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【奇っ怪ニッポン】
2004年8月26日 掲載
迷走、義務教育費問題は文科省→総務省への省益移譲
http://www.gendai.net/contents.asp?c=025&id=15750
新潟市で開催された全国知事会議は群馬・山梨・長野・三重・広島・愛媛・大分の7県知事以外の40都道府県が賛成し、義務教育費国庫負担金を削減対象とする「改革案」を霞が関と永田町へ提出しました。
3兆2000億円分の国庫補助負担金削減リストには、中学校の義務教育費国庫負担金8500億円が含まれています。が、当初は小中学校合わせた2兆5000億円が削減対象だったにも拘(かかわ)らず、直前に中学校分だけに修正した、この点を以(もっ)てしても、如何(いか)に理念無き数合わせに過ぎぬ「迷走」であるか、明々白々です。
そもそも、痴痔懐疑おっと失礼、知事会議が纏(まと)めた贅言異状、又もや失礼、税源移譲は、真っ当に実行されるか否か、定かでないのです。3.2兆円分の補助金削減の見返りとして3兆円の税源移譲が為(な)される、との捕らぬ狸の皮算用は早くも、税源移譲額は最大でも1.9兆円でしょ、と財務省から牽制球を投げ掛けられています。
義務教育費の原資を税源移譲される個人住民税や地方消費税に切り替えたとして、何(いず)れの場合にも全国8割の都道府県で減収となるのです。減収額は都道府県の教育費の7%に相当します。脆弱(ぜいじゃく)な財政構造の「地方」は、教育に十分な費用を投じられなくなります。
成る程、誰もが現状の日本教育に満足していません。教員の資質も、ゆとり教育も、早急にレベル向上や転換を図らねばなりません。が、それは税源移譲をすれば解決する問題ではないのです。にも拘らず、税源移譲は魔法の杖であるかの如(ごと)くに語られています。嘗(かつ)て、小選挙区制を導入すれば政治改革が即座に成し遂げられると真顔で語られたのと同じく。
先に税源移譲された学校図書館費や公立保育園運営費は、殆(ほとん)どの自治体で以前よりも減額された予算計上となっています。論より証拠。「田舎」と「都会」で義務教育の格差が生じる日本の未来を暗示しています。天然資源に乏しい日本の資源は、人財です。その人財を育てるべく、全額国庫負担のフランスを始め、アメリカもイギリスも教育費を増額しています。
全国知事会の事務総長は歴代、総務省の事務次官経験者クラスが就任し、事務局にも数多くの総務官僚が出向してきています。早い話が、総務省の外郭団体として総務省の意向を反映させる“別動部隊”なのです。而(しこう)して、総務省出身の知事が今や3分の1を占めています。
今回の義務教育費問題も、総務省管轄下の地方自治体に「移譲」し、文部科学省の省益を自分達に頂戴(ちょうだい)しちゃおうとの、児童生徒不在の身勝手さです。市町村合併、デジタル放送化、住基ネットと日本の財政を破綻させる机上の空論を強行する喪・無能省って、おっと誤植、総務省って何様なの?【田中康夫】