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今年1―8月に全国の警察が認知した「おれおれ詐欺」の被害総額が100億円を超えたことが6日、警察庁のまとめでわかった。
このうち、8月の被害は1680件(うち既遂1061件)、約23億1200万円と、1か月間の被害としては過去最悪だった。
警察官を装い交通事故の示談金名目などで口座に入金させる手口が目立っており、同庁では、「『おれ、おれ』などと言って、身内を装う典型的な手口だけではない。怪しい電話は、必ずいったん切って、再確認を」と呼びかけている。
同庁によると、被害は今年6月から急増。同月に約15億円、7月には約19億円、8月は初めて20億円を超えた。今年1―8月の累計は9303件(既遂5708件)、約100億3000万円に達し、すでに、昨年1年間の被害総額(約43億1800万円)の2倍以上となっている。
8月の被害を手口別に見ると、交通事故の示談金名目が1239件で前月の770件から大幅に増え、全体の4分の3を占めた。借金返済名目は269件、妊娠中絶費用名目は70件と、いずれも前月より約3割減った。
8月には、静岡県の主婦が、警官を名乗る男からの電話で「ご主人が妊婦の乗った車と事故を起こした」と言われ、指定された口座に500万円を振り込んだ。夫を装って泣きじゃくる男や被害者役の男まで電話口に登場させる手の込んだ手口だったという。京都府の主婦も8月、ほぼ同様の手口で約300万円をだまし取られた。
このほか、被害者が「本人を出して」と頼んでも「ご主人は事故で動揺して話せる状態ではない」などとごまかしたり、名簿などであらかじめ家族の名前を調べ、自分から名乗って被害者を信用させるケースもあったという。
(2004/10/6/19:12 読売新聞 無断転載禁止)
http://www.yomiuri.co.jp/national/news/20041006it11.htm