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(回答先: Re: どなたか教えてください、「教員への職務命令」の法的根拠を 投稿者 愚考 日時 2004 年 9 月 30 日 10:56:53)
職務命令自体に法的根拠があるかどうか、というご発想、もっともだと思います。
私の場合、今回の件ではこの命令がスムースに実行されるかどうかについては、背景には労組対当局(あるいは会社の経営陣)の力関係が踏まえられることになると解釈しており、現状を見ていると、先生たちが君が代の強制に反対し、当局が処分した先生たちも反省しないので直接的には校長の手を通して強制させることにした、ととらえています。
会社に居たころの体験から申し上げますと、異動自体も職務命令(業務命令)になりますが、会社は辞令を発して異動を命令するわけです。しかし組合つぶしの意図が明確であれば、これを労組は拒否します。会社はなにもできない。
不当な命令をめぐって打たれるストライキなどは経営側から見れば完全な命令違反なのでしょうが、ストライキによる政治的経済的打撃は大きいので労使双方とも傷つきますが、労組はこれによって主張が認められれば、結果としては会社側は業務命令を撤回せざるを得ない。
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Alternative Media■2004年4月
忍び寄る国家主義(2):職務命令 青山 貞一(2004.4.)
http://eritokyo.jp/independent/nagano-pref/aoyama-col58.html
国旗・国歌法自体には何ら罰則規定はない。
しかし、地方公務員法32条、地方教育行政法43条2は公立高校などの教職員に対し、教育委員会その他上司の職務上の命令に忠実に従う義務を負うと定めている。その結果、職務命令に従わない場合,地方公務員法29条に基き任命権者である教育委員会による懲戒処分の対象となる可能性がでてきたのだ。したがって日の丸・君が代が法制化されたことで学習指導要領にあるるように、各種式典で学校が日の丸を掲揚するとともに、教員は生徒が君が代を斉唱するよう指導することが事実上“義務”づけられた、と言うのが一般的な解釈となる。
では職務命令とは一体なんだろう?
職務命令は、簡単に言えば、管理職から一般職員に発せられるものだ。それは業務命令とも呼ばれる。
これらの職務命令は労働規約にもとづき出されるもので、通常、@各種法規、条例等に適合していること、A職務命令の発令者が職務上の上司であること、B 職務命令の内容が受命者の職務の範囲のうちであること、C職務上の独立に違反しないことなどを要件としている。
逆に言えば要件を満たしていなければ、職務命令あるいは業務命令そのものが法令違反となる。
よくあるのは管理職が組合活動に対し集会をやめろ、掲示を除去しろといった職務命令ををだすことである。この場合、労働組合法によって設立された組合活動には、憲法で保障された労働者の権利がある。したがって、このような場合には、管理職の指示に従わなくとも服務命令、業務命令に違反したとして懲戒の対象になることはない。逆に、かかる職務命令や業務命令は不当労働行為とみなされることが多い。
国旗掲揚、国歌斉唱問題については、たとえば政令指定都市や都道府県の教育委員会が卒業式や入学式に向け校長に職務命令を出している。ある政令指定都市では、市立学校の全校長に文書で職務命令を出し「国旗は式場の正面に」などと細かく指示している。東京多摩部ある基礎自治体も
市立小中学校11校の全校長に「学習指導要領に基づき適正に実施」するよう求める通達を出すなどの方法で職務命令を出した。
東京都の教育委員会は都立の全高校長に「通達」を出しており、毎年それに従うよう通知していると言う。この通達には「命令を伝える文書」としての性格があるとしており、何と文部科学省もこれを「職務命令と同等」と把握していると言う。
これらは、まさに忍び寄る国家主義どころか、露骨な国家主義の教育現場への押しつけではなかろうか? 逆説すれば、ここまでして国旗の掲揚と国歌の斉唱をひとびとの心のなかにねじ込まなければならないものとは、いったい何なのか?
これでは、国家主義的な思想をもつ為政者らが考える教育現場の「左翼偏向」是正どころか、その対極、すなわち「右翼偏向」の強制を権力をもってしているだけのこと、ではないのか?
これはまさに、戦前教育への回帰である、と言う素朴な疑問が沸いてくる。