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袴田事件 無実の死刑囚を救え! 再審棄却を許すな! [かけはし2004.10.4号]
http://www.asyura2.com/0406/nihon14/msg/674.html
投稿者 あっしら 日時 2004 年 9 月 30 日 20:38:40:Mo7ApAlflbQ6s
 


東京高裁決定に抗議して弁護団が報告集会

最高裁判例も踏みにじる暴挙だ


 【静岡】 九月四日夜、袴田事件弁護団は、八月二十七日に再審請求を棄却した東京高裁の決定に抗議する報告集会を静岡市の男女共同参画センター「あざれあ」で開いた。
 弁護団は、東京高裁が「弁護団の新証拠はいずれも明白性を欠き、確定判決の事実認定に合理的な疑いは生じない」と弁護側の主張を全面的に退けた棄却決定に対して「明白性の有無は確定判決の証拠と新証拠を総合的に評価して判断すべき」とした最高裁の白鳥決定・財田川決定に反し、さらに高裁決定は「最初に結論ありき」と批判。「疑わしきは被告人の利益に」の刑事裁判の鉄則に反し、検察官手持ちの証拠が開示されないまま審理が進められたのは国際人権規約にも反するとして九月一日に最高裁に特別抗告の申立書を提出していた。
 四日夜の集会には、雨の混じる天候の中、約百人の人々が参加した。
 集会の冒頭、「島田事件」の元・無実の死刑囚赤堀政夫さんからの特別アピールが行われた。赤堀さんは、東京高裁の棄却決定は「五点の衣類などの新証拠を意図的に政治的に切り捨て、いったん確定した事件に対しては、何が何でもそれを維持する」姿勢に貫かれ、「一人の人間・家族の苦境を思いやる人間的な想像力さえない」おぞましい権力の姿をさらけだしたものであると厳しく糾弾した。

 弁護団からの報告で小川秀世弁護士は、高裁による棄却決定の印象を第一に「時間がなくてあわてて作った決定?」と思えると以下の三点、(1)決定文に申立人である弁護人の名前が記載されていない。(2)長文となる決定文書に目次がない。(3)弁護団の主張の誤解など明らかな間違いがある。

 @決定文には、弁護人は、「確定審」において「ねつ造の可能性が顕著であると主張してきた」とある。事実は即時抗告審から「五点の衣類」がねつ造証拠と主張してきた。A捜査機関がねつ造のために衣類を味噌タンクに入れた時期を、「(逮捕された昭和四十一年八月十八日の)一カ月以上も前に五点の衣類という証拠をねつ造しておくなどということは、およそ考えられない」「そのような想定は余りに荒唐無稽なもの」と、弁護側が主張もしていないことを勝手に誤解して、これを前提に批判をしていると指摘し、第二に「捜査機関による証拠ねつ造などありえない」という偏見に満ちた決定が書かれていることを指摘した。

 それは、決定文の中で弁護側主張の第一として五点の衣類と自白が中心証拠(あらゆる観点からねつ造が明らかであり自白の信憑性もない)。第二に「証拠構造の脆弱性」の指摘(@認定された犯行態様に不自然なところが多いA犯行着衣であるとの検討が十分でなく共布発見等の経過が不自然でありねつ造の可能性B自白は、パジャマが犯行着衣とされていること、殺害後から逃走に至る経路に裏木戸を主張するなど虚偽の事実の存在)に対してその反証が驚くべき文言で綴られている。

 @とBに対する反証では「本件においては、犯人の特定の問題と犯行のストーリーとは、区別して考えることができる別個の問題である」とか「五点の衣類が犯行着衣であり、かつ請求人のものであるとすれば、請求人が本件犯行の犯人であることは動かしようがない事実であり、犯行態様や動機などのいわゆるストーリーに不明な部分が残されているとしても、その点から(袴田さん)の犯人性が疑わしくなるということはない」「請求人が必ずしも洗いざらい事実関係を自白しているものではない以上、事実経過などに不明な点が生じるのはやむを得ない」「犯罪は、通常人の日常の生活行動を逸脱した行為であるから、常識的な尺度から見た場合には不自然・不合理なところもある」などと主張している。
 さらに、犯行のあらすじと証拠が極めて不自然であること、「五点の衣類」が犯行着衣でなく、本人のものでないことを、新証拠・鑑定を提出して抗告審に臨んできたことを一顧だにせず切り捨て、確定判決や原決定(地裁再審棄却決定)を手放しで擁護する立場に立っていること、またAのねつ造の可能性では、「捜査機関によるねつ造などありえない」「荒唐無稽」「想定することも困難」と断定し、証拠調べや新証拠の鑑定人尋問すら一切行わなかったのである。
 東京高裁決定は、最高裁判例(白鳥・財田川決定)をも無視した、「確定判決の無条件の擁護」であり、「捜査機関によるねつ造などありえない」(との偏見)に終始貫かれている。幾多のえん罪事件を生み出した風土は依然として変わっていないのである。

 集会では、特別抗告に触れて、袴田さんが精神を蝕まれ、家族や弁護人の面会すら拒絶する状況が継続していること、えん罪事件であることに加え、死刑確定囚の処遇とも関連して、別の意味での重大な人権侵害であることが明らかであり速やかな再審開始を求めるために全力を尽くすこと、袴田さんに対する適切な治療の実施と処遇の改善にも最大限の努力を払うことが確認された。
 袴田さんの妹の秀子さんは「誠に残念な結果でしたが、がっかりしていられません。今後も支援をお願いします」とあいさつした。(M)

http://www.jrcl.net/web/frame04104g.html

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