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社説:躍進・民主 気づけばずらりと労組系
http://www.mainichi-msn.co.jp/seiji/senkyo/news/20040717k0000m070169000c.html
躍進したというのに、参院選が終わった途端に民主党が目立たなくなっているのはなぜだろう。
岡田克也代表は「自民、公明の塊でみると力が足りなかった。今は政権交代への一つのステップに過ぎない」と言う。反省の弁が聞かれない小泉純一郎首相と比べれば、きまじめな発言ではある。確かに自公両党では60議席。50議席の民主党は及ばなかった。
だが、参院選で示された民意は「今の小泉政治はノー」である。それに応えるとすれば、民主党はまず「小泉内閣を倒す」と、もっと大きな声を上げるべきだ。あらゆる手段を講じて衆院解散・総選挙に追い込んでいく。そんな迫力が不足していないだろうか。
有権者の気持ちとの落差という意味で、もう一つ見逃せない点がある。19議席取った比例代表で、8人の労組系候補がずらりと上位に並んだことだ。
民主党が比例代表で獲得したのは2100万余票。このうち個人名を書いた人は18%足らずであり、連合傘下の組合幹部ら労組系候補の名を書いた人となると8%に過ぎない。それにもかかわらず比例代表の4割以上の議席を占めた。民主党に党名で投票した多くの有権者には、これは予想外の結果と映ったはずだ。
参院選は一部を除けば、衆院に比べ候補者の知名度が低く、「候補者より党」で選ぶ傾向が見て取れる。16万〜30万の個人得票で8人が当選したのは、他に大量得票する候補者がいなかったことに救われた形である。
労組系候補すべてを否定するわけではない。若い人材を国会に送り出そうとしている労組もある。だが、サラリーマンの組合離れが続き、「組合員の多くは無党派層」というのが実態ではなかろうか。民主党の参院議員ポストが、労組幹部の再就職先、名誉職的な指定席になっているというイメージが定着しては、無党派層の期待を裏切ることになる。
51歳の岡田氏は若さと世代交代をアピールした。岡田氏は参院選マニフェストで、政官業癒着という自民党体質を批判し、「既得権益を守るために『政治を私する』ゆがんだ現状と決別しなくてはいけない」とも宣言している。
資金やポスター張りなど選挙の実務で労組の支援は欠かせないという声はある。しかし、これでは業界団体に頼る自民党と余り変わらないではないか。
有権者は民主党への政権交代を求めているのか、単に小泉自民におきゅうを据えようとしただけなのか。どちらにしても、今回の参院選で有権者は、岡田氏に代表される民主党の新しい顔に期待を寄せたはずだ。
次の決戦の場である衆院選、とりわけ、候補者の顔が見えやすい小選挙区は、候補者同士の力比べでもある。新しい風をアピールできる候補者をどれだけそろえることができるのか。それが政権交代への大きなカギである。
毎日新聞 2004年7月17日 0時20分