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経団連くりっぷ No.40 (1996年 9月26日)
重すぎるわが国企業の公的負担率
−大企業は70%を超える
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経団連では7月から8月にかけて、会員企業 999社に対し、税負担と社会保障負担を合わせた公的負担に関しアンケート調査を行なった。回答した企業は 555社(回答率55.6%)、1995年度にこれらの企業が納めた法人税額は3兆円を超え、全法人税収の2割強を占めている。これによると、日本の大企業の利益に対する、税負担と社会保障負担をあわせた公的負担率は、すでに平均で70%を超えている。
実額では、社会保障負担は、法人税額に匹敵する水準に達しており、企業は従業員1人当たり年間約80万円の負担を行なっていることが判明した。
日本産業の国際競争力を維持し、産業空洞化を防止して、経済活力を維持していくためには、企業の公的負担の抜本的な見直しが不可欠である。
【企業の公的負担率】
税負担(法人税+法人事業税+法人住民税+地価税+固定資産税)+社会保障負担
企業の公的負担率=―――――――――――――――――――――――――――――――――――――
税引前利益+法人事業税+地価税+固定資産税+社会保障負担
http://www.keidanren.or.jp/japanese/journal/CLIP/clip0040/cli001.html
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共産党の佐々木代議士の奇妙な論理よりもひどい経団連の論理に絶句である。
【基礎知識】
税引前利益はマイナスもある。
法人税や法人事業税は所得(黒字)に課税されるものである。
社会保障負担は人件費(損金)である。
法人住民税は従業員数という外形に対する課税である。
仮に、プラマイゼロの決算(課税所得ゼロ)で終わった企業であれば、
当該企業の公的負担率=(法人住民税+地価税+固定資産税+社会保障負担)/(税引き前利益+地価税+固定資産税+社会保障負担)
となる。(法人税と法人事業税は非課税)
※ 地価税は0%になったので現在は課税されていない
税引き前利益はゼロなので、見やすくするために「地価税+固定資産税+社会保障負担」をAとすると、
当該企業の公的負担率=(法人住民税+A)/A
となるから、
当該企業の公的負担率=法人住民税/A+1
に変形できる。
これは、法人住民税もAもプラスだから、1(100%)に法人住民税/Aを加えた負担率になることを意味する。
要は、経団連が「企業の公的負担率」を算定するものとして持ち込んだ式では、黒字決算ではない企業の負担率はすべて100%を超えるのである。
税引き前利益がマイナスであれば分母はAよりも小さくなるので、所得ゼロ(赤字でも黒字でも決算)よりも負担率はさらに重くなる。
課税目的や課税方法を峻別しないまま“負担率”が高くなることがわかっている“詐欺計算式”で企業の負担率が70%を超えていると叫び、法人諸税や社会保障負担の軽減を願っているのが経団連だったということになる。
(所得に課税されるものと、資産課税や経費(損金)として所得から控除されるものをぐちゃぐちゃに混ぜ合わせているからおかしくなっている。そのおかしさは、黒字ではない企業の法人税負担率が税引き前利益に対して“ゼロ%”(非課税)になることを考えればわかるだろう)
経団連が示している算式は、所得額(税引き前利益)が大きいほど負担率が低く、所得額が小さいほど負担率が高くなるということを示すものであり、負担余力がある優良企業がより多く負担したほうがいいというデータとしか使えないものである(笑)
経団連が本気で転載したような主張をしているのなら根拠として誤っており、経営者としての資質を疑わざるを得ない。
ひょっとして、経団連が負担を下げるために、デタラメであることをわかっていながら主張しているのなら悪質の極みである。
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