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http://www.asahi.com/national/update/0817/003.html
法務省は人を売買する行為や誘拐、監禁など、他人の自由を侵害する犯罪全般に厳しく対処するため、刑法を改正する方針を固めた。とくに売春や労働の強制に結びつく人身取引の対策は諸外国に後れをとっていることから、「人身売買罪」を新設し、臓器を得る目的の人身取引にも同罪を適用できるようにする。また、悪質な幼児誘拐や長期にわたる監禁事件が現実に起きたこともふまえ、現行の未成年者略取・誘拐罪と逮捕・監禁罪も厳罰化する。
女性や子どもに売春や労働を強要して搾取する行為は、暴力団などの資金源となっており、日本は国連から対策の不備を指摘されているほか、米国務省からも「監視対象国」とされている。こうした外圧もあって、法務省は刑法改正要綱案を9月の法制審議会(法相の諮問機関)に諮問し、来年の通常国会に改正案を提出したい考えだ。
新設の人身売買罪の法定刑は、懲役3カ月〜10年とすることを検討。逮捕・監禁罪、未成年者略取・誘拐罪の法定刑の上限も現行の懲役5年をそれぞれ7年に引き上げる。
人身売買罪は、人間を「売り渡す」「買い受ける」行為そのものを処罰対象とする。このうち「売り渡し罪」は対価を得る目的があることが必要だが、買い受け罪については目的が何であれ犯罪とし、買い手側を確実に処罰できるようにした。人の自由を奪う罪としては、略取・誘拐、逮捕・監禁などの罪と並ぶ犯罪として位置づける。
また、開発途上国でみられる移植用臓器の摘出を目的とした誘拐や、国内でも例があるリンチ目当ての拉致行為に対応するため、生命や身体に害を加える目的で人を連れ去る行為を略取・誘拐罪の適用対象に加えた。
また、北朝鮮による拉致事件で見られたように海外から別の国に移送されて拉致された場合の対応が今の刑法では不十分との批判をふまえ、国外移送目的略取などの罪の対象行為を、日本からの移送に限らず、被害者がいた国から国外へ移送する場合にも広げる。
人身売買の最近の事例を見ると、海外で働くこと自体には被害者が同意しているケースが多く、既存の誘拐罪や監禁罪に問えないことが多い。このため、被害者の身柄を「隠す」「引き渡す」「移動させる」という過程の一部にかかわっただけで処罰できるように各罪の構成要件を拡大する方針だ。
警察庁によると、外国人女性の人身取引の被害者は昨年だけで少なくとも83人いた。金を稼ごうとブローカーのあっせんで来日したが旅券を取り上げられ、借金返済のため売春を強制された人などだ。
先進国では人を売買する行為そのものを刑事罰の対象にしている国が、ほとんどだ。国連は00年に国際組織犯罪防止条約人身取引議定書を採択し、取り締まりの方針を打ち出している。政府はこの議定書の批准に必要な法整備を検討しており、4月に関係省庁連絡会議を立ち上げ、法整備のほか、取り締まりの強化、被害者の保護策なども検討している。
(08/17 09:25)