違っていたらと思うとゾッとする。
こうした状況は、ファルージャだけでなく、米軍の「テロ掃討作戦」の激しい地域で共通している。このblogでも以前報告したように、橋田さん・小川さんが殺害されたマハムディーヤもそうした地域の一つだった。
主権移譲後も米軍が現在と同じように、イラクの一般市民を殺し、拘束していくなら、国連のお墨付きがあろうがなかろうが、多国籍軍は「憎むべき占領軍」として、激しい攻撃にさらされ、イラク全土がファルージャ化するかもしれない。
幸い、バグダッドでも私がいる地区は、まだ危険な兆候は見られない。が、次の日に何が起こるかわからないのが、現在のイラク情勢だ。通りで見かける警官の数がぐっと増え、今月末には、戒厳令が敷かれるという噂も聞く。いよいよ、主権移譲の嵐が来る。
画像は、先月末のファルージャ取材に撮ったもの。米傭兵企業社員4人が殺害された橋のそばにある雑居ビル。4月のファルージャ包囲攻撃の時に空爆された。