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(回答先: 北朝鮮「韓国の核解明なしに関係発展ない」 [日本経済新聞]【敵に塩を贈った米国の意図は?】 投稿者 あっしら 日時 2004 年 10 月 03 日 02:22:46)
米上院で「北朝鮮人権法案」可決 困惑・反発と歓迎、韓国で“国論分裂”
政府・与党は批判的 対話維持を優先
【ソウル=黒田勝弘】北朝鮮の人権改善を目指す人権法案が米上院で可決されたことに対し、韓国では政府・与党が困惑ないし反発の態度を示す一方、最大野党のハンナラ党は歓迎している。また、マスコミ論調など世論も支持と憂慮に分かれ“国論分裂”の様相を呈している。
韓国政府はこれまで、国連人権委員会での対北朝鮮人権決議案にも棄権するなど消極的態度に終始してきた。
今回も「北朝鮮の人権問題の実質的改善はその国のおかれた状況により戦略的な選択が可能であり、緊張緩和と協力・和解の過程で漸進的に進めるべきだ」(韓国外交通商省)とし、亡命・脱出に対する資金援助や対北宣伝活動強化など北朝鮮への“圧力”を盛り込んだ人権法案には批判的だ。
また、政府機関の「国家人権委員会」も「北朝鮮の崩壊を狙ったもの」として逆に法案を批判している。「国家人権委員会」は金大中前政権から設置されているが、韓国の過去の人権問題を暴くことには熱心だが、現在進行中の北朝鮮の人権抑圧にはほとんど関心を示していない。
さらに議会第三党になった左派政党の民主労働党などは、法案撤回を要求し米大使館に抗議デモまでしている。
人権法案に対し、反対や非難の声を上げている与党ウリ党や民主労働党、市民団体、知識人など批判勢力は過去、韓国自身の民主化や人権問題にはきわめて熱心で、当時の政権を「独裁政権」などと非難し「民主化闘争」を展開してきた人たちだ。これら「民主化勢力」について、保守派の間では「結局、民主化を看板にした親北朝鮮勢力だった」とする声も出ている。
韓国で政府・与党をはじめ北朝鮮の人権問題に消極的なのは「北朝鮮との対話、協力関係を維持するためには嫌がる問題を持ち出して刺激するのはまずい」(外交当局筋)という判断からだ。そして「人権問題の重要さはみんなよく分かっているが、問題は方法論だ」(同)といい、圧力ではなく協力・支援を通じた長期的な観点からの改善を主張している。
親北朝鮮派からは「生存に直結した食糧援助こそ最大の人権支援」との声も聞かれる。
しかし、韓国政府や与党、民主化勢力は被害者約五百人に上る韓国人拉致問題など具体的な人権問題にはほとんど関心がない。「たとえば北朝鮮が要求する韓国居住の元スパイ・工作員の送還には応じながら、自国民の拉致被害者は一人も取り戻していない。北には言いたいことも言えない情けない状況」(救援組織関係者)という。
◇
≪北朝鮮人権法案≫ 北朝鮮による日本人拉致問題や政治犯の弾圧を「独裁政権下での深刻な人権抑圧」とみなし、拉致被害者全員の帰国や、人権、宗教の自由の確立など「基本的人権の尊重と保護」を求める法案。改善がみられない場合、人道援助をのぞく対北朝鮮援助を禁止するとしている。脱北者の亡命や難民申請を認め、脱北支援NGOへの財政的援助なども行う。
http://www.sankei.co.jp/news/morning/04int001.htm