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NTTが高セキュリティの電磁波シールドルームを製品化
http://www.asyura2.com/0406/idletalk11/msg/467.html
投稿者 てんさい(い) 日時 2004 年 10 月 18 日 00:07:50:KqrEdYmDwf7cM
 

高セキュリティの電磁波シールドルーム
http://www.ntt-at.co.jp/news/2004/release29.html

高セキュリティの電磁波シールドルームを
経済的・短工期で構築できる
「iDCシールドバウルト(Vault)」を製品化
データセンタ構築における高信頼の
電磁波セキュリティ対策ソリューションの提供を開始


 日本電信電話株式会社(以下NTT、本社:東京都千代田区、代表取締役社長:和田 紀夫)は、これまで、データセンタなどのサーバ機器類の電磁波セキュリティ機能を高める電磁波シールドルーム構成技術について研究開発を進めてきましたが、このたび、この研究開発成果をもとに、株式会社エヌ・ティ・ティ ファシリティーズ(以下NTT-F、本社:東京都港区、代表取締役社長:布谷 龍司)が、経済的・短工期で構築可能な電磁波シールドルーム「iDCシールドバウルト」を製品化しました。(図1)
 「iDCシールドバウルト」は、NTTが2003年7月に開始した「総合プロデュース機能」(*1)に基づき、環境エネルギー分野で進めてきた研究開発成果の一つであり、これをもとに、NTT-Fが製品化を実施したものです。
 お客様への提供にあたっては、NTT、NTT-F、及び電磁波セキュリティ評価等のノウハウを有するエヌ・ティ・ティ・アドバンステクノロジ株式会社(以下NTT-AT、本社:東京都新宿区、代表取締役社長:石川 宏)が協力し、NTTグループ各社と連携して(*2)、データセンタ構築における高信頼の電磁波セキュリティ対策ソリューションの提案・提供を、10月より開始します。

【本製品の概要】
iDCシールドバウルトは、データセンタ内の装置に、簡易かつ経済的に、必要な電磁波シールド機能を付加することができるシールドルームです。汎用性の高い19インチキャビネットラックに耐震構造を持たせる構造で、適用範囲としては
・ PKI(*3)や金融・電子商取引などに代表される重要データの保護を目的とした既存データセンタへの電磁波シールドメニューの追加
・ お客様データセンタ・サーバルームでの電磁波シールドの構築
・ 電磁環境が悪化傾向にあるオフィスや工場などでのサーバルーム構築
など、幅広い用途に対応可能となっています(図2)。

【開発の経緯】
 政府のIT戦略本部の主導で準備が進められている「e-文書法」(*4)の施行などにより、データセンタ内の装置はこれまで以上に高度なセキュリティが要求されてきます。また、情報流通社会の進展に伴ってデータセンタやサーバルームにおける情報の重要性が増大にするにつれ、データ暗号化などの情報セキュリティ対策(サイバーセキュリティ対策)や、入退室管理や防犯対策などの物理的侵入対策(フィジカルセキュリティ対策)などに加え、電磁波盗聴や電磁波攻撃から電子機器を守る電磁波セキュリティ対策が重要視されるようになっています。
 事実、データセンタ設置のサーバ類からの漏えい電磁波により重要な情報が盗まれるTEMPEST(*5)問題や、データセンタ周辺からの強力な電磁波によるシステムの破壊や誤動作を発生させる電磁波攻撃は、重要なセキュリティ問題の1つとして国際的な規格化の動きが本格化しています。例えば、ITU-T(国際通信連合)では、X.1051(通信用ISMS)として、強力な電磁波から機器を守る電磁波セキュリティの要件が記述されており、IEC(国際電気標準会議)においても、HPEM(高出力電磁波)による攻撃の規格化が審議中で(61000-1-5など)、同時にJIS化も予定されています。ITU-Tにおいても2006年度中に同様な内容の勧告化が予定されています。
 また日本においても、情報通信ネットワーク安全・信頼性対策実施登録規定などで、漏えい電磁波による情報漏えいの危険性が指摘されており、2000年にはこの規定に「漏えい電磁波をマスクする措置を講ずること」の一文が追加されています。
 一方、これから本格的な到来が予想されるユビキタス社会においてだけでなく、日常的にも携帯型・小型の無線機器が重要なサーバ類の近くで使用される頻度が高まっており、故意ではない不注意によるEMC(*6)故障の増大も危惧されています。
 そこで、電磁波セキュリティ対策として電磁波シールドが注目されているのですが、従来の電磁波シールドは、構築に多額な費用がかかるうえに、数ヶ月という長期の工期が必要で、しかも拡張性がなく、既存建物への追加工事や二重床への対応も困難という、さまざまな問題点がありました。
 こうした状況の中、これまで約20年にわたってEMC評価対策技術の研究を行ってきたNTTは、2000年頃より電磁波セキュリティ対策技術の開発に着手し、上記のEMC対策技術ならびに電磁波セキュリティ評価対策技術を利用し、データセンタにおける高度なセキュリティ要求に応える電磁波シールドルームを経済的かつ簡易に構成できる技術を「iDCシールドバウルト構成技術」として確立しました。そしてこのたび、本技術を用いた試作品として「iDCシールドバウルト」を完成させました。

【iDCシールドバウルトの特徴】
 データセンタやサーバルームで汎用性の高い19インチキャビネットラックに耐震構造を持たせた上で、簡易ながら僅かな隙間からの電磁波の漏えいを防ぐ金属パネル接合技術を用いることで、震度6強でも倒壊しない耐震性能を誇る軽量で経済性に優れた電磁波シールドルームを構築できます。50dB以上の電磁波シールド性能(99.6%以上の電磁波を減衰)を持ち(図3)、設置工期最短1日を実現し、お客様の機器の増減に伴うラック数の変化に応じる拡張性も保持しています。
 また、二重扉構成の前室設置により、電磁波シールド性能を確保したままラック扉の開閉が可能であり、保守作業中でも電磁波セキュリティを確保できます。さらには、施錠装置の追加によりセキュリティ用キャビン(個室)としての機能を付与することも可能です。

【技術のポイント】
本技術の主な特徴は、以下のとおりです。 (1) シールドセキュリティルーム構築技術
耐震ラックを構造体としたプレファブリック構造であり、ラック単位の拡張性があり、二重扉により保守時のシールド性能も確保しています。
(2) 電磁波シールドパネル接合技術
電磁波漏えいを防ぐ簡易な金属板接合工法により、材料・施工コストの大幅な低減化を実現しました。
(3) ハニカムメッシュシールド技術
空調開口でも電磁波シールド性能を担保していることで、高発熱機器への対応を可能としています。
(4) 電源フィルタ技術
雷観測で培った技術により、浮遊容量低減型トランスによる電源フィルタの低価格化を実現し、ラックあたりAC100V40A以上の高信頼の大容量電力供給を可能としています。

【今後の展開】
 iDCシールドバウルトに採用している電磁波シールド構成技術は、小規模な電磁波シールドルーム構築にも直接利用可能です。今後は、無線機器開発にかかわる研究機関や企業の開発部門で利用されている特別な電磁波シールドルームに対する経済的な代替製品としての展開や、無線機器が多数使われることが予想されるユビキタス対応オフィスなどへの展開も視野に入れ、総合プロデュース機能を活用して電磁波セキュリティ対策技術の応用開拓を進めていきます。


図1:iDCシールドバウルト(試作品)

外観イメージ 拡張イメージ
図2:iDCシールドバウルト製品イメージ


図3:シールド性能

<用語解説>
*1: 総合プロデュ−ス機能
研究開発と事業化との間にある、いわゆる"死の谷"を克服することを目的としたNTTのR&Dマネージメント改革の1つ。事業化の責任者として指名されたプロデューサがNTTグループ内外の企業と協力しながら、NTT研究所の研究成果の事業化を直接推進していく。
*2: NTTグループ各社との連携
東日本電信電話株式会社(本社:東京都新宿区、代表取締役社長 三浦 惺)、西日本電信電話株式会社(本社:大阪府大阪市中央区、代表取締役:森下 俊三)、エヌ・ティ・ティ・コミュニケーションズ株式会社(本社:東京都千代田区、代表取締役社長:鈴木 正誠)と連携し、本技術をもとにデータセンタ構築における高信頼の電磁波セキュリティ対策ソリューションを提供していく予定です。
*3: PKI(Public Key Infrastructure)
公開鍵認証局。企業間取引などでインターネットを利用する際に付きまとう、なりすましや盗聴、改ざんといったリスクに対して、電子署名と暗号技術を兼ね備え、安全な電子通信を確保する。
*4: e-文書法
法令により保存が義務付けられている財務関係書類、税務関係書類の文書・帳票のうち電子的な保存が認められていないものについて、原則として電子保存が可能となるようにする統一的な法律。2005年4月の施行を目指し、政府のIT戦略本部の主導で準備が進められている。
*5: TEMPEST
米国NSA(National Security Agency)のプロジェクトコード名で、コンピュータや周辺機器から発生する微弱な電波から情報を盗み出す電磁波盗聴技術のこと。
*6: EMC(Electromagnetic Compatibility)
ほかの機器・装置・システム、および人体に一定レベル以上の電磁妨害を与えることなく、その電磁環境下において機器が十分に機能を発揮する能力。

<本リリースに関する報道機関からの問い合わせ先> 日本電信電話株式会社
第一部門 広報室
大道、奥泉
TEL:03-5205-5550

<本リリースに関する報道機関以外からの問い合わせ先> 日本電信電話株式会社
第三部門 総合プロデュース担当
前田
TEL:03-5205-5366
E-mail:y.maeda@hco.ntt.co.jp

株式会社エヌ・ティ・ティ ファシリティーズ
営業本部
コンタクトセンタ
TEL:0120-72-73-74
E-mail:info@ntt-f.co.jp

エヌ・ティ・ティ・アドバンステクノロジ株式会社
EMCセンタ
服部
TEL:0422-51-9811
E-mail:hattori@emc.ntt-at.co.jp

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