北京市、マイクロソフトとの契約破棄　中央政府の自国製品保護圧力か【CNET_Japan記事】
http://japan.cnet.com/news/biz/story/0,2000050156,20077244,00.htm

最終更新時刻： 2004年12月1日(水) 10時57分

FujiSankei Business i.
2004/12/01 10:37 Trackback (0)

　北京市が決定していた総額２９００万元（約３億８０００万円）の米マイクロソフトのコンピューターソフトなどの購入契約が破棄されていたことが３０日明らかになった。「自国製品の保護・育成」方針を掲げる中国政府から圧力がかかったとの見方が有力だ。また、同社製ソフトは現在、中国でシェア９０％以上を占めるなど、その寡占化に批判が高まっていたことも大きな要因で、同社製品の使用を検討している他の自治体の契約見直しに波及する可能性もある。

　英経済紙「フィナンシャル・タイムズ」によると、北京市は１１月初旬に同社製ソフトの「ウィンドウズ」と「オフィス」の調達を決めた。これに対し、中国のソフトウエア業界や報道機関、科学技術省などから批判の声が強まっていた。

◆科技省が批判

　特に、「自国製品の保護・育成」方針を掲げてきた科技省は１１月下旬、「多くの地方政府の間で、中国の利益と技術の安全保障を損なう動きがみられ、特定製品による市場の寡占化を促進している」などとする声明を発表した。名指しは避けながらも、北京市と同社のことであることは一目瞭然（りょうぜん）で、他の地方自治体の動きも批判するなど、極めて異例な声明内容だった。

　これを受けて、北京市政府は同社との契約撤回を決めたもようで、北京市政府関係者は「ノーコメント」を繰り返している。

　同社スポークスマンは「今後も交渉は続ける」とのコメントを発表しており、契約がキャンセルされたことを事実上認めている。

◆“排斥”拡大へ

　中国政府は、コンピューターソフトの自国製品の保護・育成とともに、シェア９０％以上に達するウィンドウズの寡占化を懸念。今回の北京の契約撤回の動きにより、科技省側の発言権は強まったとみられ、同紙は「科技省が今後もマイクロソフトなど外国製品“排斥”の動きを拡大するのは必至」と指摘している。

　同社製品を使用している上海市、天津市や、使用を検討している地方自治体にも、今回の北京市の決定が影響する可能性が懸念されている。

　同紙によると、中国では個人用のソフトは「ほとんどが海賊版」だけに、ソフト会社は地方政府などの自治体との契約提携に躍起になっている。

　一方、マイクロソフトなど海外企業は、「中国製品保護・育成の方針が徹底されると死活問題につながりかねない」と危機感を強めている。

記事提供：FujiSankei Business i.
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