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(回答先: あっしら殿、馬鹿を承知の質問です。 投稿者 クエスチョン 日時 2004 年 12 月 04 日 10:35:09)
クエスチョンさん、どうもです。
「意外とやっていることの本質は似ているような気がしてます」がどういう意味なのか測りかねますが、思うところを書きます。
通貨の基本機能は価格(価値)表示・交換手段(支払い手段)・価値蓄蔵手段で、現在ではそれらをペーパーマネー(もしくは口座残高数値)が担っています。
どちらもペーパーマネー(実体は紙切れ)という点で、真札と偽札どちらを流通させるにしても本質は似ていると言うことができます。
(通貨発行権を有する主体が貴金属で通貨を発行したり貴金属通貨との兌換を保証する制度と比較すると、それ自体財的価値がないモノで財的価値があるモノを引き渡すという現行制度は“特異”です)
この問題は、貴金属貨幣と違って財的価値が欠落しているペーパーマネーが通用するワケが何なのかということに帰着します。
通用するワケとして、国家権力による強制通用性と経済社会の「合意」を挙げることができます。
強制通用性と「合意」が並んでいるのは奇妙なズレとも言えます。
強制通用力が通貨の機能を支えているのなら「合意」は不要ですし、「合意」が通貨の機能を支えているのなら「強制通用力」不要です。
このズレは、ペーパーマネーを通貨として認める「合意」は経済論理(社会的分業の密度)によって基礎付けられているが、どのようなモノを通貨として認めるかについては合意がないので国家機構が“これ”と強制することで生じていると考えています。
このことから、国家機構が付与する強制通用性は、通貨通用力の根源ではなく、公認通貨以外の他の通貨的モノを排除する「排他性」を意味すると見たほうがいいでしょう。
もう一つ、真札と偽札は、ともに「盗み」が潜んでいるという点で本質が似ているとも言えます。
真札は、ペーパーマネーを発行し貸し出しすることで利息を得る「盗み」に使われます。
(金本位制でも保有金量の2倍以上や4倍の紙幣を発行していたのですから、この「盗み」がありました)
また、過剰にかつ恣意的に貸し出しを行うことで、第一次世界大戦後のドイツや90年代半ばのロシアのようにハイパーインフレを引き起こし、債務者や経済的困窮者の資産を根こそぎ奪い取ったり、労働対価を“紙切れ”同然に劣化させる「大泥棒」も可能です。
(供給活動に依拠しないで通貨の流通量を増加させることで起こすインフレはどれも「盗み」です)
偽札の発行と使用は、一般的な通用性がない紙切れで財的価値ないし通用性のある“紙切れ”を手に入れる「盗み」です。
※ 通貨量の管理や徴税権との関わりから国家機構が通貨発行権を独占するかたちが望ましいと思っていますが、中央銀行→商業銀行→経済主体という貸し出しを通じた通貨供給は害悪だと思っています。