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【矢野絢也の永田町一刀両断】
2004年8月17日 掲載
民主党に「波乱の芽」
http://www.gendai.net/contents.asp?c=021&id=15635
U死に体”小泉に塩を送ってどうする
首相は約2週間の夏休みを満喫中だ。「ごろ寝しながら、頭を空っぽにする。オリンピックの日本選手を応援しようかな」と言う。別に休暇が悪いわけではない。リフレッシュすることも大事だが、中小企業の経営者やリストラされたサラリーマンからは「オリンピックだけじゃなくて、われわれの応援もしてほしい」とぼやく声が聞こえてくる。
国会議員はというと、夏の海外視察に大挙出動だ。衆院は約100人、参院は約75人がお出かけである。その予算は衆院約3億3000万円、参院約2億円。自民党の幹部は「これからの政治家に必要なのは国際感覚だ。民主党の出方をうかがう絶好のチャンスでもある」と言い、野党の幹部は「決してなれ合いではない。これからの政局変化に備え、諸外国の行政・立法のあり方を勉強し、政権奪取のため与党の腹も探らなければならない」と半ばムキになって外遊の意義を強調する。といっても行き先は欧州が中心。面会相手がバカンス中で、仕方なく役所を形だけ訪問してお茶を濁す、というのも結構多いらしい。公費による物見遊山、観光、与野党なれ合いという批判が相当強いのも当然だろう。
そんな政界でこれから注目されるのが、参院選で躍進した民主党の動向だ。「ぬるま湯政治にカツを入れ、ごまかし改革の化けの皮をはがしてほしい。われわれの生活を守ってほしい」という期待が庶民にはある。
だが、今月9日の岡田克也代表と小沢一郎前代表代行との会談では、ぎくしゃくしている関係を修復して挙党体制をつくりたい岡田氏の意向は空振り。会談は30分足らずで、小沢氏は岡田支持を留保する構えすら見せた。参院選投開票日に岡田氏が早々と代表選への出馬表明をしたのは、慢心で思い上がっていると小沢氏は見ているようだ。
岡田氏にしてみれば、小沢氏が代表就任を土壇場で拒んだため、「やむを得ず代表に就任した」という思いもある。同党幹部は「このところの小沢氏の仕打ちは殺生や、と岡田は恨んだ」と言う。「きまじめな岡田のことだけに、代表を投げ出すかも」という見方も出ている。まさかと思うが、早々と波乱の芽生えと見る向きもある。
もっとも、時代は小沢流では通用しなくなった。参院選では、素朴な岡田氏が小泉首相のおふざけを際立たせたことが、民主勝利の大きな一因だったことを民主党は忘れてはならない。内輪もめは自殺行為であり、死に体の小泉首相に塩を送ることになるだけだ。