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2004.7.14
Q君への手紙(PART3[1])
参院選と今後の政治 「稲は実るにつれて俯(うつむ)き、侍は出世につれて仰向(あおむ)く」(日本の諺)
Q君。テレビにおける参院選に関する私の発言について質問がありましたのでお答えします。
まずFNN選挙特番での発言です。発言を求められたのは3回だけでした。しかも3人合計で1回2分30秒という短い時間しか与えられませんでした。昨年の総選挙の時もそうでした。私はいったん出演を引き受けた以上、細かいことはほとんど気にならないのですが、出演者の一人はテレビ局側に強く抗議していました。「出番がこんな短い時間だとわかっていたら出なかった」と言って怒っていました。その人の立場に立ってみると、怒るのも無理はないと感じました。同時に叱られているテレビ局のスタッフにも同情しました。
ただ、一言テレビ局側に苦言を呈すると、テレビ局の姿勢のなかに、強い立場の出演者には低姿勢、弱い立場の出演者には高姿勢という差別というか使い分けが感じられました。政治家出身のタレントは大事にするが、他局では同格に扱われている長老評論家は差別するというのは感心できません。最近は政治家に対しても差別するそうです。小泉首相や小泉首相に近い主流派に対しては低姿勢、非主流派や野党には高姿勢という差別が目立つという話を政治家から聞いたことがあります。
大マスコミの幹部のなかにも人格的にすぐれた人が時々見受けられますが、だんだん少なくなっているような気がします。「謙虚」という徳性と無縁なタイプの人が偉くなっているようです。
Q君。横道にそれました。本道に戻します。
FNN選挙特番での最初の質問は、「7.11参院選の新聞記事の見出しをどうする?」というもので、2本書くことになりました。私はこう書きました。
「岡田民主大躍進」
「自民草の根保守崩壊」
参院選の最大のポイントは民主党が自民党より多い議席をとったことでした。自民党は民主党に勝てない政党になりました。弱い政党になりました。公明党・創価学会に頼らなければやっていけないほど弱い政党になってしまったのです。そして、その主原因が「地域草の根保守の崩壊」にあるとしたのです。
自民党の敗因はいろいろあります。大きいのは「おごり」です。小泉首相の「いろいろ発言」は「おごり」の象徴でした。しかし、その「おごり」は自分自身の力を基礎にしたものではありません。公明党・創価学会の巨大な集票能力に支えられたものです。
自民党がこれほど弱くなったのは、地方の草の根保守が、地方にきびしい小泉構造改革のなかでつぶれてしまったからです。今まで地方で自民党を支えてきた草の根保守が自民党から離れ始めたのです。
今回の参院選で自民党はきびしく批判されましたが、小泉首相や青木自民党参院幹事長を見ると、ほとんど反省していないように見えます。国民に反省の意思を示すために「責任をとる」という態度が感じられません。小泉首相の場合は開き直りばかりです。一貫して傲慢です。
このまま小泉構造改革がつづけば、地方の状況はさらに悪化し、地域草の根保守の自民党離れは進みます。次の総選挙では自民党はさらに弱くなるでしょう。政権交代の可能性が高まってきたと思います。
Q君。第二の質問は「小泉首相の命運」でした。答えは与えられたボードに書きました。
「ブッシュ米大統領と共に」
ブッシュ大統領の前には、今年の秋、11月2日の大統領選があります。この選挙でブッシュ大統領が勝利すれば小泉政権はつづくでしょう。けれども、落選した場合は来年の春ないし秋には、小泉政権は政府危機に直面するだろう、という見通しを述べました。
小泉政権の命運を決めるのは、残念なことですが、日本国民ではなく、米国民です。米国の大統領が誰になるかによって、日本の首相の命運が決まるのだと思います。
Q君。第三の質問は「民主党の実力は何点か」というものでした。こう書きました。
「40点」[(37%+43%)÷2=40%]
民主党の実力は40点だと思います。その理由は次のとおりです。昨年11月9日の総選挙で得た議席率は37%でした。今年7月の参院選における獲得議席数がフジテレビ政治部の予測の53だとすると、議席率は43%です(実際は民主党の獲得議席数は50で獲得議席率は41%でした。もっとも7月末に臨時国会が始まると会派としての数は53以上になるでしょう)。
この二つの国政選挙の平均獲得議席率は40です。したがって今の民主党の実力は「40」と答えたのです。
付け加えてこう言いました。民主党が自公連合軍に勝つためには「51」にしなければならない。「51」まで引き上げるのは大変なことです。このために、第一にすぐれた人材を結集すること、第二に政権をとるための総合政策を打ち出すこと、第三に地方組織を固めること――この3課題を実行すれば民主党の実力を「51」に高めることが可能です。そうすれば民主党は自公連合軍に勝つことができる、と言いました。
フジテレビのスタジオには熱烈な小泉支持者が何人かいました。マスコミで小泉宣伝隊または小泉親衛隊と揶揄されているテレビタレントもいました。それらの人たちはみな、私の発言に不機嫌でした。腹を立てている人もいたようでした。
Q君。以上、7月11日夜のFNN選挙特番での私の発言だけを書きました。繰り返しになりますが、私の話のポイントを整理します。
第一。自民党が負けた主原因は、地域草の根保守の崩壊にあること。
第二。小泉首相の命運はブッシュ米大統領と共に。
第三。民主党の今の実力は40。51に高めれば自公連合軍に勝つことができる。これは可能。次の総選挙での政権交代が現実味を帯びてきた。
というものです。〈つづく〉
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2004.7.15
Q君への手紙(PART3[2])
7.11参院選後の政治 「慢心は消し止めねばならぬこと、大火以上だ」(ヘラクレイトス=古代ギリシアの哲学者)
Q君。小泉自民党が参院選で敗北した最大の原因が、小泉首相の慢心、おごりにあったことは、投票日翌日のいくつかの新聞が指摘したとおりです。新聞もたまにはよいことを書くものです。
国政選挙は民主政治の最大の行事です。政治家は選挙に結集した国民の意見に真剣に耳を傾けなければなりません。日頃はかなり傲慢な政治家も、選挙になると国民に対して謙虚な態度を示すものです。選挙が終わった時には選挙に示された国民の意思を厳粛な態度で受け止めます。これが普通の政治家がしてきたことです。
戦後、数十回の国政選挙が行われました。私はこの選挙をすべて見てきました。政界では「あんな高慢な政治家はいない」と言われる人でも、国民の意思には謙虚な態度をとりました。
小泉首相は選挙前には大変慢心していました。これが「人生いろいろ、会社もいろいろ」発言です。この発言によって、小泉首相はかなり以前のこととはいえ、勤務実態がないのに給料をもらっていたことと年金未加入問題についての謝罪要求を拒否しました。年金未納問題では小泉首相以外の多くの幹部は謝罪しました。しかし、小泉首相は謝っていません。傲慢な態度をつづけています。
選挙中も傲慢な態度を通しました。選挙が終わっても、自民党は誰も責任をとろうとしていません。
小泉首相ほど高慢で傲慢な政治家は、おそらく戦後ではいなかったと思います。似ているのは日本の戦争に導いた東条英機首相程度ではないかと思います。
この小泉首相を大多数の自民党議員は支持しています。公明党も支持しています。創価学会首脳部も小泉首相を支えています。マスコミ(とくに地上波のテレビの多く)が支持しています。
古来、日本民族は謙虚さを尊ぶ民族でした。高慢、傲慢な指導者を嫌う国民でした。しかし、今、かなり多くの国民は、慢心し傲慢になったまま反省しようとしない小泉首相を支持しているのです。しかも、3年3ヵ月も支持しています。不思議なことです。
Q君。傲慢な政治権力者ほど恐ろしいものはありません。ブッシュ大統領は平然として戦争をし、他国の人々を殺害しています。
小泉首相はこのブッシュ大統領に追従しています。国内では、強者が勝ち、弱者が敗れる「弱肉強食」の経済運営を行っています。竹中平蔵氏のような傲慢で独裁的な人物を側近に据えて、金融機関をいじめ尽くしています。このため、日本の銀行は崩壊状態に陥りました。同時に日本人のために尽くすという精神を捨ててしまいました。傲慢な指導者のまわりには傲慢な部下が集まります。傲慢な集団が大権力をもったら、大変なことになります。独裁になってしまうのです。
青木幹雄自民党参院幹事長は、政策理念が異なるのに小泉首相に追従しています。この青木氏も高慢な人のようです。青木さんの先輩の故竹下登元首相は――内面まではわかりませんが――少なくとも表面は謙虚な人でした。青木さんは師の竹下さんを見習ったらよいと思います。
Q君。慢心を少しも改めようとしない小泉首相、この首相を宗教者集団にしては珍しいほど謙虚さを欠いた公明党・創価学会が支えています。
日本の政治は大変危険な方向に動いていると思います。小泉首相は選挙で敗北しても少しも反省しようとしません。逆に、これから小泉政権は暴走を始めるのではないかと思います。
小泉政権が参院選後、最初に手をつけるのは批判者の一掃だと思います。これから、小泉批判者を沈黙させるため、密告が横行し、多くの真面目な人が犯罪者のように扱われることになるおそれがあります。歴史は繰り返すものです。昭和前期の日本と同じ状況がくるおそれが強まっています。
小泉首相は当時の東条英機首相のようになるのではないか、と心配です。
人の意見を聞こうとしない最高指導者は危険です。徳川家康はこう言っています。
「凡(およ)そ人の上に立って下のいさめを聞かざる者の、国を失い、家を破らざるは、古今ともこれなし」
国民の批判に耳を傾けようとしない政治指導者は国を滅ぼす、ということです。これは今も昔も同じです。
Q君。強権的な弾圧政治が行われる前に起こるのが言論の自由の封殺です。
言論の自由の封殺――これは官憲が動く前に言論人がまずお先棒を担いで大騒ぎします。魔女狩りのような非難キャンペーンが、権力の手先になった言論人とマスコミによって行われるのです。この上で、最後に官憲が出てきて、マスコミが十分に悪者に仕立てた人間を「御用」にします。
これが戦前の東条首相時代に起きたことです。結局、東条首相は日本を滅ぼしてしまいました。
Q君。小泉首相と東条首相はともに傲慢だという点で共通点があります。時代背景が似ている感じもあります。国民が常識と正常な判断力を失いかけていて、傲慢な政治家を支持しているという点も似ています。
Q君。小泉首相はこれから郵政民営化に取り組みます。この担当大臣に“ミニ小泉純一郎”といわれる竹中平蔵氏を登用する方針です。小泉・竹中コンビで郵政民営化に突き進むでしょう。
民営化された郵政の巨額な資金を口を開けて待っているのが米国の大金融資本です。郵政民営化によって、郵貯と簡保の巨額の金が米国巨大ファンドの手に移っていくおそれが強いのです。小泉・竹中コンビは恐ろしいことに手をつけようとしています。傲慢な政治は長続きしません。小泉首相はじめ自民党員全員が反省し謙虚になることが必要です。〈以下つづく。郵政民営化問題はまた書きます〉
※ 政治評論家・森田実氏の母の手記「正へ」
【戦死した息子を懐かしみ母から送られた手紙 】
http://www.asyura2.com/0403/war55/msg/907.html