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小泉首相は27日のNHKの党首討論番組で、現在の憲法解釈では禁じられている集団的自衛権の行使について「日本を守るために一緒に戦っている米軍が攻撃された時に、集団的自衛権を行使できないのはおかしい。憲法ではっきりしていくことが大事だ。憲法を改正して、日本が攻撃された場合には米国と一緒に行動できるような(形にすべきだ)」と述べた。日本防衛にあたる米軍への攻撃排除に限って、集団的自衛権が行使できるよう憲法改正すべきだとの発言だ。
首相はこれまで集団的自衛権行使について「解釈の変更ではなく、憲法改正を議論することにより解決を図るのが筋だろう」などと述べていた。集団的自衛権行使の必要性について具体的に説明したのは初めてだ。
集団的自衛権は、自国が直接攻撃されていないにもかかわらず、自国と密接な関係にある他国に対する武力攻撃を実力で阻止する権利。首相は行使を認める内容について「米国が攻撃されたら日本も一緒に戦うということじゃない」と、日本防衛にあたる米軍への攻撃排除に限定する考えを強調した。
ただ、首相は「(政府は)日本を守っている米軍の行動まで、日本が協力して一緒に活動できないという解釈をしている」とも発言。実際には、政府は日本にある米軍基地への攻撃や、日本防衛のために行動している米艦艇への攻撃を自衛隊が排除するのは個別的自衛権の行使にあたり、現行憲法下でも可能との立場をとっている。このため、首相が考える集団的自衛権行使の内容は不明確だ。
これに対し、与党である公明党の神崎代表は「議論しているが、党内では行使を認めるべきではないという考え方が有力だ」と語った。
民主党の岡田代表は、現在の憲法解釈のもとでも、日本を守る米軍に対する攻撃の排除は「個別的自衛権で解決できる」と指摘。そのうえで「(集団的自衛権は)第三国で米国が戦争した時に一緒になってやる、あるいは米国が攻撃を受けた時に米国に行ってやることを含む概念だ。絶対に認めるべきではない。国連の行う集団安全保障に協力すべきだ」と述べた。
共産党の志位委員長は「(行使を認めると)米国と一緒に集団的侵略をやる国になる」、社民党の福島党首は「日本が米国とともに世界で戦争できる国に作りかえるのか。憲法を変えると何の制約もなくなる」と批判した。
http://www.asahi.com/politics/update/0627/004.html
★小泉は確信を持って(かなりの国民が着いてくると思って)発言したのだろう。新聞各紙は一斉にこの集団的自衛権行使のための憲法改正論を報じている。自民以外は、明確に反対。今回の選挙の隠れた争点が一気に明らかになった。マスコミも、年金やイラク派兵などの微妙な(各党間の違いを明確にしようとすると時間がかかる)論議より、こちらの問題をこれからも大きく取り上げるだろう。自民党の多く、今回立候補している自民党議員、公明党の多く、公明党・創価学会の支持者を取りまとめる連中は、あっと思ったのではないか。「一本!」とはいかないが、「技あり!」となる失言ではないだろうか。少なくとも、共産党、社民党は争点が明確になった分、勢いづくだろう。