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【永田町一刀両断】
2004年6月29日 掲載
今や小泉首相は「国民の抵抗勢力」
演説もトーンが変わり迫力なし
参院選真っ最中、最近の小泉首相は3年間の実績の繰り返しで、将来への展望を語ることが少なくなった。演説のトーンが今までとは全然違う。
たとえば、3年前の参院選で、首相のお得意のセリフは「自民党をぶっ壊す」で威勢がよかった。いま首相は「政治の安定なくして、経済の安定なし」と強調する。明らかに守勢になっている。構造改革を呼号し、安定を嫌った首相が、安定を“売り”にする。えらい変わり方だし、有権者に対する一種の背信とも言える。喜劇かもしれないが、日本にとっては悲劇だろう。
その参院選の争点は年金改革と自衛隊の多国籍軍参加だ。年金への有権者の関心は高く、とりわけ出生率の資料隠匿、後出しへの風当たりは強まるばかりだ。厚労省は03年の出生率が過去最低の1.29になることを年金改革法が成立する10日以上も前に把握していたのに、すぐに公表しなかった。青木参院幹事長もあきれて「法案が成立するまで隠していたと思われる」と周辺に怒りをぶつけている。ある幹部は厚労省幹部に「選挙に負けたら責任を取れ」と怒鳴りつけた。
野党は「年金改革法を国民の7〜8割は納得していない」との世論調査結果を武器に攻める。
一方、首相は防戦一方で「ある程度給付を減らさざるを得ない。保険料負担も上げざるを得ない。それだけで足りないから、増税もしなきゃならない」と投げやりな言い方で将来の増税に言及した。
首相は、いままで「自分の任期中は消費税引き上げをしない」と否定してきた手前、これは自己矛盾だ。
多国籍軍参加も問題だ。野党だけではなく、自民党の古賀誠元幹事長でさえ「極めて唐突に、国会の議論や国民への責任ある説明がほとんどなしで決められた手続きは、民主主義の根幹にかかわる危うさを感じる」と批判している。
こういった状況を受けて、小泉内閣の支持率は急降下している。朝日新聞社が参院選公示前に実施した世論調査は40%で、1カ月前の54%から急落した。不支持率は42%に達し、イラクの自衛隊の多国籍軍参加に58%が反対。年金問題だけでなく、外交や政治姿勢に対して批判が高まっているという。
自民党三役の一人は「首相は疲れているのか、体調が悪いのか、元気がない」と心配する。自民党幹部は冗談交じりに「いまは国民から見て小泉さんが抵抗勢力、敵役かもな」と皮肉な解説をする。
どういう選挙結果になるかは、すべて投票率にかかっている。