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微妙な中台バランスにシンガポール当惑
独立志向を懸念
【シンガポール=藤本欣也】シンガポール政府は、台湾への当惑を強めている。経済的には中国との関係強化を優先しつつ、安全保障では米軍への施設供与など微妙なバランスの上に立つシンガポールとしては、現実問題として、台湾海峡での紛争勃発(ぼっぱつ)が自国の安保、経済に多大な影響を及ぼすため、台湾独立の動きには反対せざるをえないのが実情だからだ。
ジョージ・ヨー外相は二十四日の国連演説で、「台湾の一部のグループによる独立に向けた動きは最も危険である。中国本土との戦争を招き、他国を巻き込む結果になるからだ」と台湾独立派を批判した。
さらに、シンガポール外務省は二十八日、台湾の陳唐山外交部長の問題発言に対し、「他国の多くも台湾が独立に向けて危険なコースをたどっていると考えている。暴言によってこうした懸念は緩和できない」との声明を発表した。
シンガポール政府が台湾独立の動きに対し懸念を表明したのは今回が初めてではない。リー・シェンロン首相が八月に、「台湾海峡で戦争が起きればわれわれは困難な選択に直面する。台湾側が争いを挑発するならば台湾を支持しない」と演説していた。
中国政府はリー首相の七月の台湾訪問に強く反発し、両国間の自由貿易協定(FTA)締結に向けた協議の延期を示唆していた。シンガポール側の台湾独立を批判する一連の発言は、関係改善に向けた中国へのシグナルとみていい。
シンガポール政府が中国側に配慮する背景には、中国との貿易拡大がある。
輸出でみると、中国向けは昨年44%増の伸びを示し、日本を抜いて四位。今年の一−七月も好調で対中輸出は前年同期比54%増となっていた。
こうした中でも、シンガポールは米国のほか、豪州との軍事協力関係を強化するなど、地域の安全保障に深くコミットしていた。
http://www.sankei.co.jp/news/morning/30int002.htm