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2004.10.4
Q君への手紙(PART3[63])
北海道(釧路、帯広)に行ってきました
「百聞は一見に如かず」(『漢書』)
Q君。9月28日〜30日、道東2泊3日の旅をしてきました。釧路と帯広で行われた日本生命主催の企業セミナーの講師として招かれたのです。大変いい旅でした。最大の原因は、日本生命の支社長さん、部長さん、マネージャー、社員、セールスレディーの方々が皆、本当に親切で温かく迎えてくれたことにありました。釧路から帯広への電車の旅も楽しいものでした。もう北海道は紅葉の季節に入りました。北海道の旺盛な自然力を感じました。釧路、帯広のホテルは快適でした。施設はよく、水は旨く、料理も美味でした。観光客も多く、北海道の将来性を感じさせられました。
Q君。この前、君から企業が行うセミナーのことを聞かれましたね。お答えしましょう。企業が行うセミナーは、最近は日本生命だけになったというのが私の実感です。80年代から各大企業が競うようにセミナーを主催しました。企業主催のセミナーが流行しました。しかし90年代後半に長期不況に入り、リストラが合い言葉になるとともに激減しました。ほとんどの企業が顧客を中心とする社会へのサービスをやめてしまいました。最近では、80年代〜90年代後半のやり方を変えずに定期的なセミナーをつづけているのは、日本生命だけのようにぼくは感じています。好不況の波に翻弄され、ほとんどの企業が社会貢献をやめているなかで、日本生命が頑張っていることは立派なことです。この点、日本生命に対して敬意を表します。
Q君。釧路と帯広はともに人口20万人弱の北海道東部の中心都市です。釧路は漁業と炭鉱と製造業と公共事業が主な産業です。これに対し帯広は農業です。いま釧路の漁業はきびしい状況にあるようです。資源保護のためカニの漁が制限されているそうです。日本で唯一残っていた太平洋炭礦が閉山になりました。11月には炭労も解散になります。戦後の労働運動の主役の座にあった炭労が消えることについては、50年前炭鉱技術者をめざしていたぼくにとっては一抹の寂しさを禁じ得ません。
釧路では製造業も下火のようです。公共事業だけが頼りですが、これも、小泉政治の結果、縮小するのみです。こうした閉塞感の結果なのかもしれませんが、当地出身の元衆議院議員の鈴木宗男氏の人気が非常に高まっているとの話でした。何人もの人がそう言っていました。本当に困っている地域では、有権者の意識は変わり始めているのです。釧路住民の有権者は「次の総選挙はどうなるかわかりませんね」と言っていました。
Q君。これに対して帯広の中心産業は農業です。帯広の農業は繁栄しています。 釧路、帯広両市の人口はほとんど同じですが、市内の風景は対照的でした。帯広の夜は明るく、人の通りも多く、車の交通量も釧路の数倍はありました。
帯広を中心とする道東地方を「十勝地方」といいます。広大な十勝平野です。そこで高度な農業が行われています。ビート(砂糖大根)、長芋、各種の豆、小麦、ポテト、トウモロコシ、牛乳、牛肉などを生産しています。農家1戸あたりの平均所得は約1200万円。帯広は豊かな田園都市です。十勝農業の成功の原動力は、十勝の湿地帯を農業に最適の土地に変えた公共事業でした。公共事業がこの地域の繁栄の土台なのです。
Q君。北海道は変わり始めています。北海道にはすばらしく雄大な自然があります。よい水が豊富にあります。これを生かすには、よく工夫された公共事業が必要なのです。地方財政についても、もう少し“温かさ”が必要です。道東の発展については、政府が日本の未来を考えて、戦略的視点から取り組むべきだと思います。北海道の人々が自信をもって働ける状況をつくるために、政府は協力すべきです。
Q君。昨年秋に、ぼくは屋久島へ行き、あの縄文杉のなかで半日過ごし、縄文杉のエネルギーを吸収して、健康を回復しました。この8月には四万十川と足摺岬と宿毛市へ行きました。この高知県西南地方の旅行もすばらしいものでした。9月には奄美大島へ行きました。この大自然にも強く惹かれました。そしてこの9月末の北海道東部の旅。いずこも、すばらしい自然とともに、温かくて親切な人々がいました。地方には人間のやさしさと誠実さがあります。「地方へ行こう」「地方を大切にしよう」と叫び出したい気分になっています。