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(回答先: 巨人軍は永遠に不潔です 投稿者 異論半論 日時 2004 年 8 月 13 日 23:27:25)
http://www.mainichi-msn.co.jp/sports/pro/news/20040814k0000m050136000c.html
2リーグ維持か1リーグ移行かの再編問題で揺れているプロ野球界を、激震が襲った。巨人が明治大エースに対して現金200万円を渡していたことで、渡辺恒雄オーナー(78)以下、球団幹部がそろって球界から離れることになった。新人選手の獲得には巨額の裏金が動くとうわさされており、今回の不祥事は「氷山の一角」と指摘する声が強い。背景には、人気と資金力のある球団に有力選手が集中するドラフト制度の仕組みがある。球界再編の主導的存在だった渡辺オーナーの辞任で、再編の行方も不透明だ。プロ野球界は大きな危機を迎えた。【冨重圭以子、湯浅聡】
◇常にうわさ
今回は「栄養費」名目の200万円の授受しか明らかになっていないが、「新人選手の契約は億単位の金が動く」と、球界内では公然と裏金の存在がささやかれてきた。
「球界の盟主」を自任する巨人は「プロ野球の繁栄は巨人が常に優勝争いすることで達成される」という考え方で戦力補強してきた。全試合がテレビ放映されることによる飛び抜けた人気と巨額の収入が、他球団にまねできない選手集めを支えた。読売新聞によると、巨人の売上高は約240億円。2番目の阪神に比べ60億円も多い。豊かな収入が、他球団のスカウトを歯がみさせてきた。
選手の契約金は各球団の申し合わせで最高1億5000万円とされるが、ある球団スカウトは「巨人と逆指名を競った際、数億円を用意したが、巨人は2倍以上、2ケタだった」と話す。他の球団関係者も、地元出身選手について「うちが出せるぎりぎりを提示したが、巨人は3倍。問題にならなかった」と嘆いた。
プロ野球関係者と学生の事前接触は、日本学生野球憲章で禁止されているが、有望新人選手獲得活動では有名無実化しているのが現状だ。93年に導入された逆指名制度が、金銭をからめた新人選手獲得の動きをさらに加速させた。前オリックス球団代表の井箟(いのう)重慶・関西国際大教授は「スカウトが選手にメシを食わせたり小遣いをあげたりするのはみんなやっている。アマ球界の中には堂々と要求する者もいる。プロも悪いが、受け取るアマも悪い」と指摘する。
こうした裏金疑惑は、プロアマの正常な関係を脅かすものとして、球界でも問題視する声があった。しかし、歴代コミッショナーも調査に乗り出すことを避けてきた。
井箟前代表は「実行委員会や理事会で『ちゃんと調べるべきだ』と提案したが、そのたびにコミッショナーやリーグの会長は『証拠がない』『警察権がない』とうやむやにしてきた」と証言する。
今回の不祥事が、球界のうみを出す契機になるかどうか。コミッショナー、連盟会長らの指導力が問われている。
◇ドラフト制度、改革重ね骨抜きに
ドラフト制度は球団の戦力格差や、契約金の高騰が問題になり始めた65年、その是正を目的に導入された。しかし、度重なる制度改革で今や「骨抜き」状態。特に、逆指名権を認めた93年以降、巨人など資金力や人気のある一部球団に有望選手が集まるようになり、契約金や選手年俸の高騰化、戦力の不均衡化が進んだ。
ドラフトを巡る巨人のトラブルは、78年の「空白の一日」問題にさかのぼる。巨人がドラフト前日に制度の盲点を突いて、江川卓投手の入団を発表。最終的に江川投手は、ドラフトで指名した阪神からのトレードで巨人に入団したが、強引な手法に批判が集まった。
93年から、社会人(在籍2年以上)と大学生の選手に限り、選手の希望を優先して1位、2位の選手を決める「逆指名制度」が導入された。同時に、一定の出場年数を満たした選手が他球団に移籍できるフリーエージェント(FA)制も認められた。巨人の清原和博、工藤公康両選手らは、FAを利用した移籍組だ。
今回の不祥事は、01年導入の「自由獲得枠」制度のもとで起きた。ドラフトとは別枠で、各球団が高校生を除く2人まで、その球団を希望した選手を獲得できる。その「希望」を確実に得るために金銭が動いていた。
こうした制度変更の中心となってきたのが、巨人と渡辺前オーナーだった。渡辺前オーナーは「FA制度が認められなければ、新リーグを結成する」などと非公式発言を重ねて影響力を行使、ドラフト制度の変更とFA制度導入を実現させた。
こうした動きに対し、人気や資金力の乏しい球団からは「戦力格差が広がるばかりだ」と、ドラフトの見直しを求める意見が目立ち始めた。プロ野球選手会も「前年の下位チームから順番に選手を指名する完全ウエーバー制を導入して、戦力均衡に取り組むべきだ」と主張。40年目を迎えたドラフト制度は、今回の不祥事で根本的な見直しを迫られている。
◇球界再編、不透明に
球界に大きな影響力を持つ渡辺前オーナーの辞任で、来季からの1リーグ制へ向けた球界再編の流れは、一気に不透明になった。プロ野球の根幹にかかわるドラフト制に絡む不祥事だけに、辞任後の渡辺前オーナーが水面下で影響力を発揮することは困難だ。球界再編よりも、まず球界の自浄作用と再発防止策を求める声が、球界の内外で高まることは必至だ。
オーナー会議の議長を務めていた渡辺前オーナーは、近鉄・オリックスの合併問題でも、事前にオリックスの宮内義彦オーナーから相談を受けるなど、当初から球界再編に深くかかわってきた。
渡辺前オーナーは「パが5球団なら2リーグ、4球団になれば1リーグに移行」と主張。西武の堤義明オーナーとともに事実上、1リーグ制移行へのリーダーシップをとっていた。7月には、選手会の古田敦也会長(ヤクルト)が面会を要望したことに対して「たかが選手が」と発言して論議を呼ぶなど、球界再編の中心人物として言動が注目されてきた。
球界再編問題は、7月7日のオーナー会議で西武・堤オーナーが話した「パのもう一つの合併」がポイントとなっていた。ダイエー本社が産業再生機構の支援を要請する見通しとなったため、球団売却または合併が秒読み段階に入っている。なかでもロッテとの合併が有力視されている。
しかし、タイムリミットとされた9月8日のオーナー会議までに決定するかどうかは、時期的に微妙な段階を迎えていた。さらに1リーグ制移行には、阪神など巨人以外のセの球団が反対してきた。1リーグ制移行の「旗振り役」だった渡辺前オーナーが不祥事絡みで辞任したことで、1リーグ制だけでなく球団合併問題そのものにも影響が広がる可能性もある。
◇ドラフト制度をめぐる主な動き◇
1965年 ドラフト制度導入
66年 2度実施した唯一の年。中日が手続きミスを犯し、名商大の選手の交渉権が無効に
68年 「巨人以外ならノンプロ」としていた田淵幸一選手を阪神が指名。交渉権のない巨人が接触したことが判明し、田淵選手は阪神入り
78年 「空白の1日」で、江川卓選手が巨人と契約。ドラフトでは阪神が指名。翌79年2月に阪神からトレードの形で、巨人入団
93年 1位、2位指名対象の社会人と大学生に、逆指名権を認める
01年 ドラフト前に自由獲得枠で2人以内(高校生を除く)の獲得が可能になる
毎日新聞 2004年8月14日 0時16分