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http://www.asahi.com/life/update/0314/001.html
2005年03月14日09時18分
アルツハイマー病の引き金になる物質が脳にたまっているかどうかを、磁気共鳴断層撮影装置(MRI)で観察する手法を、理化学研究所・脳科学総合研究センターの西道隆臣(さいどう・たかおみ)チームリーダーらが開発した。マウスの実験で有用性が確かめられ、ヒトに応用ができればアルツハイマー病の発症前診断や早期治療につなぐこともできそうだ。13日付の米科学誌ネイチャー・ニューロサイエンス電子版で発表した。
年齢を重ねると、脳にはベータアミロイドという物質が蓄積する。これが過剰にたまると、アルツハイマー病を発症すると考えられている。
そこでベータアミロイドとよく結合し、MRIでの観察が可能なフッ素を含む化合物を新たに合成した。これをマウスに注射して観察すると、ベータアミロイドがどの程度、脳にたまっているかがわかった。これまでは死後に解剖して調べるしか、蓄積状況を知ることができなかった。
この手法を使えれば、ヒトでもアルツハイマー病を発症していないうちからベータアミロイドの蓄積状況を調べ、将来発症する可能性を診断することもできる。蓄積を抑える新薬の効率的な選抜にも役立ちそうだ。
西道さんは「マウスやサルの実験で効果的な診断法を絞り込み、4〜5年先をめどに、ヒトでの応用の可能性を見極めたい」と話している。