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★岡田代表「9条改正」講演、中堅・若手は「9条重視」勉強会発足
憲法九条をめぐり、民主党内のきしみが目立ち始めた。岡田克也代表は先月、米国での講演で、国連決議があれば海外での自衛隊の武力行使を認める、と九条改正を打ち出した。一方、二日には「九条重視」を打ち出す中堅、若手議員の勉強会が発足した。寄り合い所帯は改憲論議という「踏み絵」を乗り超えられるのか。
★改憲論議スタート どうなる党内合意
「政権党へ正念場」「分裂も」
二日、衆院議院会館で開かれた民主党内の「リベラルの会」設立総会には、五十人近い衆参両院の議員が参加した。原則的には衆院は当選回数三回以下、参院は二回以下を入会条件としている。
同会が掲げる基本的な考えは方は▽憲法九条の精神を世界に広め、生かしていく▽自衛隊は専守防衛に徹し、一部の国を敵国扱いすることとなる集団的自衛権は行使せず、国連改革とともに国連を中心とした集団的安全保障の確立を目指す─となっている。
設立総会で代表世話人の一人、生方幸夫衆院議員は「九条の一語一句を変えるなと言うのではなく、その精神を生かして二十一世紀の外交を続けていかなくてはいけない」と強調した。同じく近藤昭一衆院議員は「新しい派閥、グループができるんじゃないかという言われ方もしているが、憲法論語が深まる中、きちっと勉強しようという会だ」と説明する。
一方、同党の岡田克也代表は米国での講演で「自衛隊が米国と共同して軍事力行使を世界中で行えるようにすべき、との意見もあるが私は反対だ」としたうえで「しかし、私は従来の野党のような護憲論者ではない」と九条改正是認の姿勢をぶち上がりばかりだ。
民主党の中の食い違いはそれだけではない。前参院議員で、民主党憲法調査会の相談役も務めた平野貞夫氏は「憲法をめぐって党内に四つほどの態度があり、混乱している」としたうえで、次のように語る。
「岡田氏は憲法を一字一句たがえずに言葉通りに運用するべきで、それに合わない事態の対応するには憲法を変えるべきという東大の宮沢(俊義元教授・故人)憲法の流れだ。米国での発言は岡田のくせが出た」
この岡田氏の発言に対し、小沢一郎前代表代行は「憲法改正は直ちにはできない。政権政党として現実にどう対応するかが問題だ。(岡田氏の)発言は理解に苦しむ」と批判した。小沢一郎前代表代行に近い立場の平野氏は、その姿勢を「現実の事態に則し、憲法の限界を見極めながら、どこまで国際社会への協力をやっていけるか。その解釈運用をやっていくのが政治だ」と主張する。
さらに平野氏は「前原誠司衆院議員(同党『次の内閣』外相)らは、もっと過激だ」と話す。前原氏は二〇〇一年に、石破茂・現防衛庁長官らと集団的自衛権行使などを掲げる超党派勉強会の呼び掛け人になるなど、岡田氏よりさらに踏み込んだ形での改憲論者だ。対照的に「リベラルの会」のようなハト派潮流もある。
平野氏は「改憲をめぐっては、党内の議論が先鋭的になるのと同時に、自民党からも社民党からも手を突っ込まれ、さらに混乱する可能性がある」とし、こう続ける。「国民が納得できる形での党内合意をつくっていけるかどうか、民主党が政権政党になれるか否か、の境目だ」
政治評論家の森田実氏は「岡田氏が今の方向性で進めようとすれば、党分裂もありうる」と述べ、現状をこう分析する。
「憲法改正ムードの後ろでかじ取りをしているのは米国だ。現在進めている米軍再編と合わせ、集団的自衛権を明確に肯定する憲法改正により、米ソ冷戦下での韓国の役割を日本に負わせようとしている。岡田党首がそのような方向の改憲に前のめりになれば、党内で国民の支持が得られないと反対の声も強まる。正念場が来ている」