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インドネシア大統領選あす決選投票
国民的人気のユドヨノ氏/政党票固めメガワティ氏
【シンガポール=藤本欣也】インドネシアで二十日、現職のメガワティ大統領(五七)にユドヨノ前調整相(五五)が挑む大統領選挙の決選投票が行われる。大統領直接選挙は同国で初めて。直前の世論調査によると、国民的人気のあるユドヨノ氏が優勢で、メガワティ氏が追い上げている。有権者約一億五千万人と世界最大規模となる同選挙には、来年総選挙を予定しているイラクをはじめ各国から派遣された選挙監視員約五百人が投票をモニターする計画だ。
「テロはどこでも起こりうる。米国のような超大国でさえ防げなかった。とりわけ自動車爆弾による自爆テロを防止するのはほとんど不可能だ」(メガワティ大統領)
「汚職との戦いこそ、大統領が陣頭指揮をとって取り組むべき課題だ。私は軍出身だが、民主主義の規範を尊重していることを忘れないでほしい」(ユドヨノ氏)
十四日、ジャカルタで開かれた初の公開討論会。両者は約三百人の聴衆の前で持論を展開したが、地元英字紙ジャカルタ・ポストは「メガワティ大統領は落ち着かない様子で質問にもゆっくりと答えられなかった」と評価し、ユドヨノ氏の方に軍配を上げた。
七月の一回目の投票でユドヨノ氏に約八百万票差をつけられたメガワティ大統領は、出身母体である国会第二党の闘争民主党と、第一党のゴルカル党などとの間で統一戦線を結成。「変化」と「クリーン」を訴えるユドヨノ氏の国民的人気に政党票で対抗するという選挙戦略をとった。
しかし、物価上昇や9%台の高失業率、汚職の蔓延(まんえん)などに対する不満から、世論調査では、ユドヨノ氏が六割以上の支持率を確保、二−三割台のメガワティ大統領との差は埋まらなかった。さらに、頼みのゴルカル党も分裂状態で、同党の組織票(約二千四百万票)のうちどの程度獲得できるのか不透明となった。
危機感を強めたメガワティ陣営は今月に入り、党決定に従わない党員を資格停止処分にする強硬措置で組織票を固めるとともに、混乱回避を名目に選挙運動の期間を三日間に大幅短縮し、ユドヨノ陣営に足かせをはめた。その一方で、地元紙によると、国営企業や警察、官僚機構を動員した票の掘り起こしを全国規模で行うなど現職の強みを生かして追い上げた。
九日にジャカルタの豪大使館前で起きた爆弾テロ事件でも、「強い指導者」像を打ち出すユドヨノ氏への期待が高まったとの見方がある半面、「厳しい調子で反テロの姿勢を打ち出した大統領を評価する声も出てきた」(ロイター通信)とも指摘されている。
十六日に行われた最終の世論調査では、ユドヨノ氏支持が52%、メガワティ大統領の支持は34%と両者の差は少し縮まったが、ユドヨノ氏優位の情勢に変わりはない。
http://www.sankei.co.jp/news/morning/19int001.htm