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(回答先: 小泉首相:「だれにも相談していない」−山崎氏との事前調整を否定 [ブルームバーグ] 投稿者 あっしら 日時 2004 年 9 月 28 日 17:23:14)
27日午前10時過ぎ、千代田区永田町の自民党本部4階の幹事長室。
小泉純一郎首相から就任を言い渡されたばかりの武部勤幹事長が紅潮した表情で、所属する山崎派会長の山崎拓前副総裁の携帯電話を鳴らした。
武部氏「ただ今、幹事長の辞令をいただきました。首相には『本当に微力ではありますが、小泉内閣の担い手の一人として最大限頑張りたいと思います』と申し上げました」
山崎氏「オイ、これはえらいことだぞ。一つ一つが重大な局面になると思う。しっかり耐えて、辛抱強く、絶対に切れないでほしい。山崎派が総力をあげてパックアップする。心配するな」
「武部フー(誰)?」
全く下馬評に上がっていなかった武部氏の自民党ナンバー2人事。永田町を驚かせたこの仰天人事について、首相は盟友・山崎氏にも相談していなかった、というのが真相のようだ。
というのも、YKKの一人・加藤紘一元幹事長がその情報を聞いたのが午前10時半。地元・山形から羽田空港着の航空機で帰京、車で国会に向かっていたところ、山崎氏から電話が入った。
その際「拓さん、知ってたの」とただす加藤氏に山崎氏は「おれは知らなかった。これだと、おれ頼みと言われちゃうな」と答えている。当惑した様子がありありだった、ともいう。
「拓さん、事前に相談しなくて悪かったけど、武部幹事長に決めさせてもらったよ。すまん」
首相から山崎氏の携帯にこういった内容の謝罪の言葉が入ったのは、そのまた1時間後、11時半だった、という。
もう一つ。改造の翌28日、小泉首相が記者団に珍しく怒声を張り上げた。「一部朝刊に前日に(山崎)拓さんに相談したとか、よくでたらめを書くもんだ。誰にも相談しない、私は……。でたらめを書くもんじゃない、新聞が」
山崎、加藤、小泉のYKKグループもかつてほどに密接なわけではない。他派をはばかって口裏合わせをしているとも思えない。
小泉首相の今回の党・内閣人事。武部勤幹事長の抜てきと並び、首相の思惑のこもった二つの特徴的な出来事があった。
首相「どのポストを希望しますか」
神崎武法公明党代表「経済産業相をお願いしたい」
首相「もう一つ、追加してほしい」
神崎氏「第2希望ですか? では国土交通相を」
首相「公明党の意向は尊重したいけど、両方とも自民党で希望の多いポストなので、すべてお任せいただきたい」
神崎氏は27日午前11時半、首相官邸を訪ね、1回目の与党党首会談が行われた。公明党は北側一雄氏の入閣を決めており、一部で報道された「北側経産相固まる」を党内は信じ切っていた。
ところが、午後2時15分からの2回目の党首会談で、これまで「公明党の意向の尊重」を繰り返してきた首相が示した結論は「中川昭一経産相の留任、北側氏は国交相に起用」だった。
首相は今回の内閣改造で、中川経産相のほか、竹中平蔵経済財政担当相、谷垣禎一財務相、麻生太郎総務相、細田博之官房長官という経済財政諮問会議の閣僚メンバーを全員留任させた。そこから見て取れるのは、「小泉改革」のコントロールタワーである諮問会議に対するこだわりだ。首相は諮問会議を「第2内閣」と位置づけ、ここを聖域として「1内閣1閣僚」の原則を貫いたと見られる。
「今は何でも諮問会議で決まる。与党も長いのに、公明党が参加できないのはおかしいじゃないか。『北側経産相』と出たことで、(中川氏側からの)巻き返しにあった可能性もある……」
公明党幹部は残念そうにつぶやく。
◇◆ ◇◆
もう一つは、安倍晋三幹事長の同代理降格人事である。
通常では考えにくいこの人事、首相から幹事長就任の要請を受けた際、武部氏が「安倍氏を代理にほしい。自分が言ったら断られるから、総理から言ってほしい」と頼んだことになっているが、果たしてそうなのか。
自民党幹部が語る。「安倍氏の幹事長退任を決めた24日の首相−安倍会談で、幹事長代理就任の密約があったのではないか」。安倍幹事長代理は誰よりも、小泉首相の強い意向であり、安倍氏もこれを容認していたというのである。
確かに、就任直後には「(安倍幹事長代理は)私の意向だ」と述べていた武部氏が、その後「今日、総理から安倍さんを幹事長代理にすると言われました」(27日夜民放テレビで)とニュアンスを変えている。
幹事長を退任した者が幹事長代理に就任するのは理屈がつかない。武部氏の強い意向だと説明すれば、不自然な人事も整合性が取れる。武部氏の意向は、首相と安倍氏にとってぜひとも必要な材料だというのだ。
しかしなぜ、そこまでして首相は安倍氏を取り込み、安倍氏もそれを受けたのか。首相の腹は二つあった、と考えられる。一つは、これから2年間総裁任期を目いっぱいこなした後の後継者の一番手として、安倍氏をそばに置いておきたい、という教育的配慮である。もう一つは、無役にして野に放つことのリスクである。今回郵政改革を正面突破する人事を断行しただけに、来年の通常国会の運営は波乱含みになる恐れがある。「その時に安倍氏が抵抗勢力にかつがれる可能性がある」というのが、反小泉陣営のベテラン議員の見立てだ。安倍氏からしても、次を狙うには、前者の選択の方がベターという判断だったのだろう。【末次省三】
毎日新聞 2004年9月29日 0時36分
http://www.mainichi-msn.co.jp/seiji/feature/news/20040929k0000m010153000c.html