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(回答先: 「米国政府が憲法改正を日本に求める真の狙いは徴兵制である」(森田実の時代を斬る) 投稿者 ラクダ 日時 2004 年 7 月 31 日 06:24:36)
http://www.ichimy.com/cgi-win/kiji/kiji.dll/show?kijicd=kiji-20040216040008-QKHESFRUUN&uid=
2004/02/16 (産経新聞朝刊)
【正論】拓殖大学教授・森本敏 正論通らぬ社会の疲弊を憂える取り戻そう、日本伝来の良き規律 ≪深刻な「恥の文化」の喪失≫( 2/16)
「正論」とは何か。わたくし的に言えば「正論」とは至極、当然で筋の通った所論のことである。強弁とか奇論の類が正論足りうるとは思わない。では何故(なにゆえ)「正論」欄があるのか。それは世に「正論」なるものを提起し、啓発する必要があるからである。また、「正論」を認識したとしても、それが世に通らないことが多いので「正論」がまかり通るような社会を実現するためでもある。
何故、「正論」が世に通らないのか。それは問題意識が薄いか、あるいは問題に気が付いても実行しない人が多いからである。また、「正論」を実現するための法・制度・政策・仕組みがないか、不十分であるためでもある。要するに「正論」を理解する素地がないか、聞く耳を持たない人がいるためである。こういう類の人に「正論」は通じない。ところが、それが地位ある人や有名人の中にいるから始末が悪い。また政府に反対し、米国に反対することが進歩的文化人の証しであるかのように信じて疑わない言論人がいるから日本人の思考基準が狂ってきたのである。
「イラクは危険だから自衛隊を行かせるべきでない」「戦地に自衛隊を派遣するのは憲法違反」という議論は思考基準がずれているとしか言いようがない。基準のずれた人は他人の意見を聞かないので「正論」が通らない。また、問題は分かっているが「みんなで渡れば怖くない」式の馴(な)れ合い社会も「正論」が通らない。「おかしいと思いながら皆がやっているので自分もやってきた」ことが近年、どれだけ多くの事件・事故を生んできたことか。地位ある人が記者会見で謝罪文を読み上げ頭を下げる場面をどれだけ見てきたことか。もっとも社会には本気で悪いことを企(たくら)んだり、悪事を働いたりする人が居ることも確かである。
いずれにしてもこの「恥の文化」の喪失は深刻である。伊東市の成人式における若者の狼藉(ろうぜき)を見る限り最早(もはや)、日本の良き伝統ある規律社会はなくなりつつあるとしか思えない。利己主義と拝金主義だけの社会は暗黒社会である。
日本社会はどうしてこんな状態になったのか。その原因は何か。人は教育が悪いという。マスコミが悪いという。ついでに政治家も悪いという。しかし、これらに従事するのは全て同じ日本人ではないか。社会全体の弊害が一握りの人の原因によるものなどということはありえない。我々全員の責任であるに決まっているのである。
我々は日本の良き伝統を取り戻すべきである。規律と礼儀を重んじた日本人の良さを取り戻すべきである。しかし、家庭や学校に若者のしつけを期待することはほとんど無理である。きれいな漢字さえ満足に書けない大学生にどうしつけるというのか。
≪成人前の奉仕活動も一案≫
例えば、大学には最近、授業評価という制度があり講義後に無記名で学生が講義の評価をすることになっているが私への評価で最も多いのが「こくばんの字がきたない」というものである。そう書いている字の方が私よりはるかにきたない。しかも「黒板」という漢字が書けない。講義する先生への関心も薄い。今学期、私への授業評価に「この講義は語り口が良い。さすが芸能人」と書かれた。人をなんだと思ってる。こんな講義は続けられるか。
今日、日本社会を良くする手立ては若者を改めて教育する手段を講じるしかない。年配者に問うと徴兵制の復活を口にする。これには賛成できない。しかし、成人になる前後の一定年齢間に半年間、自発的・任意的に自衛隊で教育・訓練を受けるか、あるいは、公共の社会奉仕訓練を受けて社会に出るシステムを作る方法はないものか。
≪国家資格制の導入検討を≫
厳しい訓練・奉仕と共に人間として基本的な規律・礼儀・挨拶・容儀・服装・作法だけでなく、日本の法律・政治・経済・社会・文化などについて基本教育を施すことは日本社会と日本人の規律を取り戻す効果的な手段であるに違いない。これは従来の体験入隊とは異なり、組織的に明確な目標を設定して段階的な訓練を行いつつ、国家資格を付与する制度を確立すべきである。
もっとも、これを徴兵制の復活と反対する人が多かろう。しかし、企業が争ってこのコースを出た若者を採用したり、このコースを出ることを採用条件にする企業が増えれば問題は解決する。日本社会の良き規律を取り戻すことは今日生きている者が是非とも実現すべき義務であり責任でもある。その制度を作ることは当面の急務であろう。
(もりもと さとし)