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http://www.asahi.com/science/update/1002/001.html
富士通は世界最高性能のスーパーコンピューター開発に着手する。2010年をめどに1秒間の計算回数で現在の最高性能機の約80倍となる3ペタ(ペタは千兆)を達成するのが目標だ。スパコンの能力では米IBMが9月、NECから首位を奪ったばかりで、世界的な開発競争が激化している。
富士通研究所に1日、「ペタスケール・コンピューティング推進室」を発足させた。現在の技術のままで性能を向上させても、目標とする能力の1割しか出せないと試算。回路線幅を次々世代の45ナノメートル(ナノは10億分の1)まで微細化した半導体や大幅な低消費電力化など突破口となる要素技術の研究に取り組む。
想定する製品は体育館並みの大きさがある現在のスパコンをロッカー大にまで縮め、100〜500個をつなぎ合わせる。気象シミュレーションに用いれば1〜10キロ四方に細かく区分した地域ごとの計算が可能になり、気象の変化をより詳細に予想することができるようになる。
これまで世界最高の性能を記録してきたのは、NECが02年に開発した「地球シミュレーター」で1秒間に35・8兆回の計算能力を持つ。米IBMが開発中の製品は9月に36兆回を記録して追い抜いた。
国内でも次世代のスパコン開発に文部科学省が来年度予算で20億円を概算要求。NECや日立製作所なども開発を検討している。高性能スパコンを使って複雑な要素を計算するシミュレーションが医学や情報技術などあらゆる先端分野で競争力の鍵を握るとされるだけに、日米を中心に競争が過熱している。 (10/02 09:12)