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2004.8.24
Q君への手紙(PART3[31])
マスコミによってつくられた偏見と固定観念の恐ろしさ、そして学歴エリートの危うさについて
「偏見は判断を持たない意見である」(ヴォルテール)
Q君。マスコミによって国民の中につくられる偏見と固定観念の恐ろしさを、最近、経験したので、今日はこのことを書きます。
8月20日夜、35名ほどの会で講演しました。この話の中で、前々日の8月18日に高知県西南地方での体験を話しました。すでにホームページで書いたことですが、足摺岬から幡多郡三原町への道が土砂崩れのために塞がっていて通行できませんでした。やむなく、かなりの回り道をして目的地に向かいました。しばらく前の災害で受けた傷跡が復旧されずにそのまま放置されていたのです。地方にはこういうところがあるという話は聞いていたのですが、実際に体験したのは初めてのことでした。「田園将(まさ)に蕪(あ)れんとす」という状況にあるのです。おそらく財政難のために修理ができないのだと思います。私は8月20日の講演の中で、自分の体験、それもわずか2日前の体験をそのまま話したのです。「地方の痛みはここまできている。地方をないがしろにする政治は誤っている」、と。
ところが、その直後、おそろしいことを体験しました。講演が終わって会食に移った時、聴衆の一人が私のところにやってきました。「質問がある」というのです。「どうぞ」というと、「森田さん、あなたの話は信じられない。道路が土砂崩れのまま放置されているなどということが、この日本で現にあるなどということはとうてい信じられない」というのです。質問者は40代の、おそらくビジネスエリートでしょう。学歴エリートなのだと思います。食い下がって頑張るのです。私が「自分の目で見、経験したことを話しただけです」と言っても引き下がらないのです。困りました。私は2日前の自分の体験を話しただけです。事実を話しただけです。それを「信じられない」と言い張るのです。「そんなにこだわるのであれば、あなたご自身で見に行ったらどうですか」と言っても引き下がりません。このため食事会を始めることができず、皆さん困っていました。司会者に促されて彼は渋々私のところを離れ、帰って行きました。最近、自信過剰な人が増えてきました。
Q君。実はこのような「自信過剰の塊」のような若い学歴エリートはかなりいます。私はこれまでも時々このような体験をしてきました。自分が観念的に信じたことを絶対に改めようとしないタイプの学歴エリートがかなりいます。しかし、これほど食い下がられたのは初めての経験でした。謙虚さや柔軟な思考能力が衰えているのかもしれません。
Q君。もう一つあります。これは最近よく経験することです。私が8月13日の沖縄の米軍ヘリ墜落事件を取り上げ、小泉内閣の過度の対米従属姿勢を批判したあとのことでした。私は「このような政府の従米姿勢は、国民の中の反米意識を高めることになり、結局は日米関係に悪影響を及ぼすおそれがある。政府は毅然とした対応をすべきだ」という趣旨の話をしました。同時に、「自分の国は自分で守る」ことは当然であり、最近の新聞報道によると、政府の責任ある閣僚が「自分の国は自分で守るという考えは間違いだ」と言ったというが、これは倒錯したおかしな考え方だと批判しました。
Q君。この問題についての質問でした。私が理解した質問の趣旨は、「日本政府の自立的な行動を米国政府は許すのか。そんなことをしたら、日米関係は悪化するのではないか」というものでした。「米国政府が日本政府に対してすべての問題について米国の言うとおり従え、従わなければ許さないという態度をとっている限り、日本政府が米国政府に少しでも逆らうことは危険ではないか」という前提があるように私には感じられました。
私の答えはこうでした。「日本政府が日本の立場を主張するのは当然のことだ。初めから米国政府をおそれて何も言わないのは独立国ではない。日本が少しでも自己主張をすることを米国は許さないと思い込むのは病的だ」と答えました。さらに私は、「最近、『日本を米国の一地域にしてしまおう』という動きが目立っているが、これは大間違いだ。500年後、1000年後も日本は日本として生きていくべきで、将来の日本国民の自由を縛るようなことはすべきではない」と言いました。
ただし、この質問者は謙虚で柔軟な思考の持ち主のように見えました。私の話を素直に聞いてくれました。
Q君。おそるべき固定観念が東京のエリート層の中にあります。「米国政府は日本政府が少しでも自主性を発揮するのを許さない」と言うエリートがかなり多いのです。こう言う人もいます。「そんなことをすれば米国は日本を武力で攻撃する。日本はイラクと同じことになってしまう」。小泉内閣支持者の多くがこう主張します。私は時々言います。「日本が米国の奴隷にならなければ米国は日本国民を許さず、また原爆を落とすというのか。そんなことはあり得ない」、と。
おそらく小泉内閣支持者は、小泉首相の過度の従米姿勢を擁護するために、極端なことを言っているのだと思います。そうでなければ、明らかな誇大妄想狂にとらわれているのです。小泉内閣支持者の米国観は常軌を逸しています。病的です。
ここに小泉政権の本質があります。小泉政治は日本を米国の属国にしてしまう政治なのです。日本の政治は米国恐怖症という病に罹っているのです。この意味で、今の日本は大変に危うい状況にあると思います。
今、日本に必要な政治家は、米国に対して堂々と日本の国益を主張することのできる勇気ある政治家です。今のところ、その勇気のある政治家としては、亀井静香元政調会長、加藤紘一元幹事長、古賀誠元幹事長、二階俊博「新しい波」会長、荒井広幸参議院議員らです。このほかに見当たらないのは大変残念なことです。
Q君。君も有名大学出身の高学歴エリートですから、はっきり言って申し訳ないのですが、高学歴エリートには常識的でない人物が少なくないと思います。あえて言えば、非常識です。時には病的です。彼らは経験と経験にもとづく知恵を学ぶ必要があると思います。これらの欠点だらけの学歴エリートがマスコミには多いのです。マスコミの危うさの原因はここにあります。