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2004.8.27
Q君への手紙(PART3[33])
民主党への提言−反省し、改め、そして出直すことを望む
「政の興る所は民の心に順うにあり。政の廃する所は民の心に逆らうにあり」(菅子)
Q君。8月23日午後9時から9時55分放送のテレビ朝日『たけしのテレビタックル』における私(森田実)の発言について、各方面から質問と感想が寄せられました。私は「民主党の危機は深刻だ」と考えています。この考えをテレビ朝日のスタッフへのインタビューで話しました。テレビで放送されるのは、発言のほんの一部ですから、ここで少し詳しく私の考えを述べます。民主党にとって、いまはたいへん重要なときです。民主党全体で考えてほしいことを書きます。
Q君。私は、参院選後の岡田代表の行動には大きな間違いがあったと思っています。 第一に、岡田代表は直ちに集中豪雨の被災地を見舞うべきでした。野党第一党の党首は、まず国民の中に入るべきです。とくに災害で苦しんでいる国民がいれば、真っ先に見舞うべきです。もっとも大切なのは日本国民なのですから。とくに苦しんでいる人たちです。それなのに岡田代表はアメリカに行きました。それも「顔見せ」以外には明確な目的をもたないような訪米でした。こんな訪米なら、後回しでよかったのです。こういうことでは政権への道は「日暮れて道遠し」です。
Q君。私は、極論に聞こえるかもしれませんが、小泉首相の政治は「まずブッシュ政権へのサービスありき」の政治だと思っています。小泉首相は、日本国民の幸せのためではなく、「アメリカの、アメリカによる、アメリカのための」政治、さらにいえばブッシュのための政治をやっているのだと思います。
このような政治をやめさせ「日本国民の、日本国民による、日本国民のための」政治を実現するのが岡田民主党のもっとも重要な課題だと思うのです。それが、参院選挙後の最初の行動が「ワシントン詣で」とは……。失望しました。岡田民主党の役割は「ブッシュ政権に奉仕する小泉政治」から「日本国民第一の政治」に切り換えることにあるのです。
第二の問題は、臨時国会の開会日に岡田代表が欠席したことです。これには失望を超えて落胆しました。野党第一党こそ国会の柱にならなければなりません。それなのに野党第一党の代表がアメリカに行っていたために開会日に欠席するとは言語道断です。間違いにしても大きすぎます。岡田代表だけでなく民主党全員が反省してほしいと思います。
第三は、岡田代表自身が代表選挙を望んでいないこと、無競争で自分を選んでほしいと、党員に求めたことです。私がこのことを知ったのは友人との会話のときでした。私は友人に繰り返し確かめました−「岡田代表は自分を選挙で、すなわち投票で選んでほしい、といったのではないのか」と。友人は「反対だ。無投票でやってほしい」といった、といいました。調べてみると、事実は友人のいったとおりでした。「なんだ、これは!?」と思いました。逆さまではないかと思いました。選挙を望まない党首が再選だけは望む、というのです。こういうのを談合というのではないでしょうか。政党が談合で党首を選ぶというのは、政党にとって最悪です。一種の自殺行為です。なお、岡田代表は8月24日の出馬表明の記者会見の際、「(自分以外に)立候補者がいれば堂々と選挙戦を戦い……」と言明しているので、少し軌道修正をしたのかもしれません。 第四に、小沢一郎氏の批判への対応が間違っています。小沢一郎氏の問題提起は国の基本にかかわることです。民主党としても小沢理論に従うか否かは、党の存亡にかかわる重大問題です。この問題は党内で論争すべきテーマです。曖昧にして取引するような問題ではないのです。場合によっては、この問題は党首選のテーマにすべきです。それなのに、岡田代表はこの問題を曖昧にして、小沢氏と取引しようとする構えをみせています。これは大きな間違いです。改めてほしいと思います。公然と議論せよ−と叫びたい気持ちです。
Q君。今回の民主党代表選挙の最大の意義は、民主党が自民党に代わって政権を担う資格のある政党に成長することにあります。しかし、岡田代表は小泉自民党政権に対する明確なアンチテーゼを示すことができていません。8月24日の出馬声明のなかで岡田氏は「すべての改革を先送りしている」といって小泉政権を批判していますが、果たしてこの見方は正しいのでしょうか。小泉政治そのものが間違っているのです。「先送り」など本質的問題ではないのです。小泉政治そのものを、直ちにやめさせるべきです。小泉政治が弱肉強食の社会をつくろうとすることが過ちなのです。ブッシュ政権に従って戦争を後押しすることが間違いなのです。基本方向が大間違いなのです。
岡田さんがなすべきことは、小泉政治を断固として否定することです。小泉首相に対して「もっとやれ!」というのは国民に対する背信以外の何ものでもありません。正すべきは「先送り」ではなく、小泉政治の基本方向そのものなのです。
Q君。もうひとつあります。これはもっとも重要なことです。岡田民主党は、小泉政治によって切り捨てられた人々−失業者、地方、中小零細企業、弱者、土木建設業者などすべての恵まれざる人々の味方になることを宣言すべきです。岡田民主党が弱者の味方にならず、強者の手先になるなら、そんな民主党なら、国民にとって「百害あって一利なし」です。そんな政党は国民の敵です。そんな政党なら存在する意味がありません。岡田さん、民主党が弱者の味方になることをはっきりさせてください。
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2004.8.28
Q君への手紙(PART3[34])
再び民主党に苦言を呈する
「愛してもその悪を知り、憎みてもその善を知る」(礼記)
Q君。上記の言葉を引用したのは、言論活動のあり方を示すためです。日本の政治をよくするためには政権交代が必要です。自公連立内閣という強大な勢力を倒して、政権交代を実現するためには、民主党に成長してほしいと思います。しかし、政権交代の目的はあくまで国民の状態をよりよくすることにあります。政権交代によって悪くなるなら交代の意味はありません。それだけに、民主党の政策を点検し、ときには批判しなければならないのです。
Q君。9月13日の民主党代表選において、岡田代表が再選されることは確実な状況です。岡田代表のもとで参院選に勝ったわけですから、岡田代表の再選は必然の流れだと思います。しかし、最近の岡田代表の迷走ぶりをみて、本当にそれでいいのか、代表選挙も行わず、無投票で選出するなどということでいいのか、いまの民主党のままでいいのか、という気がしてなりません。こんな民主党でいいのか、と思うのです。
Q君。最近、民主党内で評価すべき動きがみられます。それは憲法改正反対の主張をもつ議員が結集して動き出したことです。いまは、民主党内では少数派ですが、この動きは大いに評価できます。今後、私はこのグループを応援したいと思います。
ところが、民主党の多数派はこの動きに反発しています。民主党の多数派は憲法改正派です。憲法改正派の元気のいい若手政治家のなかから「憲法改正に反対する者は民主党から出て行け」との声が出始めている、という話が耳に入ってきています。憲法改正に反対する者を魔女狩りして排除しようとする動きもあるようです。本当に愚かなことです。
民主党内の憲法改正反対派を追い出すことは民主党が右翼化することを意味します。民主党多数派が、「右翼化した民主党」が国民から支持されると考えているとしたら、それこそ愚かなことです。国民は冷静です。民主党の右翼的な政治家が考えるほど国民は右翼化してはいません。右翼化しているのは大マスコミだけです。それも大マスコミ指導層だけです。
民主党のさらなる右傾化は自殺行為です。「アーミテージ憲法」の制定に民主党は加担してはいけません。
Q君。それにしても、テレビ局におだてられて荒っぽい発言を繰り返すテレビタレントと一緒に下品な発言をしている民主党の若手政治家をみると、困ったことだと思います。政治家には一定の品位が必要なのです。下品になってはいけないと思います。ふざけて政治をしてはいけません。
Q君。私は民主党の危機は深刻だと思います。いままで、私は民主党には危惧をもちながら自民党に対抗する政治勢力に成長してほしいと願い、応援してきました。しかし、これからはいままでより厳しい目を向けなければならないと考えています。
第一に、民主党の多数の政治家はアメリカ的グローバリズムの信奉者です。いままで小泉構造改革に同調してきた政治家が多いのです。しかもこのことを反省していません。小泉首相への批判の主眼は「先送り」におかれています。小泉構造改革それ自体を否定していないのです。民主党内にはアメリカ崇拝者が多いのです。これを改めてもらわないと、国民が困ります。日本国民になって、国民の一人として政治に取り組んでもらわないと困るのです。岡田代表が参院選後にまず米国を訪問したことに私は大きな危惧を抱きました。 第二に、民主党は失業問題の解決に不熱心です。この点では小泉首相と本質的には同じです。中小零細企業に対しても冷淡です。この点も小泉首相と変わりありません。
第三に、地方を軽視しています。この点も、地方に冷たい小泉首相とほとんど変わりません。地方がどんなに困っているかに無関心です。おそろしいことです。
第四に、公共事業に反対です。公共事業をやめてしまえば、地方経済は破滅していまいます。土木建設業者も生きていけません。小泉政治は、公共事業費を大幅に減らすことによって地方経済を破滅させています。土木建設業者と労働者をいじめています。民主党はこの小泉政治を側面から支えているのです。民主党は小泉政権と同じく強者の味方になっているのです。
第五に、民主党は憲法改正を推進しています。これは大きな間違いです。繰り返しますが、「アーミテージ憲法」をつくるような愚かなことをしてはならないのです。いまの時点での憲法改正は、日本をブッシュ政権の手先にしてしまうものです。少なくともそのおそれは大きいのです。徴兵制と集団的自衛権行使を憲法上可能にするような憲法改正を行ったら、日本の若者が米軍の尖兵として使われるのです。少なくともそれが可能になります。いまの小泉政権のような従米政権のもとでは、このおそれは強いのです。政権交代によって民主党政権ができたとき、それが小泉政権と同じ従米政権だったら、交代の意味がほとんどないことになってしまいます。
Q君。いつも書いていることですが、小泉構造改革は日本国民を「少数の持てる者」と「大多数の持たざる人々」に分裂させてしまいました。東京と非東京地域、繁栄する大都市地域と衰退する地方、道徳を失い欲望渦巻く大都会と貧困ではあるが倫理を回復した地方、大企業と中小零細企業、工業と農業−日本は二分化されたのです。
政界をみると、政府・自民党内の小泉支持派が「地方切り捨て、大都会地のみ繁栄」派、少数の自民党の古い政治家が「地方も大都会も共に生きる」派です。民主党はほとんどが小泉支持派と同じ「地方切り捨て、大都会地のみ繁栄」派です。
もっとも政界内の最大多数派は「日和見」派です。地元へ帰れば地元の味方のように振る舞い、東京に出ると小泉政治礼賛者になるカメレオン政治家が多いのです。二枚舌で生きている政治家もいます。悲しむべきことです。
Q君。民主党には貧しき人々、苦しんでいる人々の味方になってほしいと願います。平和主義者として生きてほしいと願っています。この立場から、私はあえて民主党を批判します。民主党は平和のため、恵まれざる人々のために働く政党になってほしいのです。米国への軍事協力の方法ばかりを議論するような軍国主義政党になるような要素は捨ててほしいのです。この視点から私は、今後は民主党をも批判することにします。