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プーチン大統領の新国家方針 強大な権限、憲法違反?
警鐘も地方首長は“服従”
【モスクワ=内藤泰朗】ロシアでは、プーチン大統領が十三日発表したテロ対策の新国家方針をめぐり、司法関係者や政治家の間で議論が巻き起こっている。大統領を中心とした中央集権体制の強化が憲法違反だと懸念する声はあるものの、大統領の決断を支持する世論の方が強い。
プーチン大統領は、ソ連的中央集権体制の復活をもくろんでいるが、大統領の「反テロ戦」は、ロシアの政治制度をも大きく変える転換点となる可能性がある。
十四日付の有力日刊紙コメルサントは、大統領が発表した地方自治体の首長の任命制について、ロシア憲法と矛盾する点を列挙した。
それによると、任命制は、すべての国民が首長のポストに立候補できる権利を保障した憲法に違反するほか、地方自治体の首長は選挙で選出することを規定した部分にも抵触する。
さらに、憲法に規定された大統領権限に、首長の任命権や推薦権はないほか、首長の罷免権を誰が持ち、大統領側が推薦した人物以外の首長候補を立てることは可能なのかなど、法的に解決しなければならない問題が数多くある。
同日付の有力紙イズベスチヤは、大統領の発表を「九月革命」と呼び、衝撃を隠さない。
同紙は「地方自治の試みの時代は終わった」として「近い将来、一人の人間に頼った体制ができるが、その重みを一人で動かすことはできなくなる」と述べ、大統領の「改革」に警鐘を鳴らす。
このほか、中央集権体制の非効率性や官僚の汚職の増長を指摘する意見や警察国家再来の懸念などを警告する声もある。
だが、憲法裁判所のトゥマノフ元長官は「国家安全保障のために国家の基本部分が犠牲になることもある。大統領の権限は広く、歴史的な使命があった場合、その権限の内容は変わっていくものだ」と述べ、大統領の方針が法的に大きな問題とはならないとの見解を示した。
人事権を握られる「地方のボス」たちも、大統領への服従姿勢を示し、反対意見は一切出てきていない。
二〇〇〇年に就任したプーチン大統領は、ロシア全土を七つの連邦管区に分けて大統領全権代表を置き、地方首長の解任制度などを設けて「地方のボス」への監視を強めていたが、十一月までに導入されるという首長任命制と、大政党主導の政治が復活すれば、大統領の中央集権体制はほぼ完成することになる。
◇
【新国家方針骨子】
一、八十九の連邦自治体首長は、ロシア大統領が推薦した者の中から地方議会が選ぶ、事実上の任命制の導入。
一、地方自治の抑制と中央集権化の達成。
一、一部大政党のみが生き残る選挙制度(比例代表制)へ移行。
一、各自治体に反テロ委員会を創設し、委員長に自治体の首長、副委員長に内務省の将校をそれぞれ任命、相互に監視。
一、北カフカス地方のロシア大統領による直轄統治制の導入。
一、民族問題を扱う地方発展省の再創設。(モスクワ 内藤泰朗)
(産経新聞) - 9月15日2時45分更新
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20040915-00000012-san-int