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森田実氏提言「民主党は雇用対策に取り組め」
http://www.asyura2.com/0406/senkyo4/msg/585.html
投稿者 スタン反戦 日時 2004 年 7 月 18 日 17:33:38:jgaFEZzEmIsYo
 

※ 参院選と今後の政治(森田実の時代を斬る)
http://www.asyura2.com/0406/senkyo4/msg/548.html
の続きです

http://www.pluto.dti.ne.jp/~mor97512/C0765.HTML

2004.7.16
Q君への手紙(PART3[3])

地域草の根保守の崩壊と自民党の危うい未来

「人間の小さな事柄に対する敏感さと大きな事柄に対する無感覚とは奇妙な対照を示している」(パスカル)

 Q君。7.11参院選を分析すればするほど、自民党は弱くなったと感じます。自民党が次の総選挙で政権を失う可能性はきわめて高くなったと私は思います。次の総選挙では自公連合でも民主党に勝つことはできないと私は思います。

 しかし、自民党には危機感が感じられません。自民党議員は無気力です。どうしてこんなに無気力なのか、疑問です。

 自民党の国会議員の多くは、小泉首相が示した9月の内閣改造での入閣を期待して小泉首相への批判を控えている――との新聞記事を読みました。ほとんどの新聞がそう書いていますから事実なのでしょう。本当だとすれば、情けないことです。

 自民党国会議員の多くは次の総選挙では自力によってはほとんど当選できないほど、自民党の政治基盤は衰えているのです。今の衆議院議員の任期は2007年11月9日です。あと3年4カ月残っているとはいえ、首相には解散権があります。2005年に入れば、政権の危機がきます。いや、もっと早いかもしれません。いつ解散・総選挙になっても対応できるようにしておかなければなりません。自民党議員が直ちに取り組まなければならないのは政治基盤の立て直しでなければなりません。

 しかし、このことがわかっている人はごく少数のようです。大多数の自民党国会議員は事の重大性を理解していないように見えます。

 事態の深刻さを理解している政治家のなかには、将来への希望を失い、政治家人生の幕引きを考え始めている人すらいます。真面目な政治家ほど悩みは深いのです。
 Q君。君もご存じのとおり、私は2001年4月中旬から小泉政治批判を始めました。01年4月中旬といえば、まだ自民党総裁選のさなかでした。その時、新聞は「橋本優勢」と書いていました。「小泉劣勢」と見られていました。

 しかし、私は4月中旬、ある情報を得ました。「米共和党政権筋から日本の政界に対して“橋本でなく小泉”のサインがきた」との情報です。調べてみると、政界の深部では「橋本から小泉へ」の動きが生まれていました。中曽根元首相と塩川正十郎氏が中心になって森派と江・亀派の間で政策協定による小泉一本化の話が進みました。地方遊説中の亀井静香氏は梯子を外されてしまったのです。江・亀派の大多数が亀井氏の出馬辞退を求めたのです。亀井氏は屈辱に耐えて同派の決定に従い、下りました。森派と江・亀派の間で形式的な政策合意文書が調印され、小泉総裁の条件が整いました。

 ここで「小泉総裁・総理」が決まったのです。米政界と日本政界の深部におけるつながりが動いた結果でした。小泉政権は米共和党政権の干渉のもとでつくられた政権なのです。

 私が小泉政権が発足する前から小泉政治批判を始めたのは、小泉政権が今までにないほど米国政府に従属的な政権になると判断したからです。小泉首相は本質的にはブッシュ政権の「日本省長官」ともいうべきものだと私は捉えていました。これは今日も変わりません。

 Q君。あれから3年3カ月、私は、一日も休むことなく小泉政治批判をつづけてきました。世間が小泉礼賛で興奮状態にあるときも、私は小泉政治批判をつづけてきました。小泉政治は日本を破滅させると訴えてきました。主な批判点は次のとおりです。

 (1)小泉政権は日本の国益以上に米ブッシュ政権の利益を重んずる「従米政権」である。小泉政権の存在そのものが日本の国益を侵害している。
 (2)小泉構造改革は「創造なき破壊」であり、1960年代末から中国で吹き荒れた中国文化大革命と同じ性格の「破壊的革命」である。日本の良き伝統とすぐれた社会的経済的システムを破壊するものだ。米国的グローバリズムは日本にとって百害あって一利なしである。
 (3)小泉構造改革、三位一体改革、市町村合併推進政策は、地方社会つぶし、地方自治体つぶしである。小泉構造改革は東京一極集中を促進し、地方・地域を破壊する。
 (4)デフレ不況下で政府がなすべきことは景気対策であるのに、景気をさらに悪化させる政策ばかり推進している。小泉構造改革の三本柱である不良債権処理、緊縮財政、特殊法人改革はいずれも景気が回復してから取り組むべき政策であるのに、不況下で強行した。竹中氏は日本の破壊者である。米国政府の利益の代弁者である。
 (5)小泉内閣は失業者が増えても失業対策を行おうとしない冷たい内閣である。犯罪がどんなに増えても犯罪対策に真面目に取り組もうとしていない。社会的経済的不均衡がどんなに拡大しても、不均衡を是正しようとせず、対策すら考えようとしない冷酷な政治を行っている。
 (6)必要な社会資本の整備は政府の責任で行わなければならないことである。それにもかかわらず、小泉首相自らがあたかも公共事業が不要であるかのごとき誤った世論を煽り、それに乗って公共事業削減を行ってきた。
 これらの政策は大いなる過ちであり、日本を破壊する。

 Q君。この3年3カ月、私は以上のような観点から小泉政治批判に取り組んできました。7月11日の参院選の結果は「小泉政治の敗北」でした。選挙区選挙での自公連立与党勢力の合計得票数は全投票数のわずか39%でした。61%が反小泉票でした。小泉政治の敗北は明らかです。比例代表選挙では自公連合の得票率は45%、民主党など野党は55%でした。小泉首相の大敗北です。小泉首相はこの事実を率直に認め、自らの非を国民に謝罪し、退陣すべきです。

 Q君。自民党の全議員が参院選敗北の事実を率直に認めるべきです。そして今まで誤った政治をしてきたことを国民に謝罪すべきです。その上で指導部の責任を明らかにしなければなりません。しかし、今の小泉自民党は選挙で負けても平然として国民の意思に背く方向に動いています。驚くべき非民主的体質の政党になっています。昔の自民党はもう少しましな政党でした。

 小泉首相は明らかに「開き直ろう」としています。小泉首相の表情、目つきは異常です。冷静さを失っています。竹中金融相も興奮しきっています。この二人は国民の審判を無視して暴走するおそれがあります。政治の暴走は止めなければなりません。自民党議員は目を覚ます時です。民主党議員も小泉内閣の異常性を自覚すべきです。

 Q君。7月14日朝のテレビ朝日「スーパーモーニング」における私の発言について、温かいお言葉をいただき、深く感謝します。 


http://www.pluto.dti.ne.jp/~mor97512/C0766.HTML

2004.7.17
Q君への手紙(PART3[4])

ワシントン、ニューヨークの参院選への反応――酒井吉廣さんの話

「この世の中で一番むずかしいことは自分自身を知ることである」(ターレス)


 Q君。7月17日朝、ワシントン、ニューヨークで研究生活をつづけている酒井吉廣さん(『逆プラザ合意』の著者)と電話で話しました。米国の7.11参院選結果に対する反応について酒井さんの話の要点を紹介します。

 《米国指導者の反応は冷静です。参院選直前、私は知り合いの上院議員と懇談しました。彼は「ミスター・サカイ、コイズミのイラク派兵決定はデモクラティックに行われたのか」と聞いていました。私が「国会の手続きは行われたが、国民の多数は納得していないと思う。本心は反対ではないかと思う」と答えると、「やっぱりそうか」と言っていました。

 自民党苦戦の情報は事前に米国にも入っていました。自民党は苦戦したが、公明党が自民党内にフィックスされて、自公合計では民主党を上回った。全体として小泉構造改革の流れに変化はない――これが米国の受け止め方です。

 それに、米国側から見ると、民主党には政策らしい政策がない。英文にしてみると、自民党と民主党の政策にはほとんど違いがない。民主党は年金財源のため増税すると主張していますが、米国の政治のプロから見ると、年金のための増税という政策はナンセンスです。自民党は支給額を下げるとの主張ですが、いずれも国民の負担を増すものです。増税政策は支持されないというのが米国の見方です。

 小泉首相が苦戦した原因は「小泉首相のおごり」にあるというのが米国側の見方です。米国は民主党に将来性があるとは見ていません。民主党には自民党と対決する政策がないからです。

 米国から選挙結果を見ますと、やはり失業率の問題が大きかったのかと感じます。都道府県別得票率を見ると、失業率の高いところほど自民党の得票率は低い。民主党が失業問題を重視すればチャンスは来ると思いますが、今のままの政策では政権交代はむずかしいと思います。

 日本の政界は小泉首相に代わる人がいないのではなく、自民党に代わる政党がない。だから日本は変わらない――と、米国は見ているのです。》

 Q君。以上の酒井さんの話を君の親しい民主党議員に伝えてください。民主党に自民党と違う政策を研究するよう勧めてください。

 Q君。私は民主党の今の実力を「40点」と採点しました(7月11日夜のFNN選挙特番と7月16日夜の朝日ニュースター「ニュースの深層」)。繰り返しますと、昨年11月9日の総選挙での獲得議席率は37%、今回の参院選での獲得議席率は43%――この平均値は「40」ということです。

 民主党が自公連合に勝つためには「40」を「51」に高めなくてはなりません。これは7月11日夜のFNN選挙特番でも話したことですが、民主党が政権獲得に向けて直ちに実行すべきは次の三点です。

(1)すぐれた人材を結集すること(すべての小選挙区で早めに候補者を決める必要があります)
 (2)自民党に対抗するための総合的な政策を立案すること(これを全国的に広報する仕事に直ちに取りかかることが必要です)
 (3)民主党の選挙組織を全国各地につくり上げること(今後は地方自治体選挙での自公民協力をやめ、民主党として独自の候補を立てて戦うことが必要です)
 民主党がこの3課題を実行すれば、次の総選挙で民主党政権を樹立することは可能になると思います。

 Q君。君の親しい民主党議員にぜひ伝えてください。「雇用問題を重視せよ」、と。失業率の高いところで、地域草の根保守がより弱体化しているのです。

 民主党は、今回の参院選において新たな農業政策を打ち出し、成果を上げました。鹿野道彦元農相(民主党衆議院議員)らが中心になって作成したのです。

 今度は雇用です。働く人たちのための政策です。これを“ダラ幹”揃いの連合中央に任せたらいけません。各地域でそれぞれの基礎的労働組合を巻き込むべきです。失業問題に鈍感なままでは民主党政権は永遠に夢と終わるでしょう。

 地域に雇用を創り出すためには地域経済の再生をはかる必要があります。その鍵は公共事業です。これに民主党は真正面から取り組んでほしいと思います。公共事業に対する偏見を改めるべきです。すべての国民を幸せにするおおらかな政策を打ち出すべきです。

 自民党国会議員が小泉構造改革の共犯者になることによって捨て去った“郷土愛”の旗を民主党が担わなければならないと思います。

 政治家にとって大切なのは、人間を愛する心、平和を愛する心、祖国を愛し郷土を愛する心です。小泉政治が捨て去った「温かい政治」を民主党が担わなければならないのです。「冷たい小泉政治」に代わって「温かい岡田政治」をつくり上げてほしいと願います。


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