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「3年間1000億円」の自民党政治資金を全調査 小泉首相が懐にした「1億円の小遣い」スッパ抜き
−−安倍幹事長は4か月で7億円超!
手元に自民党とその政治資金団体「国民政治協会」の3年分政治資金収支報告書がある。段ボール4箱、A4判1万枚に及ぶ。情報公開法に基づき請求し、本誌が入手した。コピー代だけで10万円を超えた。それ以上に驚くのは、自民党は国民の税金から各政党に支払われる政党交付金と献金などで収入がざっと1000億円、その5分の1の約200億円が“使途不明金”であることだ。正確には「政策活動費」の費目だが、小泉首相をはじめ、党幹部たちにつかみ金同然に支出されていた。小泉改革には一番大事な政治改革が抜け落ちているが、その根源をたどると、「政治とカネ」の腐敗の温床に小泉首相自らどっぷりつかっていることが浮かび上がる。なお、小渕〜小泉内閣に至るまでの党幹部たちが受け取った金を一覧表にして掲載した。本サイトには掲載ができないので、本誌上でお読みください。
(1)札束が飛び交う自民党本部
−−領収書不要の金をもらってすぐに銀座へ直行する議員もいる
自民党の金庫には毎年巨額のカネが流れ込む。本誌が入手した『政治資金収支報告書』は、小渕政権末期の00年から森〜小泉政権初期の02年までの3年分だが、その間の自民党本部の収入総額は992億円にのぼっている。
どこから集めるのか。内訳は自民党の政治資金団体『国民政治協会』などを通じた企業・団体献金が3年間で約130億円、個人献金約10億円、党費収入約48億円であり、最大の資金源は国民の税金から支払われる「政党交付金」の約442億円だった。繰越金などの重複を除けば、自民党本部に貯えられるカネの半分以上は国民の税金だといって間違いない。
問題はそのカネがどう使われたかである。1万枚に及ぶ収支報告書には、費目別に本部職員の人件費や機関誌の印刷代・原稿料、選挙の際の世論調査費やCM料、各議員の遊説交通費、あるいは会合で使った料亭の費用や弁当代などが1円単位まで、支払い先とともに詳細に記入されている。当然だろう。
ところが、党本部の支出の中に使途が全くわからない巨額のナゾの資金があることがわかった。「政策活動費」に分類されているもので、金額はなんと3年分で188億円に達する。他の費目は、支払い先が広告代理店や印刷所、ホテルなど具体的に報告され、5万円以上は領収証をつけて総務省に届けなければならないことから使途は一目瞭然だ。だが、この「政策活動費」は、支払った日付と金額、国会議員の名前がズラリと並んでいるだけで、議員がどう使ったかの記載は一切ない。
まさに“つかみ金”ではないか。本誌は政策活動費が支出された日付や金額、議員とその時期の政治状況から、この≪自民党の機密費≫を追跡し、3つのタイプがあることをつかんだ。
その一つが自民党の全議員に夏と冬の年2回配られる活動費だ。夏は“氷代”、冬は“モチ代”と呼ばれる。金額はかつては1人300万円ずつだったが、01年から大臣経験者は300万円、未入閣の若手議員は400万円と差がつけられている。
1日でざっと12億円あまりの現金が動く。ある自民党中堅の閣僚経験者は、モチ代を封筒2つに分けて背広の内ポケットに仕舞うと、その夜、同僚議員たちと銀座に繰り出し、馴染みのクラブを3軒はしごした。議員宿舎に帰りつく頃には、封筒はペシャンコになっていた。
「次の日、秘書から『事務所のボーナス資金が足りない。モチ代を出して下さい』と詰め寄られて参った。銀座でツケを払ったらほとんど残らなかったよ」
同じ時期、党本部から各派閥にも分配金が配られる。02年には、7月2日と12月13日の2回に分け、高村派、河野グループ、旧加藤グループにそれぞれ1000万円、山崎派2000万円、堀内派3000万円、亀井派3500万円、森派4000万円、最大派閥の橋本派に6500万円が支出された。金額は所属議員数に応じて決められ、各派閥の政治団体に交付されるのではなく、派閥幹部の議員個人名義で渡されている。
(2)小泉首相「外遊中に1億円受領」
−−政治資金収支報告書に記載なし
小泉首相は政権発足から2か月後の01年6月20日に他の議員とともに300万円の氷代を受け取っている。
奇妙な支出はその2週間後に行なわれた。小泉首相は6月29日から米英仏3か国を歴訪し、ブッシュ大統領と初の首脳会談をすませて7月5日に帰国した。自民党本部の政治資金収支報告書によると、帰国前日の7月4日付で、5000万円を2回、合わせて1億円が党本部から小泉首相に支払われている。政府専用機の中で渡されたはずがないから、帰国後受け取ったとみるのが自然だろう。
ところが、小泉首相の資金管理団体『東泉会』の収支報告には、この1億円の収入の記載はない。あくまで小泉氏が個人で受け取った「政策活動費」となっており、自民党経理局には、
<5000万円領収致しました 小泉純一郎>
――と書かれた領収証が2枚、残されているはずだ。一体、1億円をどんな活動に使ったのだろうか。
第一、首相官邸(内閣官房)には『官房報償費』という年間16億2000万円の政府の機密費があり、総理大臣や官房長官が特別の政治工作などで必要と判断した時には、官房長官のサイン一つで引き出せる。しかも、小泉首相は国の予算で諮問委員会を次々に設置し、郵政や道路公団民営化の政策をまとめてきた。党の「政策活動費」などあてにする必要はなかったはずだ。
疑問はまだある。小泉首相が1億円を受け取ったのは前々回の参院選(01年7月29日投票)の直前にあたり、選挙応援に全国を回った。仮に、1億円を自民党候補者への陣中見舞いなどに配ったとすれば、受け取った候補者の政治資金収支報告書に「小泉純一郎からの個人献金」として記載されていなければならないが、本誌の調査では、総理大臣から個人献金をもらった幸運な候補者・議員を見つけることはできなかった。
つまり、どの政治資金報告書にもこの1億円の使い途は記載されていないのだから、どう見ても≪使途不明金≫としか思えない。まさか自民党から新総裁への“御祝儀”ではないだろう。
(3)森内閣誕生の時期に15億円支出
−−「5人組謀議」直後の出金
総理大臣になると、なぜかすぐに1億円が必要になるらしい。小泉首相の前任者、森前首相もそうだった。
森氏は小渕恵三元首相が脳梗塞で倒れ、意識不明に陥った緊急事態の中で自民党幹事長から総理大臣に就任した(00年4月5日)。小渕政権末期は旧自由党の連立離脱問題で与党内は大混乱に陥り、森幹事長は対応に追われていただけに、党の機密費にあたる政策活動費の使いっぷりも激しい。その年1月に7915万円、2月は1億6900万円を使い、自由党の連立離脱が確実になり、自民党執行部あげて自由党内部の切り崩し工作を展開していた3月末には3日間で8000万円を引き出した。直後に小渕首相が倒れた(4月2日未明)。
その日、森氏は首相臨時代理だった青木幹雄官房長官、野中広務幹事長代理、村上正邦参院議員会長、亀井静香政調会長(いずれも当時)と極秘会談し、小渕内閣の総辞職と、森氏への政権交代が話し合われた。後に≪密室の5人組≫による政権簒奪の謀議と批判を浴びた憲政史上の重大疑惑である。
森氏は4月5日の衆院本会議で首相に指名されたが、同じ日に自民党本部から1億円の政策活動費を受け取っていた。5000万円を2口に分けるというやり方も小泉首相のケースと同じだから、後任の小泉氏の方が森氏のやり方を真似たのかもしれない。
森内閣はいわば自民党の派閥談合によって成立しただけに、政権発足直後、各派閥には政策活動費が大盤振る舞いされていた。4月と5月の2回の合計で、森派、橋本派、加藤派、亀井派にはそれぞれ3億円ずつ、山崎派に1億5000万円、高村派と河野グループは1億円が派閥幹部の名前で配られている。総額15億5000万円。前述の小泉政権下での派閥分配金と比べると突出した金額だ。
≪密室の5人組≫による政権交代劇の不満封じのためのカネと取れなくもない。
森氏は幹事長時代に3億3115万円、首相在任中に3億4400万円の政策活動費を使ったが、興味深い事実がある。00年12月12日には自民党議員に一斉にモチ代が配られ、森氏も300万円もらった。当日の『森日誌』(産経新聞)によると、森氏は執務を終えた後、午後6時31分に永田町の紳士服店『銀座英國屋』に立ち寄り、その足で京王プラザホテルの『田端義夫歌手生活60周年を祝う会』に出席してスピーチをしている。政策活動費がスーツや御祝儀になったなんて思いたくもない。では、何に使ったんだろう。
「00年は幹事長そして総裁でありましたが、党の最高責任者としての責務と活動量が飛躍的に増大したことに伴い、その経費として党からの活動費も増えたものと思われます。政策活動費について、党役員として党活動を行う為の経費以外の趣旨の資金は含まれていません」
森事務所は、文書でそう回答した。それなら具体的使途を明らかにできるはずだ。
4)引退議員に1000万円ずつ分配
−−福田前官房長官にも謎の3000万円
小渕→森→小泉の3代の政権下で政策活動費が際立って多いのが山崎拓氏である。幹事長時代の1年半(01年4月〜02年12月)で12億3440万円。山崎氏の側近で経理局長だった亀井善之氏(9億540万円)の分を合わせると、山崎派コンビで20億円以上の“機密費”を使ったことが党内の語り草になっている。
カネの面から自民党人事の裏側を読むと説得力がある。ちなみに、総務省が開示したばかりの03年の政治資金収支報告書から、安倍晋三幹事長の政策活動費を追ってみた。すると、幹事長就任からわずか4か月間(03年9月〜12月)に7億6100万円を引き出していた。山崎氏を上回るペースである。
党役員以外への支出の中にも不可解なものがいくつかあった。「02年10月9日」に時の官房長官・福田康夫氏に3000万円が渡されているのはいかにも不自然だ。それというのも、前述のように官房長官は年間16億円もの官房機密費をサイン一つで差配できる。活動費に困るとは通常は考えにくい。
その時期は、小泉首相の北朝鮮への最初の訪問(9月17日)とちょうど重なっている。が、訪朝そのものに前向きではなかったとされる福田氏へのカネの説明にはならない。
あっと驚く機密費も発見した。自民党は引退する長老議員にひそかに≪退職金≫まで支払っていたのである。別掲の表を見てほしい。前々回の総選挙(00年6月)の際に政界を引退した竹下登元首相をはじめ、原健三郎、桜内義雄らの衆院議長経験者、梶山静六・元官房長官ら8人に1000万円ずつ政策活動費が支払われていた。竹下氏だけは別格の2000万円である。桜内氏と村山達雄氏など、引退表明した翌日に渡されており、政治活動を辞める人々に「政策活動費」を配るとは国民をバカにするにもほどがある。
http://www.weeklypost.com/jp/041008jp/index/index1.html