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【意見陳述要旨】
1 始めに
大好きだった学校で、親しかったはずの同級生の手によって命を奪われる。
なぜ、怜美がこのように無残な人生の結末を迎えなければならなかったのか。私を含めて周囲が防ぐことができなかったのか。無念でなりません。
2 怜美、そして家族
怜美の明るい性格は、我が家の中心だった妻譲りでした。
妻が亡くなった時は小学校3年でかなり落ち込みましたが、幼稚園時代からの親友やそのお母さんたちが懸命に支えてくれて、徐々に元気を取り戻しました。
ただ、佐世保に来て2年目ぐらいから子育てと仕事に疲れ精神的に参っていた私は、ささいなことで子どもたちを叱ったり、弱音を吐いたりという状態が続いていました。その結果、怜美の勉強を見てあげることも少なくなり、怜美を1人にする時間が多くなっていました。このことは悔やんでも悔やみきれません。
3 相手の女児
事件が起きた時から、ずっと1つのことが頭にこびりついています。怜美はなぜ彼女に殺されなければならなかったのか、ということです。
それは、私が彼女と何度か会っており、彼女と怜美は友達だったと思っていたからです。
事件後、交換日記やメール、警察への供述などを読みました。内容は私の目から見て、そんなに深刻なものに思えません。
人間ですから、感情の行き違いや思い違いが憎しみに変わることは珍しくありません。でも実際に人を殺すということはたやすいことではありません。その一線を越えるほどの問題が2人の間にあったとは、どうしても理解できないのです。
4 審判・処分への思い
相手が成人であれば「極刑」を望むでしょう。少年であっても見知らぬ相手ならば、率直に同じ言葉を言えます。しかし彼女は、諍(いさか)いはあったかもしれないけれど怜美が最後まで友達と信じ、「殺される」なんて露ほど考えていなかった同級生です。その子に気持ちをぶつけることの切なさが、私を苦しめるのです。
相手やその親からの「謝罪」や「償い」という言葉は、私にとって何の意味もありません。彼女と親に言いたいことは「怜美を私に返してほしい」だけなのです。
裁判所にお願いがあります。
私は、彼女の心の奥底で何があったかを知りたいのです。審判のために各機関が示した資料、調査で明らかになった内容、精神鑑定の結果などを可能な限り開示してほしいと思います。
そして処分は、彼女に自分がしたことの重大さをきちんと受け止めさせるために、法が、社会が、大人が取りうる、あらゆる手立てを講じられるような内容にしていただきたいと思います。
5 最後に
私たちの家族の気持ちは、カッターで切り裂かれてしまいました。
裁判所の方々には、遺族の悲しみ、苦しみを汲(く)み取っていただければ幸いです。
以 上
御手洗恭二
(2004/8/24/21:38 読売新聞 無断転載禁止)
http://www.yomiuri.co.jp/national/news/20040824ic23.htm