現在地 HOME > 掲示板 > 政治・選挙4 > 348.html ★阿修羅♪ |
|
Tweet |
日刊ゲンダイに掲載された書評です
『さらば小泉純一郎!―国民の生命を無視する冷血、傲慢、厚顔宰相を許さない』
著:天木直人
19cm / 1575円 / 講談社
昨年8月、アメリカのイラク戦争に追随すべきでないと政府に意見を具申し、外務省を退官に追い込まれた著者(当時、駐レバノン日本国特命全権大使)。
その後、外務省の米国追随の舞台裏を内部告発した「さらば外務省!」を刊行、ベストセラーになったが本書はその第2弾。イラクへ自衛隊を派遣し、今度は多国籍軍への参加を早くも表明した小泉首相への、真っ向からの批判本である。
「北朝鮮外交はご覧の通り自己PRのためのパフォーマンス。国内政治に関しては、異なった意見は排除し、とにかく自分の意見が“正しい”の一点張り。対米関係では歴代首相の中でここまで米国追従に徹底した人はいない。この小泉さんが自分の人気に乗っかって、このまま日本を動かすなら国は危ない。そういう危機感から今回、筆を執りました」
著者がとくに力が入ったという第2章「小泉首相を糾弾する」では、故小渕、森から小泉へと続いた自民党総裁、総理大臣人事の不透明さ、危うさを指摘し、小泉首相を<間違って総理の座に就いた男>と喝破する。
さらに第4章「こんなにもひどい対米追随外交」では、日本の中のアングロ・サクソン至上主義者、現政府の御用学者らの実名を挙げ、軍事・経済・政治すべての局面での小泉首相、日本の外務省、財務省、財界の対米追随政策の実態批判を展開する。
「小泉さんの本質はやはりパフォーマンスの人。政策でご自分で勉強して意見を持っているとは思えません。官僚にとっては自分たちの権益維持、拡充に実に都合のいい政治家であり、小泉さん自らが言うように“政局の人”だと思う。そういう彼の正体はもう十二分に明らかになってると思いますよ」
退官後、著者のレバノン再訪問に当たって外務省が仕掛けた妨害工作の話や、イラクで惨殺された奥参事官と井ノ上書記官襲撃事件の項では、読者としてもやはり日本の官僚組織への疑念・不信を感じざるを得ないだろう。
「今、小泉さんを正面から批判する声が少なくなっていると感じています。国家的な危機を目前に、おかしいものはおかしいと声をあげる気概を、国民全員が持つ時期に来ているのではないでしょうか」
●あまき・なおと
1947年、山口県生まれ。69年、京都大学法学部中退、上級職として外務省入省。01〜03年8月、駐レバノン日本国特命全権大使を務め、首相の米国のイラク攻撃支持にただ1人異議を唱え、外務省を実質的な解雇処分になる。
著書に「マンデラの南ア」「アメリカの不正義」など。
http://www.bookreview.ne.jp/index.asp?book.asp?isbn=4062124440