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株式日記と経済展望
http://www5.plala.or.jp/kabusiki/kabu79.htm
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米軍事再編に対する日本政府の動きが鈍い・船橋洋一
日本の軍事戦略は自主防衛戦略の確立である・西部邁
2004年9月24日 金曜日
◆米軍再編、日米同盟にも意義 船橋洋一
http://www.asahi.com/column/funabashi/ja/TKY200409230150.html
21日、ニューヨークで行われた小泉純一郎首相とブッシュ大統領の会談では、ブッシュ政権が推進している米軍再編に日米が協力して、本格的に取り組んでいくことで合意した。米軍再編は、冷戦後と9・11テロ後の米国の新たな戦略課題により正面から応えるため、世界における米軍のプレゼンス、兵力構成、基地のあり方を全面的に見直すことを目指しているが、それは、日米同盟の将来にも大きな意味合いを持つことになるだろう。
首相訪米に先立ってワシントンで米政策当局者と意見交換しながら、今後の日米同盟のあり方と日本の課題を探ってみた。
「戦略課題」の認識の落差
米政府当局者は軍事再編に対する日本政府の動きが鈍いことに一様にいら立ちを表明した。
先月末訪米した海老原紳外務省北米局長と飯原一樹防衛庁防衛局長がローレス国防副次官を訪問した際、そこに現れたウォルフォウィッツ国防副長官は再編との関連で中国の安全保障上の挑戦に再三言及し、日本側の考えを繰り返しただした。ところが日本側はそれには直接答えず、「沖縄のヘリ事件について、防衛副長官名で近く正式な抗議を文書で送ります」と述べるに終わった。ウォルフォウィッツ氏はおもむろに席を立った。
こうした状態に危機感を募らせたのが知日派のアーミテージ国務副長官である。同氏は2人に対して「列車脱線事故のようだ」と日米関係の現状に警告を発した。同氏は私には、再編問題で日米間の戦略対話が作動しないことに深い懸念を表明した。
ブッシュ政権が軍事再編構想を示し、同盟国との協議に入ることを発表したのは昨年11月である。日本側にはその前から非公式にそれが伝えられていた。その後の日本とのやりとりを米政府高官は次のように語った。
「日本側の反応は近く総選挙があるので時期が悪いということだった。その後、何も返答がないまま今年4月、再度、日本側に協議を申し入れたが、参院選が近いのでまずいという。7月、選挙が終わったので、そろそろどうだと今度は正式な提案を出した。すると、選挙結果がいまいちだった、もう少し待って欲しいとの返事だ。いい加減にして欲しい。日本側は大統領選挙の結果を待っているのか。米政府部内が割れていると思っているのか。再編は米国の長期的戦略だ。他の問題では色々違いのある国防総省と国務省だが、この問題に関しては98%は同じ立場だ」
米国側は、戦略環境の変化を分析し、同盟として対応するべき新たな課題にどのような抑止力、兵力構成、基地体制を構築するか、という同盟の「なぜ」と「いかに」の戦略課題を日本側とすりあわせようとした。
しかし、日本側は当初「基地の地元の負担軽減」にしか関心がないように見えた。それでいながら「沖縄の基地問題には踏み込まないで欲しい」とも要請した。そこに8月13日、沖縄で海兵隊のヘリコプター墜落事故が起こった。基地問題先送りの危険が改めて浮き彫りにされた。
米側にとって最大の誤算は、"盟友"小泉首相率いる官邸が岩のように硬く、"同志"外務省が氷のように冷たかったことだった。(後略)
◆田久保忠衛・西部邁対談 雑誌「諸君」八月号
http://www.bunshun.co.jp/mag/shokun/index.htm
◆自主防衛か単独防衛か
【西部】 すぐバトンタッチしますから(笑)。田久保さんと対談した岡崎氏が、「アメリカの友人として言うぺきことは言うべきだという人もいますが、借金を返す気もない奴が、金を貸してくれた男に、『お前、最近金遺いが荒いぞ』と説教するようなもの。普通の常識があったら、そんな厚顔無恥にはなれない(笑)。集団的自衛権の行使が出来るまでは口が裂けても、反米的言動はしない、それ位の意地というか衿持が欲しい」と言ってますよね。
彼は判で押したように同じことを言いつづけている。テレビで僕の隣に座った時もそう言っていた(笑)。田久保さんだって、この前の僕との対談の時に「世界中の国の中で、『自主防衛』を完全にやれる国といえぱアメリカぐらいのものでしょう。日本はいくら自主防衡の気概を強くもっても、物理的に同盟国を必要とする」「やはり頼りになるのはアメリカしかない。従って、追随云々ではなく国益のためにアメリカと同盟関係を持つことによって、自主外交も可能になる」と言い切っていましたよね。
【田久保】 ええ。
【西部】 あなたは「自主防衡」と「単独防衛」とを混同している。「単独防衛」出来る国は確かにアメリカぐらいかもしれない。しかし、「自主防衛」というのは、日本が自主的に、日米安保の内容をどう改変するか、日米安保に加えて日中不可侵条約を結ぶようにするか、韓国と軍事協定を締結してしてみるのか、東南アジア諸国とNATOのような防衛ネットワークを作っていこうか、独自の核武装を展開してみようか…といった日本の自主的判断なり戦略をもって防衡態勢を確立していくことを意味しており、こういう影で、「国家の自尊と独立」を守るための「自主防衛」は十分可能なはずです。
親が自分の子供に「お前、そろそろ自主的に生きろ」というのは、何時までも親に頼らずに自活して、社会や他人との関わりを自主的に作りながら生きろということです。防衛も同じで、「自主防衛」の気概を持てぱ、自ずから集団的自衛権も行使出来るし、アメリカの言いなりにもならないように「反米的言動」も出来るようになるわけですよ。だから、岡崎さんや田久保さんの言い方は論理が全くの逆さまの与太話ですよ。
【田久保】 違いますよ!「自主」とか「単独」というのは、結局は精神の持ちょうの問題でしょう。「自主」は「単独」とは違うとおっしゃるけど、「単独防衛」できるぐらいの気迫がなかったら「自主防衛」も出来ないというだけの話でしょう。
【西部】 それはそうでしょう。「最悪の場合」は単独ででも、というのが自主防衛の前提です。
【田久保】 だから、別に「自主」と「単独」とを分けて考える必要はないと思う。「自主防衛」は今の世界では「単独」では困難だという現実がやはりある以上、ことさら「単独防衛」と言わなくたっていいわけですよ。防衛体制その他に欠陥のある日本の国柄ではいずれも不可能です。どうも、西部さんの今までの議論を聞いていると、初めに「ア,メリカ嫌い」という大前提があって、いろんな理屈を引っ張りだして、理路整然と反米論を展開しているだけとしか思えないなあ。(苦笑)
【西部】 「アメリカ嫌い」がないとは言わない。(笑)。六歳の時から石礫をアメリカ占領軍に向かって投げていた少年インティファーダの身だから、そういう原体験が僕の脳紬胞の中にあるのかもしれない。でも、9・11テロにしても、クリントン時代とはいえ、実行犯相手にパイロット養成講座まで引き受けていたというだらしないところがある。貿易センタービルを破壊され何千人かが殺され、その腹いせにタリバンを攻撃し、その次は何としてもイラクを叩くべしと感情的になって大義も論理も喪失し、国連決議もないまま突っ走ってしまった。その尻馬に日本や親米派が乗ったのが滑稽というしかない。
【田久保】 そんなノーテンキな所があるアメリカですが、しかし、それが「自由」というものなんですよ。西部さんは違うかもしれないけど、テレビや新聞で反米論をぶっているキャスターや記者たちは、民主主義・市場経済の恩恵を受けてさんざん稼いだお金で自分たちの子供は何故かアメリカに留学させている場合が多い。
【西部】 僕ならアメリカには絶対にやらないね(笑)。
【.田久保】 何で、日頃えこひいきしている北朝鮮や中国に留学させないのか。西部さんならバグダッド大学に子供を留学させるかもしれませんが(笑)。
【西部】 そんなことは言わないよ。僕は、一九七四年にパグダッドに滞在していて、嫌な所だと思っていますからね。
◆「負け犬」はどっちだ!
【田久保】 あなたが言うように、アメリカは理想を持ち過ぎて計画主義的で朴訥なところがあるかもしれません。この前亡くなったレーガン大続領は就任した時に、自分の任期(八年間)を通じて十年計画で「悪の帝国」ソ連を打倒すると決意し、見事に実行した。七〇年代後半、ソ連の軍拡はすざまじい勢いで行なわれていましたが、「軍事力を強化するには十分な経済力が無くては不可能だが、ソ連は無理をしている。
そこで、年間四%の軍事費増をソ連に強制すれぱ、十年後にソ連の軍事費はGNP比で二割を超えて、その経済は破綻する。そこまでアメリカも軍拡をやれば、こちらの方が経済的には余裕があるから勝てる」とレーガン政権は考えたのです。軍拡競争に加えて、ソ連のSS20に対抗してドイツヘのパーシングUの配備を決定した。
あの時も今と同じような反戦デモ反核デモがありましたが、西ドイツのシュミット首相(社民党)は、今のブレア首相のように党内左派の低抗にも負けずに配備を強行しました。レーガンは、最後にはSDI(戦略防衛構想)まで持ち出して、軍事技術の面からもソ連を突き放してしまい、ついにはゴルバチョフがギブアップしてINF(中距離核)全廃条約が結ばれた。ブッシュシニア政権初期の一九八九年にベルリンの壁が崩壊し、ソ連も潰れてしまった。レーガンが大統領になって十年後です。
当時のレーガン政権時代に政府の要職にいたのがラムズフェルドなどで、そういったレーガン主義者がイラク、イラン、北朝鮮という「悪の枢軸」に対しても、レーガン流に計画を立ててテロ支援国家と戦う姿勢を打ち出したことには一定の評価は可能でしよう。
【西部】 レーガン流でいえば、、レーガンが亡くなったときの国葬の大騒ぎはちょつと異常でしたよ。アメリカ軍の捕虜虐待などで、アメリカ人の自尊心や自信が傷つけられる事態が続発していただけに、必死になって自分たちの国の権威を守るためにレーガンにあやかろうとしてノスタルジーを奏でるためのセレモニーを精一杯演出してみせたと言える。
【田久保】 フラストレーションを解消する要因もあったかもしれませんが、やはり欧州方面の東西冷戦を終焉させたという意味でレーガンが偉大な大統領であったから自然とそうなったんじゃないですか。
【西部】 しかし、そういった計画云々はソ連に対しては成功したかもしれないけど、イラクに対しては完全に破綻している。アメリカのネオコンたちも、「ネーション・ビルディング」なんて、よくもまあ考えつくもんです。「国家」(ネーション)を、勝手に自分たちのルールで設計して「建設」(ビルド)するなんて、昔、マッカーサーたちが日本に対して行なったことと同じことをイラクでやろうとしているわけでしょう。
日本は、米軍に占領され憲法まで押しつけられても「お代官さま、わしらが悪うございました。ご命令は何でも守ります、聞きます」とやってきて半世紀が過ぎたわけですが、イラクでそんなことが成功するのか。まあ、ここまでアメリカによってイラク国家が破壊されたら、国連とて好むと好まざるとにかかわらず、イラク国家の復興支援に着手するしかないでしょうが、こういった「左翼」主義者に特有の社会契約あるいは社会設計の考えから導かれた「ネーション・ビルディング」という妄念に拍手する日本の親米保守派は頭がどうかしていますよ。どこが「保守」なのか。
【田久保】 なるほど。西部さんが何故あんなにイラクのレジスタンスにシンパシーを抱くか分かりましたよ。つまり、あなたはもう一回、戦前の強き日本を取り戻して、出来うるならばアメリカに原爆の一発でも落とさないと気が済まないわけでしょう。.
【西部】 まあ、簡単に言えばね(笑)。
【田久保】やっぱり。
【西部】 これ、削っておいて(笑)。
【田久保】 いや、削っちゃダメだ(怒)。
【西部】 あんたが冗談みたいなことを言うから、冗談を言っただげだよ(笑)。
【田久保】 私は冗談は言っていない(怒)。、
【西部】 じゃ、削らないで是非載せておいて下さい。僕だって、アメリカに一年ちょっと滞在したことがあるし、別にアメリカを全面的に否定するわげではないけど、少なくともあの国の政治や経済的スタイルに日本が学ぶべき模範例や参考例があるとは思えない。あくまでも「反面教師」としての価値しかない。バブル崩壊のあとアメリカから構造改革を要求されたけど、あれも一種の余計なお世話でしかない「ネーション・ビルディング」で、左翼流の日本潰しでしかなかった。
【田久保】 「こんな女に誰がした」といった嘆き節はもう止めるぺきですよ。そんなの安保闘争同様、反米派の「負け犬の遠吠え」じゃないですか。
【西部】 逆ですね、親米保守派のあなたたちこそアメリカの足元にじゃれつく「負け犬」ですよ(笑)。
(私のコメント)
船橋洋一氏の記事を見ると、日本の防衛政策はどうなっているのか気にかかる。外務省と防衛庁の局長が揃っているにもかかわらず、アメリカの高官を前にして日本の防衛政策に対して時間の引き延ばしばかりしている。これではアメリカ政府との意見交換というより、アメリカ政府に御用聞きに行くようなもので、日本政府の政策機能が生きていない。
外務省にしても防衛庁にしても大勢のエリート官僚を抱えていながら、日本の防衛戦略や外交戦略を考えていないのだ。また防衛庁や外務省から金をもらっている政府系のシンクタンクもたくさんあるのでしょうが、我々国民には何も戦略らしい戦略が発表されてこない。私のように民族主義者として自主防衛戦略を主張していますが、左翼の憲法守れ戦略とポチ保守のアメリカの言いなり戦略しかないようだ。
日米の政府間協議で「日本は将来自主防衛体制を組んで、中国との軍事的脅威に対抗してゆく」と、なぜウォルホウィッツ副長官がいたのだから表明できないのか。日本は独立国なのだから自分の国は自分で守るとなぜ言えないのか。アメリカと戦争したほどの国なのだから、アメリカに守ってもらう必要がどこにあるのか。
ポチ保守の代表的な岡崎久彦氏は、「アメリカとの同盟が日本の戦略」と言いきっていますが、対米依存体制のままでいいのか。将来的には自主防衛体制をとると戦略を打ち立てれば、アメリカとの同盟関係も本当に対等な関係になれるだろう。それならばクリントンのような反日大統領も出てくるだろうから、その時にも日本の国益を十分に主張できるだろう。
日本の外交防衛政策や戦略が迷走しているのは、はっきりと自主防衛政策が打ち出せない状況にあるからだ。自主防衛政策を言うとポチ保守と左翼平和主義者の双方から袋叩きに会いますが、これこそアメリカ勢力と中国・北朝鮮韓国勢力との政策のせめぎあいで政治が動きが取れないからですが、国民も外交や防衛の事など誰も真剣に考えていない。このような事は天木直人氏も次のように指摘している。
◆米軍再編をめぐる日米交渉が何故進まないのか 天木直人
http://homepage3.nifty.com/amaki/pages/ns.htm
これほど重要な問題について何故日本はもたもたしているのか。何故政府の
考え方が国民に伝わってこないのか。その答えを9月23日の朝日新聞、舟橋洋
一の「日本、世界」が出している。要するに明らかに安保条約を逸脱した米側
の要求を、外務官僚が世論の反発をおそれて的確な対応ができずに立ち往生し、
いたずらに返答を引き伸ばしているということなのである。外務省が必死にや
ろうとしていることは、米側の要求を少しでも減らし、安保条約の範囲内でな
んとか凌ごうとする従来どおりの対応である。
しかし米国の要求はもうそのような誤魔化しでは対応できないところまで来
ている。米国の要求に従って国民に了解を求めるか、国民の前にすべてを明ら
かにして国民の求める政策を米国に納得させるかのどちらかの選択を行わねば
ならない時に来ている。本来の外交に正面から向かい合う気迫のない外務省は、
ますます自らの立場を失っていっているように見える。(中略)
これでは米国がイライラするはずである。舟橋氏は言う。「米側の最大の誤算
は“盟友”小泉首相率いる官邸が岩のように硬く、“同志”外務省が氷のように
冷たかった事である。政府は口を開けば「沖縄基地の負担軽減」を言うが、実
は基地改変は小ぶりでとどめたいように見える。日米地位協定の見直しという
「パンドラの箱」を開けることを恐れているのかもしれない。しかしそのよう
な数字のつじつまあわせではない本格的な対応が必要だ。再編に向けての共同
作業は米軍基地の一つ一つの役割と機能を洗いざらい点検することだ。・・・」
日米安保関係は、政府や外務省、防衛庁に任せられないところまで来ている
と私はつくづく考えるのである。
(私のコメント)
このように日本の政治家も官僚たちも迷走している。日本の政治家はアメリカの高官の前に出ると、ビビッテ何も言えないか、小泉首相のようにおべんちゃらしか言えない。日本の国民に対してもアメリカの高官に対しても誤魔化しと先送りしか出来ない。日米の地位協定一つとっても、アメリカと交渉したくないばかりに、日本の政治家は逃げ回っている。
安保体制の見直しなんて言おうものなら、ポチ保守の言論人や政治家は腰を抜かすようだ。対米依存体質の中でどっぷりと浸かって生きてきたから、日米安保がなくなったらショック死するだろう。
追加
◆最近は阿修羅にも左翼のネット活動家が熱心な投稿活動をするようになった。その事は歓迎すべきことですが、私のような民族主義派に対して「捨てハン」を使って嫌がらせをする人がいます。最近は著作権がどうのこうのと言ってきていますが、私の場合引用部分は明示してあるし、わたしのコメントも区別して、引用した記事を元に論評している。
それよりかは単純なコピペのほうが著作権法上問題がある。数行でもいいから自分のコメントを付け加えるべきである。