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【矢野絢也の永田町一刀両断】
2004年7月21日 掲載
「政権浮揚策」探しに必死の小泉首相の焦り
http://www.gendai.net/contents.asp?c=021&id=15312
小泉首相は会見で「この逆風の中、よく健闘した」と語った。自民党有力者は「健闘ねえ? 負け惜しみだな」と苦笑し、「その逆風も『いろいろ』発言など首相自らが招いたものも多いのに」と言う。もっともだ。
開票日、刻々と伝わる自民苦戦、民主躍進の報に、安倍晋三幹事長は「参院選は中間選挙的に国民の声を聴くもので、それを踏まえて首相が政局運営すればいい」と、いち早く首相の責任論を封じた。
これに呼応して、首相サイドからの安倍氏と青木幹雄参院幹事長の慰留も早かった。投開票日の夕、森喜朗前首相は安倍、青木両氏とホテルで会食し「首相は青木さんに参院の中枢にいてほしいと言っている」「安倍君が辞めると青木氏辞任にもつながりかねない」と首相の意向を伝え、いったんは辞意を漏らした安倍氏も「9月の党人事の際に責任を取りたい」と、とりあえずは両氏の責任辞任はなくなった。密室で相互に責任回避、かばい合いをやった、というわけだ。
自民党幹部は「首相は両氏の辞任が首相責任論に発展するのを抑えたい切羽詰まった気持ちだった」と言う。国民には「また密室で」とウサン臭い印象が残った。
一方、岡田民主党の前途も楽観はできない。古参議員の岡田氏を見る目は冷たい。「勝ったのだから今は黙るが、岡田氏は暫定だ」と語る議員が古手にも若手にもいる。岡田氏周辺は「度し難い連中だ」と嘆くが、ある意味では、自民党と変わらない体質の部分が同党にはある。また自民党議員は「きまじめ岡田のイメージだけでいつまでも国民の共感が長続きするとは思えない」という。民主党執行部の1人は「きまじめ岡田で行くしか他に妙手があるわけではない。それが“おふざけ小泉”と対照的になるから、きっと良い結果になる」と見ている。
一方、小泉首相は、無党派層の引きつけが、政権浮揚力回復の道だと信じている。9月の内閣改造でサプライズを演出し、郵政改革や来年度予算で新味を出したいらしい。だが官邸関係者は「心配はある。抵抗族が反対してこそ、小泉改革が“きらめく”のであって、今の自民党のように何でもごもっともでは、首相と与党のなれ合いの印象で、インパクトが弱くなる」と妙な心配をしている。そんなわけで、小泉首相は、大マジックをめざし、「うそでもいいから改革ごっこ」(官邸記者)ということらしい。
だが今は金利上昇、素材価額の上昇、中国のバブル拡大に対処する金融引き締め、アメリカ大統領選挙の動向など、経済は微妙な変わり目にある。あまり焦り過ぎて「殿、ご乱心」で日本炎上になっては大変だ。