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■□■ 日刊ゲンダイ Dailymail Digest 2004年 9月28日号(平日毎日発行)
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小泉首相はきょう午前、安倍晋三・自民党幹事長の後任など、新党三役を決定した。
注目の新幹事長には山崎派の武部勤氏、政調会長には与謝野馨氏、総務会長には久
間章生氏が決まった。幹事長代理に安倍晋三氏、国対委員長には中川秀直氏が留任し
た。
党の臨時総務会、役員会を経て、正式決定し、新三役は記者会見する。その後、小
泉首相は直ちに改造内閣の組閣に着手、臨時閣議で閣僚の辞表を取りまとめた後、組
閣本部を設置し、新閣僚を任命、皇居での認証式を経て、改造内閣が発足する。
それにしても、このメンバーにはア然だ。武部といえば、小泉内閣で農水相を務め
た際、BSEや雪印問題に対する対応のまずさや失言で、野党からは不信任案を食ら
っている。与謝野氏は元通産相等を務めた政策通で、郵政民営化推進論者として知ら
れるが、前々回の選挙で落選、前回も小選挙区で敗れ、惜敗率で復活した。党内基盤
は疑問符がつく。久間氏は幹事長代理からの横滑りでサプライズなしである。
閣僚人事はこれまでの調整で、公明党の北側一雄政調会長の初入閣が確定した他、
自民党の竹中金融・経財相の閣内残留も固まっている。北側は経産相との説が有力だ
から、驚いてしまう。
参院からは尾辻秀久元財務副大臣が初入閣する。
安倍氏は26日、山口県下関市内での会見で「首相から責任ある立場で今後も党改
革を進めるよう言われている」と述べていた。
◇久間章生
昭和15年12月4日生まれ、63歳。橋本派。党幹事長代理、前党政調会長代理、
元防衛庁長官、衆大蔵・運輸各委長、運輸政務次官、農水相、県議、東大法卒。当選
8回。長崎2区選出
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■ 小泉改造人事に党内からも非難囂々
■ 年末までに政変か自民党最後の内閣かを予想
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小泉偏執狂的思い込み人事に、党内上から下まで大騒動。
組閣直後から倒閣が始まる異常事態
国と国民生活そっちのけのインチキ郵政改革一本槍組閣に一斉反発
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小泉首相はきょう午前、自民党の新三役人事を固め、午後に内閣改造を行う。小泉
政権になってから3度目の改造だが、これに関し、野中広務元幹事長がスゴイことを
言っていた。25日、TBSの番組収録で「郵政民営化を踏み絵にして閣僚を選ぶ、
とこんな恐ろしいことを口にするのは(戦前の)東条(英機)内閣以来だ」と切り捨
てたのである。
今度の改造で小泉首相は「郵政民営化法案に協力するかを見極めて人事に生かす」
と早々と表明。いわゆる“踏み絵”発言に党内は騒然となった。
「そんな内閣なら入閣しないでいい」と橋本派幹部は憤り、堀内光雄総務会長も「改
革に信念を持って取り組む人を選ぶべきだ。『踏み絵』を踏ませても仕方がない」と
非難。片山虎之助参院幹事長も「郵政民営化をやるなら挙党一致内閣」と苦言を呈し
た。
ところが、聞く耳持たずの小泉は、その後も「(人事は)郵政民営化に情熱と使命
感を持っている人」などと言い続け、党内を牽制。人事をチラつかせることで党内批
判を封じ込め、“オレ流”改造を断行した。注目の三役人事でも、「挙党一致」を無
視して、山拓の名代みたいな武部を幹事長に起用、政調の与謝野は一匹狼、総務の久
間は、同じ派閥の「額賀外し」だから、橋本派内はカリカリだ。
こりゃあ、政変になるんじゃないか。改造が終わった瞬間、強引人事に対する不満
が爆発。党内はグチャグチャになりそうだ。
◆ デタラメ強引人事のツケは政局に ◆
法大教授の五十嵐仁氏(政治学)もこう言う。
「小泉首相は郵政民営化を改革の本丸に位置付けているが、なぜ、民営化が必要で、
どういう民営化を目指すのかを全然、説明していない。それなのに、民営化への賛成
を入閣の条件にすると言うのですから、『大臣になりたいのならば、白紙委任状を出
せ』と言っているのと同じです。野中さんの危惧も当然で、こんなことを許したら、
ブレーキなしの内閣になる。首相の一存でどこまでも暴走してしまうことになる。こ
んな独裁的な内閣は戦後、見当たりませんよ。党内からは非難、不満が爆発すると思
うし、そうならなければウソだ。こんな人事をやったら、絶対政局になると思います」
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