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<自民>強い人間力を持った子供たちの育成を目指し、知育、徳育、体育、食育にわたる施策を実施。与党内の協議会で、教育基本法改正に向けた議論中。青少年健全育成基本法の早期制定を目指す
<民主>すべての子供たちに等しく学ぶ機会を与えるために、公立の小中学校を立て直す。地域に教育を委ねることで、学校選択の自由を広げて、多様な教育機会を提供する
<公明>小学校で英語教育を必修にし、中学校卒業段階で日常英会話ができるようにする。わかる授業を目指し、すべての小中学校に補助教員を配置、社会人や専門家などの活用を大幅に拡充する
<共産>競争と管理による教育のゆがみを是正する。基礎学力を保障するため、学習指導要領を見直す。30人学級に踏み出す。私学助成の削減をやめさせ、拡充の方向に切り替える
<社民>学校を「競争の場」から「友達づくりの場」に改革する。20人学級を目指し、教職員も1.5倍に増やす。「ジェンダーフリーの学校」をつくる
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◇「機会不平等」解消を−−ジャーナリスト・斎藤貴男氏
政党も新聞も年金、景気を争点というけど、どうかしてますね。この10年、何が変わるか、というと、教育の世界なんです。取材してみると機会均等なんてとんでもない。大変な「機会不平等」が進行してます。
ゆとり教育とは何か。普通の子供に教えないで、浮いたお金でエリート教育に手間暇かけることですよ。象徴的なケースとして、トヨタやJR東海、中部電力の3社で作ろうとしている学校(06年4月開校)があります。明らかに欧米の貴族、階級社会を目指している。ただでさえ格差があるのに、制度としてさらに広げようとする。
中高一貫校が一般的になると、小学校から中学校へ上がる段階で選別され、そこで排除されたら、途中で勉強したくなっても機会そのものがない。お金があって親がきちんと教育してくれるか、小さなころからとんでもなく優秀か、それ以外は努力する機会さえ失われる。
たいていの子は小学校の間に、おまえなんかムダだっていう言い方をされちゃうわけです。ムダだと言われて、排除されるだけならいいけど、今の流れだと、愛国心で奉仕しろということになる。
僕は義務教育は画一的でいいと思います。そのうえで、個性をすべて認め、生きていくうえで、最低限必要なことを教えてあげる。今は子供に株ゲームをやらせるとか、学校の教科まで市場主義の価値観に貫かれようとしているけど、いろんな価値観があるのが大切なんですよ。
各候補者の教育への考え方を十分吟味して投票してもらいたいですね。それにしても、自民も民主も政策の方向性はほとんど同じ。2大政党制を目指すんだったら、共産、社民と民主の一部が大合同し、チェック機能がきちんと働くような形が一番いいと思います。
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週刊文春記者を経てフリーに。著書に「機会不平等」(文芸春秋)など。46歳。
◇真のエリート育てよ−−JR東海会長・葛西敬之氏
今の教育の問題で一番大きいのは子供の時間をムダにしていることですね。やたらに間口を広げて、大事な部分を薄くしてしまっている。だから子供たちは学校だけでなく、塾にも通う。ずっと拘束され、与え続けられているので、自分でやりたいことをやる時間や友達と遊ぶ時間がない。自主性や創造性、社会性が失われてしまうんです。
しかも間口を広げている理由は、子供に必要な知識を教えるというより、先生の雇用確保が狙いのように思います。税金も子供の将来もムダ遣いしているのはよくないですね。
小・中学校では、すべての基礎である「読み・書き・そろばん」、つまり国語、算数など基礎的な科目だけを徹底的、効率的に詰め込む。それ以外は選択制にして、主体性に委ねる。それが本当のゆとり教育ですよ。
エリートという言葉は世間ではあまり好まれないようだけど、指導者やリーダーになる教育は大切です。リーダーシップを持つ人間の素養として、公の意識とか、奉仕の精神、自己犠牲が必要なんです。それに生まれ育った国や文化をきちんと意識しないといけない。座標を持たない人間は、国際社会の中で決して尊敬されることはないんです。
トヨタ、中部電力と新しく作る学校は中高一貫校で、イギリスのパブリックスクールが一番イメージに近いかな。上流階級を作ろうなんて考えていませんが、リーダーシップを育て、できるだけ能力を伸ばしてあげる、そんな教育をしたいですね。
今度の参院選は争点が少ないし、日本が今、重大な岐路に立っているという認識もない。小泉政権は結果オーライだけど、十何年かの政権の中ではまだましじゃないでしょうか。
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「国鉄改革三羽ガラス」の一人。JR東海社長を経て、04年6月会長に就任、63歳。【聞き手はいずれも前川雅俊】=つづく
毎日新聞 2004年7月7日 東京朝刊
http://www.mainichi-msn.co.jp/seiji/senkyo/news/20040707ddm003010107000c.html