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天木直人・メディア裏読み 9月2日 大事件の底に流れる共通のもの ほか
http://www.asyura2.com/0406/senkyo5/msg/410.html
投稿者 天木ファン 日時 2004 年 9 月 04 日 02:45:41:2nLReFHhGZ7P6
 

◇◆ 9月2日 ◇◆ 大事件の底に流れる共通のもの ◆◇ この国の大臣は何をしているのか ◆◇久し振りのジェンキンス報道 ◆◇ 梶原知事に期待したい ◆◇ 
◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆
天木直人         メディア裏読み
                          2004年9月2日 VOL.31
◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆
    

 

 イラク戦争に明け暮れているうちに世界はどんどんと不安定になっていくようだ。
それとも総てが関連しているのかもしれない。たて続けに大事件が起こっている。
チェチェン・イスラム武装組織の波状テロはついに学校人質事件にまで発展した。
ロシアは米国と同様イスラム過激派の共通の敵になったかのようだ。
パレスチナでは再びハマスとシャロン首相の暴力の連鎖がエスカレートしつつある。
北京では脱北者が日本人学校へ計画的に駆け込む事件が起きた。
 これらの事件に共通するものは何か。それは強権政治に対する抑圧された者たちの
死に物狂いの抵抗である。冷静に考えてみるとブッシュ大統領もプーチン大統領も、
中国の歴代指導者も実は大変な強権指導者なのである。
金正日やサダム・フセインばかりが独裁者ではない。政権維持のためには人権を無視
する形で抵抗するものを押さえつけてきた。今行われている悲惨な事件は、これらの
強権政治に押さえつけられてきた者たちが自爆抵抗している姿なのだ。しかも多くの
協力者が彼らに同情して手を貸している。これに対し、権力者たちはお互いに協力し
合って「テロとの戦い」には断固闘おうとエールを交換しあっている。これはもう世
界的規模における強権支配者と被抑圧者の戦いである。力で押さえつけようとする限
り決して平和は来ない。
 そんな中で日本はもっとも安全な国であった。その日本が強権指導者の率いる国の
仲間入りをして自らその戦いの中にのめりこんでいくのか。それとも率先して和解の
重要性を訴えていく国になるのか。それは日本の国民が誰をこの国の指導者として選
ぶかということに他ならない。
小泉首相が戦後の日本が経験した事のない強権政治の指導者であることだけは間違
いない。


  9月2日の各紙に二人の大臣の動向が小さくのっていた。一つは川口大臣が11日か
ら13日まで中国を訪問する方向で調整に入ったという記事である。一体川口大臣は8
月から9月にかけて何回出張しているのだろう。おそらく日本にいて役所で仕事をした
日がなかったのではないだろうか。周知のように川口大臣は9月末の内閣改造でお払い
箱になるといわれている。その前に急いで回ろうというわけでもあるまいが、9月末に
は小泉首相も行く国連総会に出席して外務大臣終わりということになる。そもそもこの
人は3年近くも外務大臣をやってどういう外交的識見とイニシアチブを我々の目の前に
示してくれたのか。役人特有の言い逃れに終始していた印象しかない。
大臣の存在感のない役所ほど官僚がのさばる。その外務官僚がやってきた過去三年間
の外交の過ちがここへきてすべて同時に噴出しつつあるのだ。
 もう一つの記事は茂木・沖縄担当相が沖縄の米軍ヘリ墜落現場を9月1日に訪れたと
いう記事である。なんと閣僚としてはじめて墜落現場を視察したという。
事故から半月以上も経っているというのに外務大臣も防衛庁長官も一度も訪れていない
のである。これはひどい。小泉内閣の緩みを如実に物語っている。
そういえばかつて記者の前で得意げに沖縄の基地移転問題を語っていた外務省高官が、
じつはまだ一度も沖縄に足を運んだ事がなかったということがバレて大スカンを喰った
ことがあった。
この国のやとわれ大臣や官僚の仕事に対する意識はその程度なのである。


 ◇◆ 久し振りのジェンキンス報道 ◆◇

 9月2日の各紙に久しぶりにジェンキンス氏の動向に関する記事が出ていた。
そのひとつが2日発売予定の香港英字紙ファー・イースタン・エコノミック・レビュー
との単独インタビュー記事についてである。彼が語った事が本当であれば興味深いが、
北朝鮮を立ってまだまもない状況でどこまで真実を語っているのかという問題は残る。
それでも小泉首相の訪朝時のエピソードには驚かされる。
報道によると、5月22日に訪朝した小泉首相と面会した時、小泉首相は「ジェンキンス
氏と二人の娘は出国しても良い」という金正日総書記のサイン入りの書類を持参していた。
しかし「北朝鮮外務次官らが小泉首相との面会の前に訪れてきて日本に行くなと圧力を
かけてきた。小泉首相と会った部屋は盗聴されていた。あの時小泉首相に応じて日本に
行っていれば私の人生は終わっていたかもしれない」などとジェンキンス氏はインタビ
ューに答えているというのである。
いったい日本の外務省はどんな外交を当時やっていたのか。その実態は徹底的に情報公
開されねばならない。
 もうひとつはジェンキンス氏が9月1日声明を出して米軍との司法取引に応じる意向
を明らかにしたという記事である。しかしこの声明がどういう形で記者団になされたも
のか報道では必ずしも明らかではない。一部の新聞は声明文を翻訳して流していたが、
小泉首相や日本政府への感謝の言葉がいたるところに出てくる。声明文は誰が書いたの
か。記者発表を誰がお膳立てしたのか。まさかジェンキンス氏が一人ですべて取り運ん
だとは思えない。
米軍が行うはずはない。病院側が手伝う事はありえない。日本政府が手伝ったとすれば
マスコミを通じた世論誘導である事は明らかだ。


 ◇◆ 梶原知事に期待したい ◆◇

 9月2日の毎日新聞の「地方分権を問う」という特集記事は参考になった。「税源移譲
を進めて官僚政治打破を」という見出しで三位一体改革がごまかしの改革にならないよ
う、諸井虔、石弘光、梶原拓の三氏が意見を述べているのであるが、その中で梶原拓岐
阜県知事の言葉に私は深い共鳴を覚えた。梶原氏は建設省の役人から岐阜県の副知事に
なって知事になるというお決まりのコースをたどった人である。私はこの人の考えやこ
れまでの実績などまったく無知であるが次の発言を読む限り、彼が全国知事会会長とし
て小泉首相の三位一体改革の実施を監視していってくれれば大いに心強いと思った。

 「・・・地方自治体は目先の金欲しさで地方分権を叫んでいるのではない。前提には
今は官僚政治から市民政治への転換点にあるという歴史的認識がある。・・・情報公開
と市民参加を進め、官僚政治から市民政治に脱却しなければならない。私はこれを「平
成維新」とよんでいる。明治維新は中央集権革命だったが、今回は地方分権革。・・・
昨年は国庫補助金負担の削減に見合う税源移譲が不十分だった一方で地方交付税が大幅
に削減される「三位バラバラ改革」となり地方が反発した。国家財政再建は共通認識だ
が、地方に一方的に負担を押し付けるのは許せない。・・・地方分権で自己責任社会を
実現する事が根本的な財政再建ではないか。・・・生活者の立場から総合的に考えられ
るのは中央省庁ではなく地方自治体しかない。中央の縦割り構造を末端に押し付ける事
でどれだけ無駄が生じているか。私は縦割り構造が是正されれば税金は半分ですむと
言っている。・・・増税は税金の使い道を透明化するのが前提です。例えばスウェーデ
ンは税負担が大きいが『福祉に使うならもっと上げてもよい』と市民が話すのを視察で
聞き驚いた。市民が政治に参加し自分たちで考え、実行しているという意識があるから
でしょう。それ無しに増税だけを訴えても理解はされません・・・。」

 税源移譲すれば、富裕な自治体にはどんどん税収入が入るが貧乏な自治体は慢性赤字
となり格差ができる。だから交付税によってナショナル・ミニマムを均一化することは
最低限必要ではある。しかしそのような最小限のセーフティネットを確保した上で、極
端に言えば税源をすべて地方に移してその財源を使い住みやすい地域を住民が自分たち
の手で作らせることを可能にすれば、きっと住民は住みやすい地域を自分たちの手で作
ると思う。
 国税をなくし、地方税、住民税にしたほうがどれだけ納税者意識が高まるであろう
か。恒常的な過疎地域は残るにしても、そしてそのような地域を国費によって補助して
いく必要はあるにしても、必ず自助努力による地域復興は起きると思う。
問題は中央官庁が自らの権限を手放したくないばかりに、さまざまな理屈をつけて税源
を移譲しないことである。補助金、交付金を使って地方の国への依存体質を継続させて
いる事である。しかしもはや国と地方の財政破綻は、そんな悠長な事を言っていられる
ときではない。
三位一体改革ができるかどうかは小泉首相が財務省、総務省を押さえ込む事ができるか
どうかである。そして小泉首相にはその実力も意思もなく、あるのは掛け声だけである
から、我々はこの国がつぶれない為にも梶原知事に頑張ってもらわなければならないの
である。


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