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自民党:
参院選敗北で憲法論議失速も
「自民敗北、民主躍進」の参院選を受け、自民党内の改憲派が当惑している。2大政党化がさらに著しくなり、「改憲に不可欠な民主党内の同調が得にくい情勢になった」(自民党幹部)からだ。改憲派は衆参両院の憲法調査会が最終報告書をまとめる予定の来年5月に向け、環境作りを進めたい考えだが、改憲に慎重姿勢を崩さない公明党への気配りも必要で、自民党主導の憲法論議は失速する可能性がある。
参院選では共産党が大幅に議席を減らし、社民党を合わせた護憲勢力はさらに少数派に追い込まれた。しかし、民主党の躍進で、自民党憲法調査会幹部は「民主党は自民党との対決姿勢を鮮明にし、憲法論議よりも政権交代を優先させる」と予測。「これで憲法改正は遠のいた」と嘆く。
憲法改正は各議院の総議員の3分の2以上の賛成が前提。同幹部は「次期衆院選を改憲選挙と位置付ける」→「選挙後に民主党内の改憲派を巻き込んで発議」とのシナリオを描いていたが、民主党の一部の取り込みが難しくなったというのだ。
民主党の岡田克也代表は15日のCS放送番組で「9条は非常にわかりにくい条文で書き換えればいい」と述べた。同党からは「憲法改正の主導権はこちらが握るという意味を込めた発言」(幹部)との解説が流れ、同党は今後、集団的自衛権行使の容認に慎重な点など、自民党との考え方の違いを強調していくとみられる。
一方、自民党にも「改憲どころではない」との雰囲気が広まっている。選挙中、青木幹雄参院幹事長は「憲法論議は政権が安定していなければできない」と繰り返したが、小泉政権の行方には暗雲が漂いかねない。また、自民党が選挙区で公明票に頼ったことにより、公明党の与党内での影響力が高まることは必至。同党幹部は「自民党の好き勝手はさせない」とけん制しており、自民党の改憲派が八方ふさがりになりかねない状況だ。
【宮下正己】
毎日新聞 2004年7月19日 18時07分
http://www.mainichi-msn.co.jp/seiji/seitou/news/20040720k0000m010011000c.html