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天木直人・メディア裏読み 8月26日 
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投稿者 天木ファン 日時 2004 年 8 月 26 日 18:40:31:2nLReFHhGZ7P6
 

8月26日―メディア裏読み


頑張れ!クロネコヤマト

 26日の主要各紙に宅急便のクロネコヤマトが異例の全面広告を出した。私はここにクロネコヤマトの心意気を見た。
理不尽な「お上」の弱いものいじめに対する建白書である。それは挑戦状ではない。
勝ち目の無い苦しい戦いを強いられる弱者が、捨て身で行うギリギリの戦闘宣言なのである。

 周知のようにクロネコヤマトは旧運輸省の様々な規制と戦って今日の宅急便ナンバーワンの地位を勝ち取ってきた。
それを生意気だとして旧運輸省が数々の意地悪をしてきたことは小倉会長の数々の著書で明らかにされている。
そしていままた新たないじめである。しかも今度は郵政改革という小泉首相の公約の成否がかかったなりふりかまわないいじめである。

そもそも郵政改革の中身は郵便事業の部分と郵貯、簡保の財政部分とに分かれる。
そして郵便貯金、簡易保険についてはその改革は金融機関との関係や特別会計の運用と絡まって省庁間の縄張り争いなど改革が難しい事情がある。
これに対して郵便事業の民営化は国民にとってわかりやすい。競合相手も金融業界と違って宅配業界という官僚からすれば見下した業界である。
ゆうパックの事業を拡大し採算性をあげることにより目に見える形で「郵政改革の成功」を国民の前にアピールしたい。
 クロネコヤマトはこの理不尽な小泉改革の弱者いじめに、新聞での全面広告という形で国民に訴えたのである。
我々はあの全面広告の趣旨をどこまで理解しているのであろうか。私はその訴えは次の言葉に尽きると思っている。
 「・・・クロネコヤマトは日本郵政公社との競争に賛成です。
クロネコヤマトはこれまでも切磋琢磨しお客様によりよい商品、よりよいサービスを提供してきたという自負があります。
(そのためにも)公正な競争がしたいのです。公正な競争がしたいのです・・・。
 日本郵政公社には民間企業が手を出せない領域がありそれを独占しています。手紙やハガキの料金に自由競争はありません。(
その独占収益を背景に)日本郵政公社は民間と競合するメール便の分野で大口のお客様に大幅な料金割引制度を適用しています・・・
さらに日本郵政公社は税制面などでさまざまな優遇措置を受けている。
はたしてそれが公正なのか。はたしてそれが公正なのか。
日本郵政公社が、民間が切り開いた市場で競争をしかけるのはフェアプレーと言えるでしょうか。
 クロネコヤマトはお客様のためにこれからも更なる便利な商品、サービスを新しいアイデアで創出していきます。
これこそが未来までクロネコヤマトが変えない企業姿勢であり、お客様から選ばれる民間企業としてあるべき姿勢であると考えます・・・。」
 我々顧客である国民としては、日本郵政公社であろうとクロネコヤマトであろうと、安くて便利なサービスのほうを選択する事になる。
その結果商売が多いほうもコンビニストアも選ぶであろう。それが自由競争である。
しかしその競争はやはり公正でなければならない。
日本郵船の社長として民間企業で苦労して来た生田総裁にそのことがわからないはずは無いと思うのだが。


 うんざりする国連安保理入りをめぐる記事

 これからも日本の国連安保理入りをめぐる記事が毎日のようにメディアに流されるであろう。それについて識者の様々な意見が掲載されるであろう。
なにしろ9月末にわが小泉首相が国連で演説するらしいのだから。しかしそれらは全く無意味である。
日本が国連安保理の常任理事国に受け入れられることは、日本がその外交姿勢を改めない限り、
すなわち世界の国々から尊敬され慕われる国にならない限り、永久にありえないであろう。
そして今までのような外交を続けている限り、ましてや憲法を変えてまで米国の安保政策に奉仕しようとしている日本が、世界から評価される事は決してない。
 26日の朝日新聞に、御用学者から国連次席大使にさせてもらった北岡伸一氏が「改革の機運は確実に高まっている。
条件が有利な方向に変化している今を逃すとあと十年ぐらいは難しい。日本の国力もどうなるかわからない。黙って待つ方針はもう採るべきではない」と述べている。
外務省の宣伝をする為に大使にさせてもらった手前そういわざるを得ないのだろうが、これほど事実に反した発言は無い。
学者のくせに国際政治の何を見てきたのか。外務省は過去十年、これ以上できないほど予算と人手と時間をかけて国連安保理入りの努力をしてきた。
そしてもっとも期待している米国が本音のところで日本をまったく相手にしてこなかったのである。
 米コロンビア大学国際機関センター所長のエドワード・ラック氏は同じ紙面でつぎのように述べている。
 「・・・ブッシュ政権は安保理の拡大が必要とまでは考えていない。拡大が必ずしも米国の国益に沿うわけではない・・・
日本の常任理事国入りは米国の助けになるが、ドイツの場合は障害と見るだろう・・・中国は安保理改革に熱心ではないし日本となればなおさらだ。
韓国も抵抗してきた・・・『反対の国はない』というが論議が進んでいないから。進めば高まる。実に多くの国が拡大に反対している・・・
日本は常任理事国になれるかだけでなく・・・安保理の活動全体を見直し(それが)新しい脅威にどう実効的に取り組めるかという政治的な改革を提案すべきだ・・・」
 私は彼の言葉に付け足すものは何も無い。そしてこの問題に再びコメントすることもしない。
まったくの時間の無駄であるからだ。


 小泉首相と稲嶺沖縄知事の会談に思う

 のんびりと夏休みを終えて働き出した小泉首相が25日やっと稲嶺沖縄知事と会談した。事故がおきて10日以上もたってからの事である。
米軍が日本に指一本ふれさせることなくヘリの残骸のすべてを持ち去り、何も残っていない事故現場を日本の警察がのろま顔で調査した後の会談である。
日米の話し合いがつくまでヘリの再開は控えてほしいという日本側の再三の要望を米国側は一切無視してイラクにヘリを飛ばしている状況下での会談である。

 会談後の両者の記者団に対する発言を聞きながらこの国の政治のイカサマを感じざるを得なかった。稲嶺知事の表情が暗く目が宙をさまよっている。
いくら総理に沖縄の現状を訴えたからといって小泉首相がそれを実現してくれると本気で思っているのか。
小泉首相はイラク戦争を支持する事をブッシュに伝える事には早いが、
そして映画や野球についての無駄話については相手が興味が無くても喜々として饒舌に話すであろうが、沖縄問題では決してブッシュと話そうとしないであろう。
そもそも稲嶺知事は沖縄問題を橋本首相に迫った太田知事を自民党が金をちらつかせて必死に落選させようとした時に担ぎ出された知事ではなかったのか。

 それにしても小泉さんの態度である。長い夏休みに疲れたのか、ヘリが墜落したにもかかわらず夏休みを理由に現場に足を運ぼうともせず、
また知事に会おうとしなかった事に対する世論の反発をこれ以上刺激しないほうがよいと飯島秘書官に耳打ちされたのか、
低姿勢に終始し蚊のなくような弱弱しい声で「強い憤りの念と県民の率直な気持ちをうかがって当然だなと思った。
沖縄の基地問題は日本政府全体の問題だ」と理解を見せた振りをしてみせたが、
どうしたら米国にわかってもらえるかなどと今後の対応についてはまるで人ごとのようにふるまい、
北方領土視察には気軽に出かけるのに「出来るだけ早い時期に沖縄に来て基地の現状をつぶさに見ていただきたい」という稲嶺知事の要請に返答を避けている。

 今度の事件に対しては、どのメディアも日本に主権はあるのかと憤り、
日米地位協定はもはや運用で対応する事には限界があり改定する方向で米側と交渉すべきであると主張する。
それにもかかわらず「今の段階では地位協定を抜本的に改める必要は無いと判断している」(高島肇久報道官)、
「米軍の対応は遺憾ではあるが合法的である・・・」(沼田沖縄駐在大使)と日本政府は本腰を入れて米側と交渉する気は無い。
要するに政治家も官僚もまるでやる気はなく、マスコミも口では威勢のいいことを言って誰も本気で政府に迫ろうとしないのである。
できっこないと思っているのである。ここにこの国のどうにもならない閉塞感がある。
沖縄の住民がいかに不当さを訴え怒っても誰も本気で日米関係を変えようとしない。
そんなことは無いのである。小泉首相が国民の気持ちをブッシュ大統領に伝えればよいのである。
ブッシュ大統領も日本の国民を敵に回す事は出来ないのである。米国にキッチリと日本国民の考えを外務省が伝えれば動き出すのである。
ただそれをしないだけの事である。そうすれば米国の機嫌を損ねるという虚像に惰性で屈しているだけなのである。
日本の政治家、官僚は今の日本の最大の不良債権であるのかもしれない。


 その米国とはどんな国か

 私は知らなかったのだが、26日付の朝日新聞で舟橋洋一が書いていた。
奇跡の逆転と米国メディアに持ち上げられた体操個人総合優勝のポール・ハムの得点は判断ミスであったらしい。
金メダルは韓国の梁泰栄選手に与えなければならないところだったという。
これに関する米国メディアの論調は韓国チームとコーチが再審査手続きをとらないのが悪い、英語を満足に話せない彼らが悪いと言わんばかりだったという。
 その夜舟橋氏はタクシーの運転手と口論する
 「ハムがメダルを梁に返しますといえばハムは一躍英雄になったのに」
 「審判の決定はどんなにおかしくても、決まった以上それに従う以外にない。
4年前の大統領選挙もそうだった。それにもし彼がそれを望んだとしても、そんなことを勝手に言えばコーチにしかられるであろうし、
国民からも反撃を食らうであろう。怖くて言いだせないのじゃないか」

この記事を読んで私はかつて米国で読んだゴルフ雑誌の事を思い出していた。その雑誌には世界各国のゴルファーに様々な質問をした答えの比較が載っていた。
その問いの中の一つに「もしあなたが上司と一緒にゴルフをしていて上司の不正を見つけたときに注意しますか」という問いがあった。
そして思わず苦笑させられたのは「注意しない」ともっとも多くの人が答えていたのが米国であった。
その答えがふるっている。上司の機嫌を損ねてクビを切られるのは馬鹿げているからという。
興味深い事に開発途上国の人ほど正義感が強い結果になっていた。
日本は米国についで二番目に沈黙する国であった。

http://homepage3.nifty.com/amaki/pages/ns.htm

*8月25日分は「戦争版」に…

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