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下記、選者の選後感です。「心強い連帯感」という言葉をいただけて、とても嬉しかったです。大賞に勝る喜びです。
選後感ーー選を終えて
和川柳社主宰 岡田一杜
イラクでの戦火は今年も止む気配がない。米軍が撤退し米主導の行政を放棄しない限り平和は来ない、というのが世界の見方だ。「いかさまの選挙で勝った、いかさまの大統領が、いかさまの目的で、おろかな戦争をしでかした」(ムーア監督)。
この大統領は今もテロに負けないと言い張っている。テロとは暴力や恐怖手段に訴える政治上の主義やその行為をいう。とすればブッシュもテロリストの首魁であろう。
一方、この国の政権はあくまでもアメリカ追従の属国同然の立場で、平和憲法を無視し、イラク侵略戦争に参戦し、9条を削除することでブッシュ政権と財界に要請の応じようとしている。そしてこの好戦の方向で、福祉・年金を改悪し消費税率の大幅アップを企む。すでに保守政治の下で無告の民は棄民同然に放置され、昨年度の生活苦での自殺者数は8、897人、一日当たり約24人となる。この事実への質問に小泉首相は「理由がなかなかわからない」ととぼけた。而しながらこの国民を「馬鹿の壁」に閉じ込めようとする愚民政策の中でも、、人々は今日幅広い分野で、真実と平和を求めて起ち上がっている。その一つの証として鶴彬大賞に寄せられた川柳には夫ぞれの志による諷刺短詩としての川柳が数多く見られた。
今日の右傾化の中で、自分の小さな生活が脅かされないかぎり、少々(原文の漢字変えてます)の反動化・不正には無関心をきめて批判をひかえる態度が、自分は多数派又は勝ち馬に乗っていると思う錯覚を生み、寄らば大樹の陰でお上の方針に従うことを生きる智恵とする心的傾向が、かつての軍国時代の人間性喪失を生むことを反省せねばなるまい。
「鍋の中の蛙」の例えがある。「蛙を鍋に泳がせて、これを徐々に熱していくと、快くなった蛙はなお熱されても鍋からとび出ることもせず、やがて茹であがってしまう。ゆで蛙のはなしにも似て、右傾化の体制に順化されてしまっては、「われらいかに生きるべきか」の人生観の前提さえも失っての徒死はまぬがれまい。
今回の入選句の中で、このような体制順応乃至無関心層への比喩として茹で蛙の句があった事に心強い連帯感をおぼえた。
熱釜に 我もわれもと ゆで蛙 長壁満子(東京)