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日本の民主党は、政権獲得に向けて案外良い位置にポジションを置いたように思える。
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投稿者 TORA 日時 2004 年 7 月 12 日 15:33:50:CP1Vgnax47n1s
 

株式日記と経済展望
http://www5.plala.or.jp/kabusiki/kabu74.htm

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日本の民主党は、政権獲得に向けて案外
良い位置にポジションを置いたように思える。

2004年7月12日 月曜日

◆公明党は862万1265票と、目標の1000万票にとどかず
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20040712-00000298-reu-bus_all

[東京 12日 ロイター] 総務省によると、参院選比例代表は、自民15議席、民主19議席、公明8議席などとなった。自民党では、竹中金融・経済財政担当相が約72万票を獲得し、トップ当選した。
市場が注目していた竹中金融・経済財政担当相の得票数は72万2505票。第2位の秋元司氏の30万5613票を大きく上回った。また、元郵政官僚の長谷川憲正氏の得票数は28万2901票で、比例第3位に終わった。
総務省によると、得票総数は、民主2113万7458票、自民1679万7687票。一方、公明党は862万1265票と、目標の1000万票にとどかなかったが、トップ当選した浜四津敏子氏は、182万2283票を集め、比例代表全体でもトップとなった。 (ロイター)
[7月12日11時16分更新]

◆旧田中派と小泉の対決

 まず、小沢氏が、もう後が無いと言われつつ、党首への立候補を辞退したことによって、所謂『小沢アレルギー』を解消する効果があった。元々、小沢氏の力量は黒子であって、幹事長を最高のポストと考えている節が在る。現在の熟練度からすれば、藤井氏が幹事長となることは、小沢氏が幹事長となるのに等しい。 岡田氏も出身は竹下派である。

 巨大になった旧竹下派が分裂して、一方が、橋本派を名乗り、一方が現在、民主党の政権奪取に向けての原動力になろうとしている。そこに、肉親の情から竹下派に敵意を持っていた田中真紀子氏が、民主党に近接して位置しており、民主党は、田中角栄氏の秘蔵子グループの半分が集結して、小泉政権に襲いかかろうとしている。

 一方、自民党内で小泉氏を支えているのは、清和会と橋本氏のグループである。特に、橋本派の青木氏であることは周知の事実だ。青木氏は、竹下氏の秘書であったが、参議院を全党的に押さえている点に権力の源泉を置いている。つまり、今回の参院選において、影響力を行使するためにだけ、小泉氏を押しているのは明白である。もし、小泉氏の人気が落ちた場合、青木氏は小泉氏を見限る。

 前回の衆議院選挙で経験したように、現在のマキャベリスト政治において、党の浮沈よりも、自分の派閥の浮沈が最も大きな関心事で、亀井派が、とことん叩かれて、清和会が一人勝ちした。

 世間で言われているほど、同日選挙は、誰も怖くない。国民の税金が無駄になるだけである。

 今回の政治劇で、民主党は、小沢アレルギーを消し、最も、欲を出さなかった岡田氏が党首に決定したこと、年金未納の問題によって、幹部登用の明確なルールが出来たことによって、一つの巨大な派閥に脱皮した。派閥とは、総理大臣を出すグループのことである。

 福田官房長官の辞任劇によって、清和会は、一定の距離を小泉氏と取りつつある。

 橋本龍太郎氏と青木氏も、小泉氏の大衆的人気が何時まで持続するかを注視する段階に差し掛かっているだろう。橋本派も、勿論、田中派の流れを汲む。

 国民が、小泉氏を『普通の人気取り人間』、と醒めた目で見た途端に、凧の糸は切れる。
政治は、株と同じで、読みによって、動く。

 小泉人気が翳った場合に、自民党内で、小泉氏を降ろして他のものが出ることが、できるかが、一つのポイントだ。福田氏、安倍氏が、最も良い位置にいたが、福田氏は、たぶん、小泉氏の性格を読んで、自分から去った。安倍氏は、今、小泉氏を十分に観察しているだろう。

 もし、小泉氏が、同日選挙に打って出れば、或いは、そうした機運が強まれば、小泉人気の動向によっては、自民党の分裂を起こす。

 つまり、小泉人気が陰りを見せた途端に、小泉氏自身が、解散・総選挙の手を塞がれることになる。小泉氏は、自分の派閥を押さえていないから、自民党をぶっ壊すことなど、出来ないのである。彼は、詭弁家である。

 派閥を握る福田氏、橋本派、民主党、亀井氏等のグループは、衆参同時選挙など、怖くない。小泉人気が無くなっただけで、偏差値が下がるだけで、当落の競争倍率は同じである。

 小沢氏は、三党合意の破棄を理由に、民主党内の自民党別働隊の排除に成功した。民主党が派閥(総理を出すグループ)として固まった時点で、小沢氏は自民党の内部に食指を伸ばすだろう。すでに、始まっているだろう。

◆保守の三分割 

所謂『日本』の保守は、従来から二分割されていた。 一つが、『経済優先派』であり、もう一つが『原理派』である。

 旧田中派や宏池会(池田隼人氏、宮沢氏など)は『経済優先派』のグループであり、こちらが保守本流という意識があった。もう一つの『原理派』・『鷹派』のグループが『旧中曽根派』や『清和会』であった。

 この『鷹派』グループは、経済の危機を巧みに利用して、『行政改革』を声高に訴えることで勢力を伸ばしてきた。所謂『改憲論者』でもある。

ところが、自衛隊のイラク派兵に伴って、『原理派』(『鷹派』)に、亀裂が入った。イラク派兵の正統性を巡って、派遣を対米追従と批判し、米国に『ポチ』(ペットの犬という意味)のように諂う保守、という意味で『ポチ保守』と小泉氏の行動を激しく批判したのである。

自国の文化・伝統を重んじると言いつつ、米国にポチのように追従する小泉流の保守は、整合性に乏しく、著しく不合理な論調を呈している。

ここに、『経済優先型保守』、『自立的保守』、『ポチ保守』と三分割されたのである。

 民主党は、これまで書いてきたように旧田中派の流れを汲むグループが、今回の代表選挙後、参議院選挙、衆参同時選挙を睨んで、政権奪取の体制を強めており、また、もし小泉首相の人気に陰りが見えれば、橋本派も、『経済優先型保守』であって、『ポチ保守』の小泉氏には底流で敵対しており、双方からの挟み撃ちに遭う可能性が高い。

前回の選挙は、清和会の一人勝ちであって、民主党も橋本派も、亀井派なども、衆参同時選挙は怖くない。また、清和会も、現在、閥務に福田氏が専念できる立場にあり、福田氏にとっては、自分が閥務を仕切れる時に、衆議院選挙と参議院選挙を行うことは、派閥の支配を一気に進められる良い機会である。結局、衆参同時選挙に踏み切れば、派閥を持たない小泉氏が吹き飛ぶだけである。衆議院解散を最も恐れるのは小泉氏本人だけである。

◆小泉氏の転向、その極端な変化

小泉氏は、清和会に基盤が弱く、清和会に戻っても、派閥の長となれる可能性は現時点で低い。そもそも派閥とは、総理を出すためのファンクションだからだ。その意味でも、また、清和会の伝統から見ても、福田氏が森氏を引き継ぐことが順当だろう。そうなるとキングメーカーとして力を清和会で温存することも難しい。森氏も権力を保持している。小泉氏は、戻る家がない。かつて、海部氏が同じような立場に置かれた。

小泉氏は、落選し、総理への夢を挫かれた派閥、山崎派に、注目しているのではないか?福田氏の離脱後、小泉政権は自民党内での軸足を、清和会から、山崎派に移したと読むべきではないだろうか。今後の小泉政権の運営では、山崎派出身議員の行動が表面に出て来るだろう。

小泉氏は、自己の小泉チルドレンと山崎派を束ねることによって、衆議院議員で50人規模、参議院議員で15人規模の勢力を確保しようとしている、と考えると、福田氏辞任後の小泉氏の動静が合理的に理解できる。それは、ほぼ、森派に匹敵する。しかし、もし、結果としても、そうであれば、森派に対しては、裏切りであろう。

時を同じくして、外交政策の面で、小泉氏は親米派から親中派に、これも、手の平を返したように、軸足を移した。つまり、外務省内部の人脈において、親米派から一定の距離を置き、親中派に接近した。飛び込んだと言っても良いかと思う。韓国、中国、ロシアが、外交上の賛美を発表するのも当然である。

所謂『チャイナ・スクール』が、また、急に欧米派を押さえて、台頭したのである。これは、伝統的な清和会のスタンスとは、全く、異質であり、小泉氏が清和会から離脱していく原因の一つであろう。しかし、ここでも、欧米人脈にとって、一つの裏切りという感情が渦巻く結果となるだろう。

米国にとって、小泉改革のターゲットは、日本の金融システムの再構築であって、その柱となるのが、『金融庁』である。金融庁は、竹中大臣のもと、非常に緻密な合理的整合性を備えた組織に変貌を遂げており、竹中大臣の効果は、金融庁の自立的な発展を、政治的妨害者からシャットアウトしたことである。

現在の金融庁は、強大な権限を保持しつつ、法律と会計技術を巧みに活用して、自立的に行動し、金融庁は、すでに、他者の庇護を必要とせず、極めて、独立性が強く、知的技術と行動力を兼ね備えたファンクションとなっている。また、民間の会計事務所の自立性、専門性も急速に高度化しており、米国の会計システムと日本の会計実務の両方を熟知した専門家が数多く活躍している。

金融庁のシステムの自立性は、専門性と合理性に基づくもので、例え、政権が民主党に移行しても、揺るぐものではない。このコンテキストと次の『金融庁によるシティバンクへの行政処分』との関係は不明であるが、金融行政に関しても、小泉氏と米国との間に何らかの亀裂が生じている可能性が有る。

◆小泉プロブレム

小泉戦略とは、『絶対に、やらないことを、やると言って、途中で放り投げ、全く逆の行動を取る』。小泉氏は、「自民党を打っ壊す」と言って首相になった。そして、旧田中派の利権と人脈をズタズタにして、小泉チルドレンを育成、派閥を作り、自民党を強固にした。

小泉氏は、道路公団の抜本的な改革をすると息巻いたが、結局、個別のジャーナリストを重用して、旧田中派の利権を清和会と小泉氏自身に移して、政財官の癒着構造を、より強固に密封・陰湿に保存した。小泉氏は、『北』の驚異を殊更に強調して、国民の危機意識を徹底的に煽り、イラクへの自衛隊派遣という暴挙を憲法を無視して強行したが、その後、親中国的な動きを顕在化している。

年金改革も、国民の長期的な安心のために必要と声高に絶叫しつつ、おそらく、国民から税を収奪する方法を敢行しようとしている、ということが透けて見えてきた。ジェンキンズ氏の問題も、ジェンキンズ氏は日本国民ではなく、米国が罪を認定している人物の恩赦を、日本国民の夫であるからと言う理由で求めることは、全く、非常識であり、もし、認められれば、相互主義の原則と、第三国への合理的な推定等から、日本が他国から求められた場合、拒否できない事態を生じ、国策として非常に問題のある、忌々しきことである。

小泉問題(コイズミ プロブレム)は、小泉氏の政策によるものではない。むしろ、小泉氏の無政策、極端な節操の無さ、優柔不断さにある。自民党を壊すと言って、自民党を強化し、官僚制の問題をヒステリックに糾弾して、官僚制の温存と強化を促進し、『北』の脅威を殊更に宣伝して、自衛隊を派遣、その後、『日朝友好』を醸成する、という政策の不誠実、極端な落差である。

政治は、理念の追求であり、理念の衝突である。小泉氏の理念の欠如した、剥き出しのマキャベリズム、つまり、総理大臣への固執、によって、日本は誠実な国家である、という徳目を失った。既に、欧米知識層は「不可解」「理解できない」と言い始めており、イスラム諸国も友好から敵対に向かいつつあり、中国を中心とするアジア諸国も、実利のあることについて歓迎するだけで、『信用できない人』という評価は、むしろ、再確認されつつあると考える。

政治は劇場ではないし、アクロバットでも、マジックでもない。政治は、多くの人が命を捧げて戦っている場であり、膨大な国民の税金が左右されている現場である。一時期の政治の間違いが、将来、何十年、何百年の国民の苦難となってしまうことが、政治の世界である。既に、太平洋戦争で、日本は経験した。

海舌Kaisetsu(国際政治・経済の深層)
http://blog.melma.com/00112192/20040519014030


(私のコメント)
小泉首相の政治手法のマジックがだんだん国民に飽きられ始めている。「自民党をつぶす」と言っては自民党を強化し、イラクへ自衛隊を派遣して親米路線かと思ったら、北朝鮮と国交正常化交渉を始める。構造改革も大胆な道路公団の民営化に取り組むと思ったら、いつの間にか道路族の喜ぶ改革になった。

抵抗勢力の古賀氏や亀井氏も小泉首相の続投を容認する発言をしている。目標議席に達しなかったのだから、批判続出で小泉内閣もおしまいかと思われたのですが、引き摺り下ろす動きがあるかと思ったら無風状態だ。しかし逆に小泉首相を支えてきた青木氏のグループや清和会との関係が軋みが生じ初めて来ている。

自民党と公明党の協力体制も、公明党としてはこれ以上自民党に勝たせては主導権が取れなくなるから、今回の参院選では公明党創価学会はさほど動かなかった。いつも電話がかかってくる創価学会の知人からも今回は電話はなかった。むしろ公明党は民主党との連携を模索し始めているのだろう。

小泉首相自身は党内の支持基盤である清和会を仕切れるわけはなく、森氏や福田氏を押しのけて会長になれるわけではない。首相を辞めれば戻るべき清和会の異端者のままだ。小泉派を形成するにも面倒見が良い訳では無いから無理だろう。このような小泉氏を支えてきた理由は国民の支持率が高かったからですが、今回の参院選ではそのメッキが剥げてきた。

次の国政選挙は3年後ですが、衆院選はいつあるか分かりませんが小泉首相のままでは現状を維持するのも難しくなってきた。3年も首相をやれば順番待ちの自民党の政治家もしびれを切らせてくる頃だ。一番の目安は国民の支持率ですが30%を割るようになれば辞任せざるを得なくなるだろう。そうならないように曽我さん夫婦の再会のような人気取りがおこなわれるだろう。

しかし選挙には今回はあまり影響が出なかった。小泉首相としては北朝鮮の金正日に頼んでさらなる拉致被害者を出してもらわなければサプライズは起きない。それは日本からの経済支援と引き替えに行われるものだから、必ずしもサプライズにならない。だから小泉内閣の一発逆転の秘策と言うものはなく、支持率はジリ貧になり、小泉内閣の命運も尽きる。

民主党も政権獲得の可能性が出てきましたが、来るべきアメリカのケリー政権とどれだけ連帯が得られるかですが、党名が同じだからといって外交政策までうまく行くわけではない。ケリー政権の外交政策はブッシュと大して変わらないだろう。イラクもすぐには撤退できないし、アメリカの景気を支えるためにブッシュ以上の圧力を日本に掛けてくるだろう。

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