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【奇っ怪ニッポン】
2004年9月16日 掲載
ボクのやった長野財政改革のすべて
http://www.gendai.net/contents.asp?c=025&id=16024
僕が県知事に就任した4年前の長野県には、驚く勿(なか)れ、今後の財政状況に関する明確にして的確な試算すら存在しませんでした。既に起債残高は1兆6000億円を超え、財政の硬直度を示す起債制限比率は全国ワースト2だったにも拘(かかわ)らず。
平成16年度、即ち今年度には財政再建団体に陥り兼ねない、との現実を、県民は疎(おろ)か県職員、県議会議員すら把握していなかったのです。僕の就任直前には県債利子支払額が1日当たり1億4812万7000円に上っていた事実も含めて。
念の為、その金額は元本返済分とは別に、です。財政再建団体への転落を防ぐべく、不要不急の起債を制限し、現在の県債利子支払額は1億1513万5000円と1日当たり約3300万円の減少。年間120億4208万円の節約実現に至りました。
持続的財政運営を図るべく、先(ま)ずは僕の給料を3割カットした上で、民間企業とは異なり身分保障されている県職員との間で3回の徹夜を含めて都合7回、53時間に及ぶ団体交渉へ僕自ら全て出席し、給料の1割カットを実施中です。
他方で福祉・医療、教育、環境に象徴される経世済民的施策の充実こそは、人が人のケアをする事で初めて成り立つ21世紀型の労働集約的産業である、との僕の信念に基づき、小学校の30人規模学級を全県下で4年生まで、一部市町村では6年生まで実現。教育関係費が予算総額の中で占める割合は、全国1位となりました。
県土の78%に及ぶ森林の多くが荒廃している現状を打破するべく森林整備予算を倍増し、土木建設業の従事者らを対象に、間伐等の技術研修を100時限、無料で実施する信州きこり講座を開設。新規参入者の定着率も5割以下から9割近くへと向上しました。
福祉も又、人里離れた場所に豪壮な補助金施設を建設するハコモノ主義から転換し、駅前商店街の仕舞(しも)た屋や農村集落の中の空き家を改修し、軽い痴呆の方々を含む10人から15人の高齢者ケアと、保育士の資格を有するスタッフが0歳から3歳の乳幼児ケアも併せて行う地域分散型の宅幼老所を、本県の独自事業として構築。3年後には県下400カ所に設ける計画を立案し、既に162カ所でスタートしています。
その運営主体も、行政と密接な関係を構築してきた社会福祉協議会に留(とど)まらず、半数以上はNPOや企業が新規参入しています。加えて、ダムに象徴される巨大公共事業は、交付税措置を含めても国からの支援は最大で7割台。他方で県外ゼネコンへの支払額は8割台。持ち出し構造だった公共事業を地元密着型へと転換を図り、道路維持補修工事に導入した本県独自の希望参加型競争入札は、85%の土木建設業者が直近の調査で好ましい制度だと回答しています。
斯様(かよう)に、全国4番目の広さを誇る信州・長野県の「改革」は、一部の新聞や雑誌を読むだけでは判らないのです。【田中康夫】