現在地 HOME > 掲示板 > 政治・選挙5 > 964.html ★阿修羅♪ |
|
Tweet |
【マイアミ(米フロリダ州)=河野博子】4年前の米大統領選で投開票を巡る混乱が発生、法廷闘争にまでもつれ込んだフロリダ州で、大規模に導入されたタッチ・スクリーンによる電子投票機の住民向けPRに、各郡選管が躍起となっている。
しかし、旧来の投票方式に伴う疑問票の判定という難問を一気に解決するはずのこの新方式には、新たな技術的懸念も指摘されている。
4日、マイアミ市北部のアベンチュラ・ショッピングセンター。飲食コーナーの脇に、電子投票機がデンと陣取る。地元マイアミデード郡選管による住民用PR機だ。
この日は投票に必要な有権者登録の締め切り日ということもあって、人々が次から次に機械をのぞいていく。青いロゴ入りのTシャツを着た選管職員が、「はい、そこでレビュー(自分がだれを選択したかの確認)にタッチして」などと一つ一つ説明。「なになに、もう一度」と眼鏡をかけ直して画面に向かうお年寄りなどへの対応に追われた。
電子投票はこんな風に行う。まず、選管の職員が有権者であることを確認して画面を開く。候補者の名前にタッチして選び、最後に自分の選択を画面で確認。気に入らなければもとに戻って選び直すことができ、最終的に、一番上にある赤いボタンに触って、投票が完了する。
近くに住む秘書ノーマ・ロスさん(52)は「案外、簡単ね。ばかみたいなパンチカード式投票機に比べたらはるかにまし」ときっぱり。
郡選管の15人のチームは先月から毎日、学校、商店街、地域センター、老人ホームに出かけて、PRを続ける。その1人、ウィリアム・レラーさん(27)は「これほど信用できる機械はない。オン・ラインじゃないからハッカーの心配はいらないし、3種類の方法でデータを保存する。電池があるから停電があっても平気」と胸を張る。
今回の選挙では、フロリダ州の計67郡のうち、全有権者の半数が集中する15郡が電子式投票を導入。全米では、ジョージア、ネバダ、メリーランド3州が全面的に電子式に切り替えるなど、計37州で導入し、全米の有権者の3割がこの方法で投票を行う。4年前の全米12%から一気に増えた。
しかし、女性有権者連盟マイアミ支部のボビー・ブリネガー代表(51)は「技術的な懸念も示されており、4年前ほどの大混乱でなくても問題が起きるのは間違いない」と心配する。
フロリダ州が電子投票機を導入した2年前の州知事予備選で、タンパ市では、間違って電子投票機が試験モードに入っていたため、245票がきちんと記録されなかった。マイアミデードなど2つの郡では、機械のデータを取り出す際、漏れてしまった票があることがわかった。また、電子投票機を使った場合、投票数が投票所に来た人数より8%以上も少ないことなど、理由のはっきりしない現象もある。
ネバダ州では、電子投票機にプリンターをつなげ、「確認票」を投票者に渡すとともに、紙での記録を保存するシステムを導入する。しかし、どの州でも「心もとなさ」を完全に解消するには至っていない。
(2004/10/5/14:28 読売新聞 無断転載禁止)
http://www.yomiuri.co.jp/world/news/20041005i407.htm
★ 関連投稿
『『電子投票制度』は選挙制度の“自殺装置” 【『IT利用独裁』への道】』
( http://www.asyura.com/sora/dispute1/msg/233.html )