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http://www.mainichi-msn.co.jp/column/hassinbako/news/20040925k0000m070164000c.html
小泉純一郎首相が訪問先のブラジルで涙を流した。日系人歓迎集会で、人々の望郷の念が強いのに胸を打たれ、思わず涙したという。
現地からのテレビ映像を見ると、思わず涙したというよりは号泣に近い。顔をくしゃくしゃにし、こぶしで流れ出る涙をぬぐっている。
私はちょっとびっくりした。国家の最高指導者がこんなにあからさまに涙を流してもいいのだろうかと思ったからだ。
少なくとも、欧米諸国では許されない。涙を流すということは感情に左右される弱い性格であり、国家の運命を決める指導者の器ではないとみなされるからだ。
特に軍最高司令官を兼務する場合、感情に流されて戦争の決定を行いかねないとの評価になる。軍人は涙を流さないのが普通だ。
公衆の面前で涙を流した世界的指導者の話はあまり聞いたことがない。
最近の例では、エリツィン前ロシア大統領が99年末、「間違いを犯したならば許してほしい」と涙して辞任した。
もっとも、本人は涙を否定しており、涙を流したように見えただけなのかもしれない。
ただ、日本では、涙は必ずしも「弱さ」を意味しない。「人間味あふれる」とか「情が深い」とか、肯定的評価になるケースが多い。
もともと、小泉首相は熱しやすい人のようで、大相撲の優勝決定戦でも「感動した」と大声をあげた。この時は首相の支持率が上がった。
さて、今回のブラジルの涙はどうなのだろう。人間味あふれる仕草か。それとも、政権末期の涙もろさなのか?
石郷岡建(専門編集委員)
毎日新聞 2004年9月25日 0時26分