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イラク日本人人質事件『小泉首相がもたらした恥』
『華氏911』のマイケル・ムーア監督会見
【ニューヨーク=寺本政司】ブッシュ政権やイラク戦争を痛烈に批判した米ドキュメンタリー映画「華氏911」のマイケル・ムーア監督は六日、ニューヨーク市内で、本紙など海外メディアと記者会見した。同監督は「(イラクでの)日本人人質事件は小泉(純一郎)首相が日本にもたらした恥だ」と述べ、米国のイラク政策に追随した日本政府を非難した。
フリーライターの今井紀明さんら日本人三人が四月、イラクの武装グループに拉致=その後解放=され、銃を突きつけられる生々しい映像も映画に使用し、戦争の泥沼化を表現する。本紙がこの場面について質問した。
ムーア監督は「日本が受けた恥について触れたものだ」と指摘。その理由として「日本は広島、長崎に原爆を投下されて以来、戦後五十年以上にわたってあらゆる武力を放棄し、平和を提唱してきた国だったのに、日本人がああいう形で(戦争に)巻き込まれたからだ」と説明した。
自衛隊派遣など米国に追随する日本政府の姿勢が、「日本にとっては本当に悲しい日」を招いたと批判した。
また「日本人の多数がイラク戦争に反対しているのであれば」とした上で、「自由で民主的な社会に必要なことを次の選挙でやらなければいけない」と述べ、参議院選挙などで“ノー”の意思表示をするよう求めた。
「華氏911」は先月二十五日に米国とカナダで一斉公開され、興行収入は先週末で六千万ドル(約六十五億四千万円)と米ドキュメンタリーの過去最高記録を更新中。今年五月の仏カンヌ映画祭で最高賞のパル厶ドール賞を受賞した。日本公開は八月下旬の予定。
http://www.tokyo-np.co.jp/00/kok/20040707/eve_____kok_____000.shtml